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月刊楽天koboちゃん 2013年06月号 -掛け声ばかりが勇ましく-

月一連載の楽天koboちゃん、あまりにも楽天koboが話題に上らないので、読者の方にネタがないのでは?と心配される有様だ。まあ、話題に上らないだけで、楽天koboも何かしらはやっているので、それを取り上げれば紙面は埋まるのである。それが面白いかどうかは別問題だが。

コンテンツ数は一定のペースで増加中

2013年6月1日時点の日本語書籍数は137,089 コボ。月5,000コボのペースはきっちりと保たれており、定点観測の意味があるのかよくわからなくなってきた。あまりにも変わらないので、今年末までのグラフを先に作っておこうかと思うぐらいだ。

例によって、内訳を見てみよう。

画像を見る

  • 日本語コンテンツ総数137,089コボ(前月比103%)
  • 青空文庫を含む無料コンテンツが20,243コボ(前月比100%)
  • 楽譜が29,720コボ(前月比100%)
  • 復刻版古書が3,770コボ(前月比100%)
  • 画像1枚だけからなるバーチャルアートが2,194コボ(前月比100%)
  • パブーの有償コンテンツ(バーチャルアート除く)が4,233コボ(前月比102%)
  • 残りは76,929コボ(前月比106%)

月5,000程度の増加ペースはKindleの日本語書籍の増加ペースとほぼ同等であり、kobo側の努力と言うよりは出版社側の都合という感が強い。メロン100%さんのKindle日本語タイトル数定点観測によれば、5月27日時点でKindleの日本語書籍点数は115,889点。楽譜を除けば現時点でもKindleの方が多い。Kindleと同じ事だけをやっていれば負けるのは目に見えているが、koboはこの先どうするのだろうか?

販売パートナー向け事業戦略説明会

Koboは5月22日販売パートナー向け事業戦略説明会を開催した。楽天三木谷社長が登壇し、目標を語ったようだが、そこで語られた内容は4月4日に行われた出版社向け事業戦略説明会の内容の繰り返しであり、概ね次のようなことを述べた。

  • 現段階では既刊ベストセラーの70%が電子書籍で購入できるが、この夏には80%までカバー率を高めていき、年内に100%を達成したい。
  • 新刊本は紙と電子で同時販売を標準化する。
  • 紙の全書籍の50%をめどに電子書籍化する。
  • 2020年までに国内の電子書籍市場売上を1兆円規模にし、その半分のシェアを獲得したい。

目標を高く持つことは良いことだ。また、タブレットの普及が進む状況において、電子書籍市場が拡大していくことも確かだろう。問題はそれが2020年までに1兆円規模になるペースで進むのかという点と、その中で楽天koboが50%のシェアを獲れるかどうかという点にある。

DRMが各電子書籍ストアでバラバラである現状を鑑みると、ユーザは電子書籍を購入する電子書籍ストアを少数、もしくは1社に限定せざるを得ない。どこの書店で購入してもよかった紙書籍とは異なり、不人気の電子書籍ストアを利用する事は不利益につながる可能性がある。結果として、電子書籍ストアは寡占化が進むことになる。本命がKindleなのは論を俟たないが、楽天koboは5割もシェアを獲るようなポジションにいるだろうか?

また、三木谷社長は出版社・パートナーへの取り組みについて主に次の点を述べた。

  • マルチメディア的な電子書籍の作成支援を強化するために仏アクアファダスを傘下に置き、電子書籍への移行支援、オーサリングツールの開発・提供を行う。
  • 販売店パートナーにはWin-Winの関係を構築すべく、デバイスの開発、販促支援を行う。コンテンツ購入による売上の分配を行うレベニューシェアモデルを開始する(詳細の説明は無し)。
  • 販売店にはkoboデバイスの販売、koboブランドの認知促進をしてもらうようお願いしたい。

この施策により、何も知らず店舗を訪れてkobo端末を買ってしまうようなユーザが現れることには同情を禁じ得ない。納得の上購入するのであれば全く問題ないのだが、納得したら普通はkoboは選ばない。

戦略説明会ではKoboの マイク・サビニス CEO、マイケル・タンブリン CCO、WHSmithのフィル・マクネリー氏も登壇し、Koboの海外事業展開が順調に発展していることを説明したようだが、ほとんどの日本人にとって海外事業なんてどうでも良い話だ。

楽天koboで電子書籍がAmazonの1/100しか売れなかった最大の理由

もりぞお海外研究所さんは、楽天koboで電子書籍がAmazonの1/100しか売れなかった最大の理由&500円もらえるkoboキャンペーンというエントリにおいて、ご自身の著書が楽天koboにおいてAmazonの1/100しか売れなかったことを報告し、その理由として以下の2つの点を挙げている。

  • 紙の本が出ていない電子書籍は、やっぱり楽天booksから買えない
  • 海外で買えない!

楽天booksの集客力はAmazonに比べれば微々たるものだし、海外から日本の書籍を買う人も極少数派なので、そもそもAmazon利用者と楽天Kobo利用者の数がぜんぜん違うのが原因ではないかという感じがひしひしとする。

楽天koboも利用者数の増加が至上命題であることは理解しており、koboフェス2013という大型プロモーションを展開中だ。電子書籍1年分が当たったり、100万ポイントを山分けしたり、大人買いで最大2万円還元されたり、特定の書籍が割り引かれていたりと力が入っていることは伺える。ただ、読み捨てても惜しくない本を買うなら良いかもしれないが、継続的に書籍を購入するプラットフォームとして楽天koboを選択する気になるかというと別問題だ。

電子書籍ストアの選択は今だけを見て決められないという面がある。そこで購入した書籍がいつまで読めるのか、将来に渡り自分の読みたい書籍が継続的に供給されるのか、そうした将来の可能性を検討した上で決めなければ、将来的に損をする可能性があるからだ。未来の事は誰にも分からないので、人々はブランドへの信頼をもってその判断を行う。果たして楽天はユーザの信頼を得るに値する商売をしているだろうか?

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