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  • ヒロ
  • 2013年06月09日 10:00

イエスマンが左遷される日

私の元上司は極端なイエスマンでした。上司の上司にもみ手でご機嫌取り、にこやかに対応していると思えば、私を含め、部下には突然変異のような態度をとっていました。「人はあそこまで演技ができるのか?」と思わせるほどの豹変振りの元上司のような人は程度の差こそあれ、どこの会社にでもいるのだろうと思います。

トップからすれば取り巻きは一種の王様気分させるので気持ちよいものです。本来、民主的で平等な教育を受けた日本人の中で一人、偉そうにするのは好まれるスタイルではありません。しかし、カリスマ性を持ち合わせるようなトップであれば異次元の人に近づくだけでも幸せだ、という気持ちにすらさせてしまうのかもしれません。

なぜ、イエスマンか、といえば強い側にいれば安心できるという人間の心理だと思います。日本の歴史を振り返っても天皇家に仕えた人々もそうですし、戦国時代はどの武将につくか、家臣の気持ちは揺れ動いた時もありました。それは海外でも同じで家来が寝返りを打つ話もどこの歴史小説にも出てくる話です。

今、企業のトップからはイエスマンはいらない、というボイスが高まっています。さまざまな大企業のトップや役員が雑誌のインタビューでイエスマン否定論を説いています。なぜなら、今の時代、経営者一人の考えではとても経営のスピードのついていけないため、さまざまな忌憚ない意見を社内や部下から拾い上げることが重要になっているからではないでしょうか?

確かに一昔前であればビジネスモデルはシンプルだったと思います。ネットがない時代は勉強して、情報を集めた者がいかにも仕事ができる、という風に思われました。しかし、今の時代、情報に関して言えばプロも素人も同じぐらいのボリュームを持っていることもしばしばです。ではプロと素人の違いはどこに出るか、といえばその持ち合わせている材料をいかにうまく使いこなすか、ということにかかっているのだと思います。

料理に例えればわかりやすいでしょう。材料はプロも主婦も同じように購入することが出来ます。しかし、プロはフライパン扱いひとつにしてもぜんぜん違うのです。経営者の場合にはあふれんばかりの情報をいかに料理し、ビジネスにつなげていくか、取捨選択と加工というプロセスはある意味、社内でバトルをしながらではないととても推進できない時代になったといえるのでしょう。

私が見るイエスマンを善とする代表的例が金正恩氏。イエスマンは自分が主導権を持ち続ける間は問題ありません。しかし、いざという時、体制の転換がしにくいというのが世の常です。多くの北アフリカの国々で独裁政権が崩壊したあと、国家が立ち直れないのは結果としてカリスマという一本の紐にぶら下がっていた民や家臣がどこに向かうかわからなくなったということなのです。それを防ぐにもイエスマンは今の時代にはもはや必要なくなった、ということが言えるのかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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