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  • 新恭
  • 2010年10月23日 21:55

朝日と真反対の最高検「メモ廃棄通知」報道をしたNHK

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村木冤罪事件における取り調べメモの廃棄問題に関し、同じ最高検の通知文が、朝日とNHKでは真反対の解釈で報道された。

それぞれ、記者会見でコントロールされていない独自取材の証明ともいえるし、どんなニュースでも伝える側の解釈を鵜呑みにしてはならないという、読者への警鐘と受けとめることもできる。

村木裁判では、大阪地検特捜部の検事6人が、取り調べのさいにとったメモをすべて廃棄していたことがわかり、大問題になった。

これは大阪地検の特殊なケースなのか、それとも検察組織全体の問題なのか。それを検証する手がかりとして、9月8日の朝日と、本日10月24日のNHKニュースが取り上げたのが、メモ取り扱いに関する2008年の最高検通知だ。

まずは、今日のNHK。

最高検察庁が、おととし、検察官が必要ないと判断したメモは速やかに廃棄するよう全国の検察庁に指示していたことがわかりました。専門家は「被告に有利なメモがあっても廃棄されることになり、きわめて不適切だ」と批判しています。

一方、9月8日の朝日。

関係者の取り調べの際につけたメモ(備忘録)を廃棄していた大阪地検特捜部の複数の検事の対応が、最高検の通知に反するものだったことがわかった。

これで明らかなように、NHKはメモ廃棄を指示していたとして最高検を批判。朝日は最高検の通知に反して廃棄したとして大阪地検特捜部を悪者にしている。

では、通知か指示かはともかく、最高検の文書はどのような内容だったのだろうか。

こちらもNHKから。

NHKでは、最高検察庁が、おととし、取り調べのメモについて全国の検察庁に出した通知とその解説文を入手しました。解説文で、最高検は「必要性の乏しいメモを安易に保管しておくと、メモを開示するかどうかで無用な問題が生じかねない。裁判所が取り調べの状況について判断するうえで必要なメモは保管し、それ以外のメモは、プライバシー保護などの観点から速やかに廃棄すべきだ」としています。

朝日の記事はこうだ。

最高検は08年7月と10月、検事や副検事が容疑者の発言や質問事項などを記すメモの取り扱いについて各地検に通知。取り調べ状況が将来争いになる可能性があると捜査担当検事が判断した場合、(1)メモを公判担当検事に引き継ぐ(2)公判担当検事はメモを一定期間保管する――ことを刑事部長名で求めた。

両方の報道内容を見比べると、いずれも08年の文書を取り上げていることがわかる。朝日の記事を素直に解釈すれば、7月と10月の二回にわたって通知されたが、その内容は同じだったようだ。

NHKと朝日が同じ文書について語っていることはまず間違いない。その認識のうえで、それぞれの記事に目を凝らしてみる。

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