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- 2013年06月17日 06:26
津田大介、堀潤、佐藤大吾が馬淵、長妻、蓮舫を直撃!「民主党に再生のチャンスはあるのか!?」
2/4ふわふわでバラバラだった民主党。今後は結束できるのか?
津田:民主党は、ふわふわしていて「寄せ集めだ」という批判の対象にもなっていますね。まとまるための理念はどうなっていますか。蓮舫:党綱領を2月に作りました。ただ、それがあればメンバーが黙るかというと、そうでもない。
津田:綱領もふわっとしていますよね。あれだけだと、日本を具体的にどういう社会にしたいのか、あまり伝わらなかったのではないかと思います。
長妻:綱領は個別政策とは違います。読んでもらえれば、民主党が目指している社会が、自民党や維新の会のそれとはかなり違うのは明白です。我々は格差を是正して、全ての方に居場所と出番のある社会をつくっていく。自立を基本としつつも、それができない人にも光を当てていく。そういう趣旨で書いてあります。
マニフェストについていうと、与党になる前は、マニフェストがどこまで実現できるのかが把握しきれなかった。財務省とやり取りはしていましたが、野党に対してはそこまで詳細な資料は出て来ず、どうしても中身がわからない部分が多い。野党は追及する立場でしたから「これぐらいは無駄遣いが削減できるのではないか」「このぐらいのことはできるのではないか」と追及しているうちに、「できるにちがいない」となって、結果として大風呂敷になってしまったのです。今から考えれば、政権についたあともっと早く修正できたかもしれませんが、その見極めが遅れて、タイミングを逸したのも非常にまずかった。
腹合わせ不足もありました。マニフェストやその他の政策集には書いてある案件について、優先順位が明確ではありませんでした。政権をとるということに非常に精力を集中するあまり、運営準備ができなかったということです。
特に閣僚間の意見調整が不足していました。本来であれば、A案件、B案件、C案件のように分類して、A案件については官僚や周囲がなんと言おうが一致結束して説得に説得をして絶対、妥協しないでやる。B案件は基本的にやるけれども、抵抗が大きすぎれば一端引く。C案件は官僚に任せる。など、メリハリを付ける必要がありました。各閣僚や各議員の中で「絶対譲れない部分」のすりあわせができていませんでした。
津田:準備不足は、その通りだったんでしょうね。その反省は今後、活かしていけるのでしょうか。そのための具体策を教えてください。
馬淵:つまり、理念から派生する政策を、全議員が共有するプロセスが必要なんですね。
津田:前は共有できていなかったということですか?
馬淵:党内からもマニフェストへの批判が繰り返されましたからね。マニフェストは本来、単なる政策パッケージではなくて、絞り込むプロセスも含めて成立するものなのです。野党時代に3〜4年をかけて、広く国民と対話を繰り返しながら、基本理念に合致した政策をしっかりと絞り込んでいく、そうすれば少なくとも政権交代したときに優先順位は自ずと決まっているはずでした。しかし、それができていなかった。ハッキリ言えば、野党時代のマグマのような政策集を出してしまったというのが、実態でしょう。
あれもやりたい、これもやりたい、野党時代に貯まっていた政策を一気に盛り込んでしまったということですね。また、もし出してしまったとしても、本来ならば政権交代した瞬間から、優先順位を決めなければなりませんでした。
長妻:民主党がどう変わったかは、外には見えにくいかも知れません。しかし、与党時代には副大臣や政務官を含めるとかなりの人間が内閣入りを経験しました。官僚、有識者、各種団体とも強いつながりができた。いまも一人ひとりがそれぞれのルート・方法で、意見交換を続けています。敗因分析も綱領も、目立たなかったかも知れませんが、かなりの時間をかけて、全議員を集めて議論しています。
津田:自民党は政権復帰後、選択と集中で今のところ経済一本に絞っていますね。民主党が同じように政策を絞れなかった最大の原因は?
馬淵:優先順位ができていなかったということに尽きます。鳩山首相が発表したCO2の25%削減目標にしても、それを実現するための政策順位は決まっていませんでした。子ども手当や「コンクリートから人へ」もあるなかで、本来ならば一つ一つの優先順位が決まっているべきでした。増税をしなければならないとしても、それらを実現するため、最終的に行き着いたという形であれば国民の理解が得られたでしょうが、実際にはちぐはぐでした。
津田:いまの民主党は、優先順位を定められているのですか? いま一番優先している政策は何ですか?
