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  • 新恭
  • 2011年04月01日 12:56

原発連合艦隊いまだ反省の色なし

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日本原子力学会会長、辻倉米蔵氏は、巨大地震、大津波に襲われ、原発の炉心溶融が国を危うくしている今、つぎのように高らかに宣言した。

「この事態を、日本の原子力開発史上、最悪のものと受け止め、安全システムの抜本的な再構築をはじめ、あらゆる分野にわたって、学会員一丸となって、奮闘努力してまいります。原子力が人類のエネルギー問題解決に不可欠の技術であることに思いをいたし、これからも社会の発展に寄与するよう新たな決意で取り組んで参ります」

いい気なものではないか。自分たちが原発安全神話の宣伝部隊として活動し、その結果、国民を不安に陥れているというのに、反省の色はかけらもない。

そういえば、原子力や放射線の専門家からなる原子力安全委員会も、まるで他人事のような風情で以下のように言う。

「まさにシビアアクシデント。筋書き通りに進んでしまった。きちんとマネジメントされていれば防げたと思う」(代谷誠治委員)

きちんとマネジメントできるよう、適切に指導をするのがお役目であろう。東電や原子炉メーカーがモタモタしたのは間違いないが、原子力安全委は当事者であって評論家組織ではないはずだ。

代谷誠治委員は自らの文章に「原子力安全委員会は、国による安全規制についての基本的な考え方を決定し、行政機関ならびに事業者を指導する役割を担っています」と書いている。

まさか、国家の存亡にかかわる一大事に、傍観者を気取っていられる立場ではあるまい。

では原子力安全委の元委員長、松浦祥次郎氏はどういう見解をお持ちだろうか。大地震への備えが甘かった点について、こう言う。

「何もかもがダメになるといった状況は考えなくてもいいという暗黙の了解があった。隕石の直撃など、何でもかんでも対応できるかといったら、それは無理だ」

原発推進学者がしばしば持ち出す開き直りの論法だ。今はやりの「想定外理論」というより、「隕石衝突理論」とでもいうべきか。

原子力安全委員会は、原子力船「むつ」の放射能漏れ事故をきっかけに、原子力基本法が改正され、原子力委員会を分割して誕生した。

原子力の開発を推進する原子力委のほかに、安全規制という面で権限を行使する機関の必要性を唱える声が高まったからだ。

ところが、原子力安全委は、結局、行政機関や電力業界と同じ穴のムジナになってしまった。

たとえば原子力安全委が主催する公開ヒアリングは、委員長や委員が議長をつとめて、原発関連施設が設置される地域の住民の意見と、それに対する経産省原子力安全・保安院の官僚の説明を聞く機会だが、どう見ても、先に結論ありきの儀式としか思えない。

「安全性について地元住民の意見等を聴取し、これを参酌する」という目的を掲げながら、過去に、住民の声が届いて計画が修正されたり変更、撤回されたためしはない。

電力会社の原子炉設置計画などを経産省の原子力安全・保安院が、審査し、妥当と判断しても、その保安院の判断が適正かどうかをダブルチェックするために、原子力安全委が主導して開くのが公開ヒアリングの目的である。

にもかかわらず、原子力安全委員がつとめる議長と、経産省の役人は、息をぴったり合わせて、プログラム通りに議事を進めてゆく。そこには地元の訴えに真摯に向き合おうとする姿勢はいっさい感じられない。

では、原子力安全委員会の定例会議ではどのような議論が行われているのかを少しのぞいてみよう。

ことし2月7日の定例会議では、「福島第一原子力発電所1号炉の経年劣化」に関する議題が含まれていた。設置から40年も経た老朽炉が、今後も安全運転できるのかという重要な議題であったはずである。

この件がなぜ議題に上ったかというと、東電が1号炉の「長期保守管理方針」の変更認可申請を経産省に出し、保安院が天下り団体である独立行政法人原子力安全基盤機構にチェックさせたうえで妥当と認め、原子力安全委に報告したからである。

この件についての議論は、あまりにもあっけなく終わった。

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