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  • 新恭
  • 2010年12月09日 22:07

小沢国会招致への岡田の焦りが墓穴を掘る

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昨日、自民党本部にやってきた大連立論者の渡邊恒雄氏に、谷垣自民党総裁はこう言ったという。

「小沢さんを切れないような民主党とは組めない」

自民党は小沢一郎氏に国会で「説明」をするよう民主党に求めてきたはずだ。ところが実は「切ってほしい」ということらしい。

つまり小沢のいない民主党にすることが、国会招致キャンペーンの真の目的であることを、問わず語りに吐露したことになる。

自民党は政倫審ではなく証人喚問に小沢を招致するよう要求してきた。

原則として非公開の政倫審よりも、メディアのカメラにさらされる証人喚問は、この国の20年来の「改革者」を、異端審問を受ける「悪魔」に見せかけるのに都合がいいのだろう。

現代日本においては、国会やメディアという権威はいとも簡単に、特定の人物に対する集団ヒステリーを生み出すことができる。

小沢氏に関する「政治とカネ」問題は、事実と乖離して、もはやイデオロギーというほかないが、それは多額の政治資金を集め秘書軍団を率いる政治的実力者に対する、弱者の嫉妬や羨望、いわば「ルサンチマン」を煽り立てるのに威力を発揮してきた。

自民党は1955年以来、米国の庇護のもと、ごく一時期をのぞいて政権を独占した政党であり、政界の強者であったが、冷戦の終焉とともにその存在価値が低下してきたのは歴史の必然であろう。

しかし、感情渦巻く生身の人間とその集団は、歴史という大きな構造よりも、目に見える敵に自らの凋落の原因を求め、いつまでも被害者意識を持つものである。

敵対する存在の象徴が小沢一郎であったことは疑う余地がない。

実際のところ、自民党をぶっ壊したのは小泉純一郎ではなく、小沢一郎である。小沢のいない民主党こそ、自民党の渇望する集団に他ならない。

次の総選挙までに、民主党に完全なる「非小沢」政党になってもらわなければ、小沢に分断された集票組織が自民党に戻ってくるかどうかも、おぼつかないことだろう。

ただし、政権交代の功労者である小沢に国会招致という鈴をつけさせようとするなど、さまざまな難問を民主党に突きつけ、まともに政策議論をしようとしない今のままの対決戦術が、来年の通常国会において自民党を利するかどうかは、はなはだ疑問ではある。

臨時国会で本質的議論抜きにヒステリックな政権批判を繰り返したのは、お世辞にも国民に好印象を残したとはいいがたい。

ねじれ国会に悩む菅首相に森喜朗が会い、渡邊恒雄が谷垣に会って、大連立を働きかけているのは、弱体政権から「庇を借りて母屋を取る」、つまり主導権を奪って自らの政策をのませていく体制をつくるよう、自民党をたきつけているようにも見える。

野党になって閑古鳥が鳴く自民党本部での大連立話に谷垣はおそらく心が動いただろうが、森が菅から得た感触が伝わっておらず、党内での話し合いもしていない段階では、ひとまず「民主党とは組めない」と言うほかあるまい。

一方、岡田幹事長は政倫審の議決で小沢氏をあくまで国会(政倫審)に引っ張り出し、公明党が連立話に乗ってきやすい環境をつくりたいようだが、渡邊・森コンビがまたぞろ大連立に動き出したため、まさかとは思うが、場合によっては自民党との連携も視野に入れて、小沢国会招致をよけいに焦る可能性もある。

そうなると、まさに自民党の思うツボであり、小沢やそのグループと決定的な亀裂が入るばかりか、かりに自民党、もしくは公明党と連立しても、まさに「母屋」をとられて、民主党の不甲斐なさばかりを逆宣伝する羽目になることだろう。

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