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  • 新恭
  • 2011年07月14日 11:52

小沢裁判で打つ手なき指定弁護士

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さぞかし小沢一郎氏を検審起訴した指定弁護士は公判前整理手続きで苦労をしているのではないだろうか。

すでに、石川衆院議員ら元秘書三人の公判で、先ごろ、東京地裁は彼らの供述調書の半数以上について任意性を否定し、証拠採用しないことを決めている。

東京地検特捜部がとった秘書たちの供述調書だけが、検察官役を請け負った指定弁護士にすれば、小沢氏を政治資金収支報告書の記載方法をめぐって罪に問う唯一の手掛かりだったはずだ。

その調書が、検察官の威圧と脅しと誘導によって作成されたもの、すなわちはっきり言えば、被告の意思に反してねつ造された紙切れであると地裁に判断されたのだから、指定弁護士にとっては法廷で闘う武器を奪われたようなものである。

むろん、小沢氏と、秘書三人は異なる法廷であり、別の裁判官が担当するのであろう。それでも、同じ供述調書について証拠価値の判断が異なるということでは、裁判所の信用性が問題になる。

公判前整理手続きは、争点の絞り込み、証拠整理,公判スケジュールの策定が目的だ。地裁会議室に裁判官、検察官役指定弁護士、小沢側弁護士が集まり非公開で行われている。
3月以降、10回の会合を重ね、9月にかけてあと5回ほど開いて、10月に初公判という段取りらしい。

どんなやり取りがなされているのか非公開なので分からないが、新聞によると、指定弁護士は、村木冤罪事件のFDねつ造で逮捕された大阪地検特捜部の前田恒彦元検事が陸山会事件の応援にはせ参じて作成した調書を証拠請求したという。

元秘書3人の公判で、検察側が証拠能力なしと認めている前田作成調書を、である。

小沢弁護団がそれに不同意を突きつけると、指定弁護士は前田元検事を証人申請する意向を示した。

その理由について「取り調べ内容が信用できることを立証するため」と指定弁護士が言っているというのだが、だとしたら、打つ手がなくて、もう破れかぶれといった風情である。

いずれにせよ、よほど立証材料がなくて困っているということだろう。

そもそも東京地検特捜部は小沢氏を不起訴としたが、石川氏らの供述調書に任意性があるという前提で、検察審査会が小沢氏の共謀を疑って起訴議決をしたわけであり、その任意性が裁判所によって否定された以上、小沢裁判そのものの根拠がほとんど消滅しているといっていい。

東京地裁が供述調書の任意性を否定した決め手は、小沢氏に対し検察審査会が第一回目の「起訴相当」議決をしたあと、東京地検特捜部の田代政弘検事が石川氏を再聴取したさい、石川氏が隠し録音していたICレコーダーの記録だ。

ことし2月7日に開廷した石川氏ら三人の初公判で、弁護側がこの録音を書き起こした「反訳書」を提出し、読み上げた。拙メルマガ7月7日号から、その内容について書いた部分を転載する
◇◇◇

「あのー基本的にはどうなのかな、検審のね、うちが(小沢を)起訴するかしないかっていうのも、これからの判断だから、仮に起訴せずとなって済んでも検審でまた起訴相当が出ると困るわけで…多分、石川さんは小沢先生からねじまかれて今までの供述を全面的に否定するだろうと…それをやっちゃうとさ、
いわゆる強硬な、ね、考え方の人たちの思うツボっていうか」

石川氏が逮捕拘留中の供述を全面否定するのを予測し、そんなことをしたら検察の強硬派から反発を食らって、かえって損をするぞと、やんわり脅している。

「うちの幹部にしても検審にしても、なぜそういう(全面否定の)供述になったのかを色々想像するよね。…ほらやっぱり絶対権力者じゃんと、あの先入観がある限り、結構きついよね、その部分がね」

絶対権力者である小沢氏の命を受けて全面否定したと受け取られ、心証が悪くなると匂わせることで、追いうちをかけている。

「だからここんところでさ、検審、ま、うちの方針もそうだけど、多分、石川さんが、今までの話を維持してきちっとね、話をしている限り、起訴ということにはならないんだろうと思うんだよ」

こうして、相手に脅しをかけたうえで、解決策を提示し、調書の供述を維持するよう巧みに誘導する。

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