パナソニックが特に顕著ですが、テレビメーカーの方は「テレビ≒地上波放送」の悪い認識と流れを断ち切ろうとメニューを用意してまず最初にテレビに映る映像が地上波のものであることから脱却しようとしています。現状の4K押しも確かにでかすぎて現実離れはしているものの、地上波では絶対出来ない規格を推進することでテレビを総合的映像機として一段高いところに置こうという意気込みまでは分かるんです、でかすぎますけど。
ところが、テレビ業界や総務省はそうが問屋はおろさない、「スマートテレビ」を規格化して、仕様を守らせることで「テレビの地上波離れ」を防ごうと言う動きは前からありました。それがさらに具体化しつつあるようなのです。
「次世代スマートテレビ推進センター」が7月に発足
Hybridcast対応機器のロゴ決定。アプリにはID付与
ああ、ろくでもない、やらなきゃいいと思っていたことがみんな盛り込んである・・・。「アプリのインストールできるテレビ」、「スマートフォン/タブレットが放送番組と連携するサービス」、「対応機ごと固有のID管理」・・・。特にスマホタブレットとの連動(相変わらずのパソコン排除主義)に顕著なんですが、ようするに録画せずに生で見ろと、前世紀の遺物である価値観"視聴率"がこれからもテレビの基準であるべくテレビメーカーは総力を挙げて放送局に協力しろと言うことなんでしょうな。そもそも視聴率など考えてもいないだろう有料BS/CS局は連動なんか別に興味なしだろうし、無料BS放送は基本的に地上波の子飼いだから地上波のゴールデンタイムの放送は腰が引けているし。実質地上波の視聴率体制維持のためのサービス、と考えて間違いなさそうです。
せっかく各メーカーがいろいろやりだしたのに、元の木阿弥。またまた談合体制となって「統一規格スマートテレビ、Hybridcast」を前面に押し出したテレビを作らざるを得ないんでしょう。
そもそも前から書いてるんですが、テレビ見ながらスマホやタブレットをいじるって、ようするにテレビは「点けて音を聞いているだけで画面は半分も見ていない」状態ってことでしょ?(パソコンなら同時視聴可能ですが今回の企画からは排除) まともに見ていなくてもテレビが点けっぱなしになっていることで視聴率という数字だけが挙がればそれでいいということでしょう。こんな規格対応番組なんてそれこそじっくり見る価値はありません、ってテレビ局側が宣言しているようなものじゃないですか。だから「いい番組ほど視聴率が取れない。録画してじっくり見るから」なんて世の中になるんですよ。ダラダラ番組に慣らされすぎて番組に集中しきれず、巻き戻しありでなければ番組が見られない体に多くの人がなっちゃってるんです。
わたしが思いっきり悪口しか書いてないので先入観をもたれたかも知れませんが、実際こんなテレビを欲しいって思っている人、どのくらいいます? スマホやタブレットと連動して現在放送中の番組内容の情報がどんどん流れてくるようなテレビとか。わたしは落ち着かなくて欲しいとはとても思えないんですが。テレビはまず部屋に合致した大きさで次に画質音質、映像ソフトの出力先であるべき、だとわたしは思うんですけどねぇ。前にギャグのつもりで「スマートテレビ略してスマテ。ステマのアナグラムのようでよろしくない」って書いたことあるんですが、その略称がピッタリ来る規格になるかも知れません。
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- 2013年06月08日 00:33