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REIT(不動産投信)は買えるか

最近、新聞を読んでいて不思議に思う。REITの投資判断に関するコメントだ。今日も同じ見解があった。曰く、「今後の(日銀のREIT)購入余地が乏しいとの見方から相場が下落していた」と。

と読んで、疑問を感じないか。裏を返すと、「日銀が買わないのなら、今のREITは買えない」、「価格水準が高すぎる」と市場関係者が感じている意味だろう。

その一方で大規模なREITの上場があった。野村マスターファンド(物流・商業施設への投資ファンド)の上場である。1300億円を超す大口のファンドであり、野村不動産が実質的にマネジメントする。この上場に伴う調達資金以外に借入も行い、総額2276億円の資金を調達し、54物件の取得が行われる(当法人の6/12の「資金の借入れに関するお知らせ」による)。これだけのリートを組成するには、それをマネジメントする野村不動産の力が背後にある。また、この購入54物件はすでに確定しており、不動産会社の子会社が取得した物件である。

さて、最初に言及した今日の新聞記事の本旨は、「日銀がREITの買い入れ枠を拡大する」というもの。この「拡大された」日銀の資金がREIT経由で不動産会社に流れる。それが望ましいのか望ましくないのかの判断は行わない。日銀の資金の流れを確認しただけである。

REITの相場観の話に戻ろう。日銀は投資家が買わないREITの買い支えを行っている。株式も同じで、日銀はETF(上場投資信託)を買っている。株式も不動産も日銀の支えがないと崩れるほど脆いのかなと疑いたくなる。もっとも、不動産と異なり、株価に対する日経のコメントは強気を維持している。この相場に対するコメントの差は何を意味しているのか。

株式と不動産とに差があるとすれば、REITの場合、不動産業者の意図が働きやすいこと、すなわちREITの新規上場や増資(新規募集)が不動産会社の意図で活発化しやすいことだろう。不動産業者としてはREITの規模を大きくすることで儲けたい。そのため、市場が活況になれば資金を新たに集め、新規物件に投資するわけだ。でも、それって高値での不動産投資ではないのか。

投資家としては、このようなREITの特性を知って投資すべきである。もう少し言うと。REITの資金調達、とくに増資が活発化すると「要注意」かもしれない。

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