馬淵:私は年金、社会保障だと思っています。去年の増税法案を成立させるときに、社会保障の抜本改革をやると自公と3党合意しました。これは参院選の焦点でもある極めて重大な問題だと思っています。
長妻:党綱領には「全ての人に居場所と出番を」と打ち出しています。経済格差が深刻化しています。民主党政権時代には初めて相対的貧困率を公表しましたが、先進国ではアメリカに次いで高かった。生活保護を受けている子どものうち、4人に1人が大人になっても生活保護を受けている。これは「貧困の連鎖」です。
決して良い言葉ではないですが「貧困層」という固定化された層が数百万人、出てきている。世帯年収による教育格差も激しくて、世帯年収400万円のご家庭のお子さんが大学に行ける割合は3割しかない。東大生の親の平均年収というのは約1200万円だそうです。また非正規雇用者は結婚している率が低く、30代前半の男性では正規雇用者と2.5倍の開きがあります。
「自立が基本だ」という事は、誰も否定しないでしょう。自立しようと思ってもできない人にどんな目配りをするか。社会を強くするためにはそれが必要です。生活保護を受ける人がどんどん増えかねない。
蓮舫:与党時代は、官僚や経済界の声を代弁する声が出てきて、残念ながら党ががばらけてしまいました。しかし現在は、参院選の公約も限られた人だけで作るのではなくて、取捨選択や優先順位について、全議員がきっちり議論しています。「新しい公共」も綱領に盛り込んでいて、そこに反対する声はありません。
また、地方の声を吸い上げる仕組みもつくりました。ネットで全地域をつないで、各自治体の議員にも集まってもらって、内部の議論は相当詰めてきています。表に見せる作業ではないのですが、議論を積み重ねることで「あのときみんなで納得したよね」という合意はできてきている。そうやって、バラバラになってしまった部分を再生しようとしています。
津田:経済問題は優先ではないのですか?
馬淵:経済成長は大前提です。それだけに争点にはなりにくいでしょう。長期デフレを脱却するための金融緩和についても、株高円安については若干の調整局面だと言われていますが、景気の回復の兆しを示していることは誰も否定しない。ただ、そのうえで、年金と高齢者医療、子育て支援といった社会保障はやらなければいけない。これは、民主党らしい政策パッケージだと思います。
佐藤:いくら経済成長が前提といっても、強調しなければ軽視されているように映るのではないでしょうか。
蓮舫:確かに言い続けないといけませんね。
長妻:民主党にはバブルを起こすような派手な経済政策はありませんが、じわじわ内需を上げていくという発想です。社会保障を通じた所得再分配で、格差を是正することこそが、経済成長の基盤を作っていくと考えています。社会の安定化は、強さにつながります。それに対して自民党などの発想の根底にあるのは、社会保障は経済成長のお荷物だし、結果として格差拡大はしかたないという考えでしょう。アベノミクスは上を引き上げて、おこぼれが下に及ぶという仕組みで、格差は拡大する政策です。
民主党は1%のインフレ成長と、家計への補助によって内需拡大をするという方針で、子ども手当や雇用保険の拡大などの対策を取りました。安倍さんの政策は家計への補助から、公共事業など企業への補助に変わってきています。民主党は一年間に44兆円以上は借金しないという方針でやっていましたが、その制限も麻生さんがとっぱらって、今はおよそ年間50兆円ですね。
馬淵:長妻さんの話を補強します。長期デフレを続けてしまった事実を考えると、デフレ脱却、金融政策は否定すべきではありません。ただ、アベノミクスの3本の矢(金融緩和、公共投資、成長戦略)のうち公共投資は、おそらく族議員に強烈にプッシュされて押し込められた結果ではないかと思っています。
経済政策は常に金融と財政で両輪です。民主党も昨年、日本再生戦略の中で、グリーン、ライフ、イノベーションといった、新たな産業、税収増を図る分野への投資するための財政政策を準備していました。
津田:民主党の経済政策は、個々人によって全然立場が違うという印象を受けますが、党内ではまとまっているのでしょうか?
馬淵:少なくとも政権から転落する直前までは、中でガタガタしていましたね。議論し尽くしたうえで一致したとは、言えなかったかもしれません。だからこそ下野したいまは、党綱領の理念に基づいてもう一度政策を一致させていこうと繰り返し、手間をかけてやっています。議員数は少なくなってしまいましたが、そのぶん十分議論し、いったんまとまればそれに従うという仕組みを作っています。
津田:経済といえば、雇用の問題もありますね。今話題になっている限定正社員や非正規雇用問題については、どういう政策ですか?
長妻:深刻な問題ですね。国民年金の一号被保険者のうち500万人が、会社で働いているのに厚生年金に入れていません。そのうち100万人ちょっとは大学生のアルバイトですが、それを除いても数百万人は事業主負担が半額ある厚生年金に入れていない。医療保険も国民健康保険だったりします。この状態は変えていかなければなりません。
失業保険については、与党時代に法改正で財源を手当てし、新規で非正規雇用の200万人が失業保険に加入できるようになりました。厚生年金の適用拡大も、数十万人分はできました。これをもっと劇的に進めなければいけないということで、年金一元化や最低保障年金の主張を続けています。
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