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  • 2013年06月03日 22:13

このブログは「公平」「中立」を重んじている?

 以前エントリーした「通名登録者の入場を拒否した、ももクロ運営の対応は妥当か?」でいろいろコメントいただきましたが、それを読んでいて再度自分の立ち位置というか、基本的な思考パターンを述べておいた方が良いかなと思ったので、これについて少し。

1 相反する2つの意見

 ある事件についてAという意見が正しいと考える人と、Bという意見が正しいと考える人がいたとします。通常多数決で、勝敗が決することとなり、Aを支持する人が多ければ、Aが「正しい」「妥当」だと考えられ人が多いということになります。

 ただ、問題は残念ながら、それほど単純ではありません。海外では結構これまで自分が「常識」と思っていたことが通じないことが多くあり、海外で暮らしていると、思考パターン以前の行動パターンすら異なる場面に直面することが多々あります。

 極めて有名な例ですが、アフリカで労働者の労働意欲を高めようと給料を二倍にしたところ、これまでの半分しか働かなくても同じ給料がもらえると本当に半分しか働かなくなってしまったことがあるそうです。

 斯様に、国(地域)によっては、全く考え方が異なるので、ある地域ではAが「正しい」となっても、別の地域ではBが「正しい」となることが良くあります。

 問題は自分の思考パターンが正しいと思えば思うほど他人の思考パターンを排除しようとする方が出てくることで、Aという考え方とBという考え方、どちらが良いか白黒つけようと考える人が出てきて争いを始めます。その最たるものが戦争でしょう。

2 別の選択肢

 それによくあるパターンとして、他と争えば争うほど、AなりBなり自分が信じている発想を「純化」しようとして、極端な考えが優勢を占めるということが多々起こります。その典型が「原理主義」でしょうか。

 そうすると極端な話、最初の出発点とは違ったところで争うこととなるわけですが、そうしたことは良くあります。『ハーバード流交渉術』で提示されていた例ですが、図書館で二人の男が窓を開ける開けないで言い争っていました。当然したいことが正反対なので、意見の一致を見ることはありません。

 そこで、図書館員がAさんに窓を開けたい理由を尋ねると「新鮮な空気が欲しい」という回答だった。次にBさんに窓を閉めたい理由を尋ねると「風に当たりたくない」という答えだった。そこで、少し考えてから、図書館員は隣の部屋の窓を開けたところ、風に当たることなく新鮮な空気が入れられ、二人の男は満足したそうです。

 斯様に2人が本当にしたかったことは必ずしも「その部屋の窓を開ける」という行為ではなかったわけですが、頭に血が上れば上るほどそうした発想はできなくなり、何としてもその部屋の窓を開け(閉め)ようとします。

 その際「隣の部屋」という全く別の発想をCを提示することによってAもBも納得させたというわけです。しかし、問題はこうした例が多くあるかということと、頭に血が上った人がA,B以外の話を聞いてくれるかということです。

3 相対主義

 こうしたCという新たな選択肢を考えるのが良い方法だと思う人もおります。しかし、私自身は何度も繰り返しているように、「相対主義者」で(相対主義)、この世に客観とか真実などは存在せず、存在するのは人がどのように物事を認識するかという「主観」だけだと考えております。

 つまり、私の基本的な思考パターンはそもそも「真実」などは存在しないので、AもBも「真実」であろうはずがないというものです。結果、どちらにも加担しないので、良く誤解されがちですが、私のブログは「中立」「公平」に重点を置いていると思う方がよくいらっしゃいます。

 しかし、私はこの世に「中立」「公平」などと言うものが存在しているとも全く思っていません。同様に「真実」などというものが存在するとも思っておらず、あるのは「真実らしいこと」で、問題はどれだけの人がそれを「真実らしい」と思っているかだと考えています(領土問題における「真実」らしさの重要性)。

 南京事件で「30万人が逆説された」というのは、中国共産党が主張していることですが、当時南京にいた人口等を考えるとかなり無理があると思っています(名古屋市長の南京事件否定発言(彼が本当に言いたかったことは何か))。

 しかし、これを信じている中国人にとっては「真実」であり、世界でこれが「真実らしい」と思う人が増えれば、「真実」になってしまいます。

 橋下市長の「従軍慰安婦問題」に関する発言がいろいろ国際的にも波紋を広げましたが(橋下市長が慰安婦問題について会見した意義)、あれも旧日本軍が強制的に韓国の女性を「性奴隷」にしたということが「真実(らしい)」と考えている人が多かったが故に問題になったのだと考えています。

 私は、斯様に問題は如何に「真実らしさ」をつくりあげるか、他人に「真実らしい」と思わせるかだけに過ぎないと考えているので、A、Bだけでなく、その他のCなどあらゆる意見が「正しい(真実)」というその前提自体が間違っているという前提でブログを書くことが良くあり、前回もそういう前提で書いております。

P.S.

 前回のエントリー(通名登録者の入場を拒否した、ももクロ運営の対応は妥当か?)でいきなり裁判制度を褒めたので、違和感を覚えた人もいたようです。私は、上で散々述べた様に、この世に所詮「真実」などはないと考えており、最後は如何に「真実らしい」と周り(裁判官)に思わせるかだと考えています。

 もしかすると、片方に有利な決定的な証拠があるかもしれませんが、現時点で見つけられない以上、今(法廷で)存在する材料だけで、原告と被告どちらが「正しい」(妥当な主張)か、第三者に判断を仰ぐという意味で、多分それ以上の解決方法はないだろうと前エントリーを書いていた、急に思えたので、そういう意味で書いたものです。

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