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【読書感想】キャリアポルノは人生の無駄だ

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キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)


こちらはKindle版です。

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キャリアポルノは人生の無駄だ

内容(「BOOK」データベースより)

自己啓発書を読んで「オレって何かスゴイ」と興奮するが、現実が改善された形跡がない…そういうあなたは「キャリアポルノ依存症」です!マネジメントの不在を社員の精神主義でカバーする日本の労働環境と自己啓発書ブームの深い関係―。やる気がでれば、それでいいのか!?


Kindle版で読みました。

Kindle版は500円とワンコインなのですが、紙の本には音声ファイルが特典としてついてくるらしいです。


ついつい、「自己啓発本」の扇情的なタイトルを見ては、手にとってしまう僕にとって、身につまされる話の数々でした。


著者の造語である、この「キャリアポルノ」の語源は「フードポルノ」なのだそうです。

「フードポルノ」という言葉も僕は知らなかったのですが、英語圏では「ウェブサイトや雑誌、テレビ、広告などで美味しそうな料理や調理する様子を紹介して視聴者・読者の気を引くこと(または、その料理そのもの)」をこう呼ぶのだそうです。

 フードポルノと同じように、自己啓発書というのは、目に見えない部分での努力や行動、勉強をすっ飛ばして、読むだけで自分の手に届かないもの、例えばかわいい彼女、素敵な家、もっとやりがいのある仕事、高い給料、楽しい友達などを想像し、自分が求めている欲望を満たすだけの「娯楽」に過ぎないのです。読むだけ、聞くだけ、見るだけでは、自分の欲しいものは手に入りません。

 いつまでたっても欲しいものは手に入らないので、延々とフードポルノを見つづける怠け者のように、次々に自己啓発書を買っては読んで、何となく自分が凄い人になったような気になり、実は何もしないのです。会社での仕事は中途半端で、仕事に本当に必要な会計や技術や語学の勉強はほったらかし、書類作りには身が入らず、お客さんや同僚の意見も無視します。毎日何か積み重ねて頑張ろうという気力もありません。何か新しい仕事を生み出そう、新しいものを書こう、こんなおもしろいことをやろう、これを作ったら素晴らしいに違いない、という発想も出てきません。自己啓発書を読んで真似すれば何とかなる、ショートカットを使って、痛みや苦痛を体験せずにお金持ちや成功者になれると思い込んでいるからです。その根本にあるのは、怠惰であり、模倣です。自己啓発書が好きな人々の心には、自由、進歩、貢献という言葉はありません。自己中心的な怠け者なので、世の中に貢献しようという気もないのです。

 自己啓発書の読者は、遊びではなく勉強のための本を買う意識の高いビジネスマン、という自己イメージをもっているかもしれません。しかし、自己啓発書が何十万部も売れているのにもかかわらず、なぜこんなに日本は不景気なままなのでしょうか。分別のある大人であれば持って当然の疑問のはずです。



「ダイエットの最も確実な方法は食事制限と運動療法」だということは、誰もが理解しているにもかかわらず、それはキツイしめんどくさいから、「裏技的ダイエット」が雨後のタケノコのように乱立しつづけているわけで。

人間は、ラクをしたい、そして、できれば他人より優位に立ちたい(僕もそうです)。


 つまり、日本の社会というのは、一般的には「和」を重視すると言われていますが、実はその「和」とは、集団から突出しない集団圧力であり、しかしながら、集団内では小規模なレベルで常に競争があり、他の集団とは激しい競争をしているという、実は競争好きな社会であるのです。

 日本人の競争好きは、店舗に行くと、やたらと「これは売り上げ何位でした」「わが社は業界何番です」と競争をあおるランキングが貼ってあることからわかります。特にヨーロッパでは店舗の壁にべたべたとチラシを貼ることは、インテリアの美観を損ねることもありますし(日本の人は町や店舗の美観にはあまり興味がないようです)、お客さんも何が売れ筋かなどには興味がないので、ランキングなど貼らないし、だいたいどこの店舗で何がどのぐらい売れているかを買う人が気にすることそのものが滑稽なのです。しかし日本では、お客さんは競争されたもの=ランキング上位のもの=競争に勝ったもの、を好むようです。

 さらに、雑誌やテレビで、やたらと「人気ランキング」が掲載されたり放送されているのも大変日本的です。そのようなランキング番組を、ゴールデンタイムやサラリーマンが帰宅したあとにお酒を飲みながら見ると思われる深夜番組で流しているのです。このようなランキングは、他の国ではあまり見られないものです。フランス、バングラデシュ、アイルランド、イタリア、ボリビア出身の友人たちは、日本のこの「ランキング地獄」を目にして「なぜ日本ではこんなに順位にこだわるのか? さっぱりわからない」と首を傾げています。


「和を尊ぶ」「仲良しグループ」のようなイメージを持たれがちな日本社会なのですが、たしかに、こういう「小さな競争好きな面」って、ありますよね。

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