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海外留学の減少、実は「内向き」より「語学力」が原因!? ‐ 渡辺敦司

国内にもグローバル化の波が押し寄せるなか、若者の「内向き志向」が問題にされてきました。では、どうすれば若者の目を海外に向けさせることができるのでしょうか。答えは意外に単純なのかもしれません。

ベネッセ教育研究開発センターがこのほどまとめた「大学生の学習・生活実態調査」では、海外留学への意識も調べています。「海外留学をしたい」と思っている学生(「とてもあてはまる」「まああてはまる」の合計)は38.0%でした。インターネットのモニター登録者を対象にした調査という性格上、回答者に国立大学生が比較的多かったことなどを割り引いて考えても、潜在的な留学への関心はそこそこあるとも読める数値です。とりわけ1年生では44.1%ありました。しかし実際に留学した4年生は4.9%にすぎず、実現のハードルは相当高いのが実態です。
では、実際に留学に踏み切るには何が必要なのでしょうか。同センターでは、大学生活を通じた外国語の身に付き度合いとクロス集計をしてみました。すると、「外国語で聞き、話す」ことが身に付いたという人では56.6%が留学したいと答えていたのに対して、身に付いていない人では30.9%にとどまっていたのです。留学したいかどうかは、語学力に左右されていたというわけです。「外国語で読み、書く」についても、身に付いた人で53.3%、身に付いていない人で30.9%と、聞く・話すと数字に大差はありませんから、「読めるのに話せない」といった偏りではなく、総合的な語学力の問題のようです。

その「外国語で聞き、話す」力が身に付いた割合は、1年生の42.7%から、2年生34.0%、3年生29.3%、4年生27.0%と、年々下がっていきます。つまり語学力は大学入試の直後をピークに低下する一方であって、大学教育が語学力を伸ばせないでいるのが実態なのです。留学したい意欲が学年が進むにつれ低下していく傾向にあるのも、語学への自信がなくなっていくのに対応したものだとみられます。
逆に言えば、語学力に自信をつけさせてあげるだけで今以上に海外留学への意欲は高められるという見方もできそうです。新しい学習指導要領が小学校から高校までの英語教育でコミュニケーション能力の強化を目指していることは、以前の記事でも紹介しました。物おじしたり遠慮したりして話せないというのが日本人の特質だとも指摘されますが、訓練次第で積極的に話そうと仕向ける余地は十分あるでしょう。

もちろん実際に留学するとなると、留学資金の問題が最大のネックになります。下村博文文部科学相は留学生を増やすためには、返還の必要がない給付型奨学金を出すべきだとの考えも示しています。
調査では、語学力のあるなしが海外で働きたいと思うかどうかも左右することがわかっています。グローバル社会で活躍するためには、まず語学力に自信をつけ、積極的にコミュニケーションを取ろうとすることが第一なのです。

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