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発達障害児の通級が6年間で約4倍に ‐ 斎藤剛史

普段は通常学級でみんなと同じ授業を受け、週に何時間か別の教室などで障害に応じた教育を受けることを「通級」といいます。特別支援教育の一つですが、文部科学省の調査によると、2012(平成24)年度に公立小・中学校のうち通級指導教室を設置している学校が、初めて1割を超えたことがわかりました。また、通級指導を受けている発達障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害)の児童・生徒は、過去6年間で約4倍も増えています。

通級指導は、一般の小・中学校に通う比較的障害の軽い子どもを対象に行われていましたが、2006(平成18)年度からそれまでの言語障害・弱視・難聴などに加えて、学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)も対象となりました。文科省の調査によると、全国の公立小・中学校で通級による指導を受けている子どもは、2010(平成22)年度6万637人、11(同23)年度6万5,360人、12(同24)年度7万1,519人と、年々増加しています。その大きな原因は、発達障害児の通級が増えたためです。発達障害が通級の対象に加わった2006(平成18)年度に、通級指導を受けた発達障害児(LD・ADHD・自閉症の合計)は全国で6,894人でしたが、12(同24)年度は2万9,141人に上り、6年間で4.2倍に増えました。また、2012(平成24)年度に通級指導教室を設置している公立小・中学校は前年度比272校増の合計3,333校で、公立小・中学校全体の10.7%(前年度比1.0ポイント増)となりました。

通級指導には、在籍する学校内に通級指導教室がある「自校通級」、通級指導教室を設置している近隣の小・中学校や特別支援学校などにその時間だけ通う「他校通級」、特別支援学校の教員などが地域に設置された通級指導教室を回って指導する「巡回指導」の3種類があります。指導を受けている子どもの割合で見ると、自校通級が43.9%、他校通級が51.4%、巡回指導が4.7%となっていますが、障害別で見ると、言語障害・難聴などは他校通級が多いのに対して、学習障害や注意欠陥多動性障害は自校通級が多くなっているのが特徴です。また、通級指導教室では、自立した社会生活を送れるよう障害に応じた支援をする「自立活動」が指導の中心となります。指導教員は、それぞれの障害に関する専門知識と経験がある教員が担当することになっています。

年々増えている通級ですが、課題もあります。一つは、通級指導を望んでも受けられないという子どもが全国でまだ多く残されていることです。これには都道府県による違いも大きいようです。たとえば文科省の調査を見ると、島根県は児童・生徒数が少ないにもかかわらず通級指導を受ける子どもの割合が他の都道府県に比べて高く、その充実ぶりがうかがえます。二つ目は、通級指導を受けるのが適切なのに、保護者の同意が得られないと指摘する学校関係者の声も少なくないことです。通級指導教室を増やすため施設や専門的教員の充実を図るとともに、障害のある子どもの適切な支援のため、保護者などに対して通級の正しい理解を広げていくことも必要なようです。

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