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  • 新恭
  • 2010年10月05日 11:48

検察審の欠陥をさらした小沢強制起訴議決

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制度というものは、いかにその目的が正しくとも、使い方を間違えると、人を抹殺する凶器になることもある。

できの悪い学生のレポートのような東京第5検察審査会の文面により、小沢一郎氏にふりかかった「強制起訴」という災難は、根拠なく誰でもが法廷に引っ張り出される可能性があることを天下に知らしめた衝撃的、かつ危険な歴史的出来事である。

筆者はこの、稚拙かつ予断と偏見と非論理性に満ちた、およそ法治の精神とは縁遠い「起訴相当」議決の文面を、静かに読者の方々とともに吟味するにあたり、まず、肩書きや修飾語、ダブりなど、不要なものを取り除いた文章に直してみることにした。これにより、骨組みがしっかり分かるはずである。

そして、それに対しコメントを付け加えることで、まず、筆者なりの疑念を今回の議決に対して呈してみたい。

被疑事実については前回議決と同じである。念のため、ごく簡単にまとめておく。

「小沢氏が代表をつとめる陸山会は04年10月に代金3億4264万円を支払い、東京都世田谷区の土地2筆を取得したのに、04年分の陸山会の収支報告書に記載せず、05年分の陸山会の収支報告書に、本件土地代金分過大の4億1525万4243円を事務所費として支出した」

これについて当ブログでは、04年10月に3億4264万円で土地を購入したのは、陸山会ではなく、小沢氏個人であることが登記簿謄本などから確認でき、04年分の陸山会の報告書に記載すべきものではないことを再三、指摘してきた。

そもそも陸山会は権利なき団体であり、不動産を所有したり登記することはできない。そこで、登記上の所有者を小沢一郎個人としたまま、実質的な所有者を陸山会にするため、登記が完了した05年1月7日の日付で、陸山会と小沢一郎個人との間で、確認書を交わした。 

その内容にしたがって、陸山会は同じ1月7日に、3億4264万円の土地代金に登記料、登記手数料等の諸費用を加算した4億1500万円を小沢一郎個人に支払って05年の収支報告書に記載した。

登記簿謄本や確認書などを素直に解釈すると、そうなるはずである。詳しくは10月1日の記事「検察審に知ってほしい小沢土地取引の真実」
を参照されたい。

さて、今回の「検察審査会の議決」についてである。

1 再捜査について

「検察官は小沢氏、大久保隆規、石川知裕、池田光智を再度取り調べたが、形式的な取り調べの域を出ておらず十分な再捜査とは言い難い」

形式的な取り調べとは何か。静かにじっくり相手の話に耳を傾けることであろうか。実質的な取り調べとは何か。脅したりすかしたりして心理的に追い詰め、筋立てどおりの供述を得ることであろうか。

2 石川被告供述の信用性

「石川被告の供述は、4億円の出所や土地取得資金の記載を翌年にずらした偽装工作の動機に不合理・不自然な点もみられるが、真の動機を明らかにできないことから、苦し紛れの説明をせざるを得なかったものだ」

どうして、偽装工作と決めつけられるのであろうか。まず「偽装」ありき、を出発点にした論理では、たどり着く先は決まっており、それこそ真相究明を阻むものとなる。

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