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就活:パートナーに健康度を求めているのだから、人間ドックの結果を提示してみては。

大学生の就活話になると「安定志向だ」という言葉が散見される。かなりネガティブな印象を与えるもので、チャレンジ精神と離れた意識と捉えられ、発信されているのではないかと思う。

大企業に行きたい・・・・・・・・・・・・・安定志向
公務員志望・・・・・・・・・・・・・・・・安定志向
安定している会社志望・・・・・・・・・・・安定志向
給料の良い会社・・・・・・・・・・・・・・安定志向
勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社・・・安定志向

と、これらの回答項目の増加が「学生の安定志向ススム」のような見出しで発信されます。

参考文献: 2014年卒マイナビ大学生就職意識調査 結果報告

そして、結論めいたところは多くの場合、

「中小企業の有効求人倍率はあるのだから、学生はそっちにも目を向けるべき」

「学生と中小企業のマッチングが必要だ」

「中小企業の魅力発信だ」「合同説明会(マッチングイベント)だ」

となります。

私自身のスタンスは、学生でも若者でも、安定を志向することは個人の価値観であり、それ自体は問題ではない、です。それ以上に、人類は安心や安定を作るべく対話や技術革新を積み上げているわけで、それは本能のレベルだと思うわけです。

チャレンジ精神(例えば、留学する。海外転勤を希望する)は大いに歓迎ですし、(学生に限らず)起業家が増える土壌ができたらいいなと思っています。そのチャレンジ精神も、どこかで安定や安心があって育まれる部分もあると思うんです。経済資本、関係資本、文化資本の総量が備わっているからこそのチャレンジ。

※もちろん、過去、南米のサッカー選手は貧困生活から抜け出そうと努力しているから飛び込める、といった話もありました。ただあれはチャレンジ精神というより、ハングリー精神の文脈だと思います。

で、私も学生のみならず、仕事を探す若者との接点も少なくないもので確かに就職活動における企業探しにおいては、上記の意味での「安定」をあげるひとはいます。

それは給料が高いというより、生活できるレベルのものがいただけて3年や5年後の会社の存続がまったく見えないと困る、といった意味での安定のように感じます。

※データ調査をしていないので、私感雑感ですが。

若くないひとが安定志向でないのかどうかはわかりませんし、あんまり変わらないのではないかとは思いますが若いひとが就職先を探すときに気にしているのが「安定」となればお付き合いしたい異性に求めるプライオリティーが「健康」ということだと思います。

しかし、中小企業のマッチング関係を見ていると、本来、「私は健康な方とお付き合いしたい」というニーズに対して、「私は健康ですよ」と証明するために人間ドックの結果を提示するのがニーズを満たすという意味で早いと思うわけです。

それなのに、容姿が素晴らしいとか、性格が良いとか、コミュニケーション能力が高いとか、ユーモアあふれるとか、そういった情報を出して「私とお付き合いしませんか」と提案しているように見えます。

これはとてももったいないと思うわけです。もっと言えば、マッチングの可能性をひとつ失っているのではないか、という仮説です。

上場企業やNPOは財務公開を義務付けられています。ので、小さなNPOであっても決算書はホームページに掲載しています。

しかし、中小企業といわれる規模の組織は「資本金」と「売り上げ」を掲載されているところは見かけますが、決算書を掲示しているところは少ないように感じます。

あくまでも、マッチング機能を高める、効率化する、出会いの機会を逃さないためにも、安定を求める学生に対して、安定度をPRしてみるというのは(それこそ)チャレンジ精神を持って取り組んでもいいのではないでしょうか。

しかし、これにも懸念点があります。

1. 人間ドックの結果(決算書)が「正式」なものであることの証明

これを粉飾する企業はないと信じたいのですが、新卒一括採用みたいな一発勝負になると、これで騙されたから振り出しに戻って、同じ条件でやりなおす、というわけにはいきません。

もう少し考えると、決算書がない/綺麗な状態の子会社作ったら?というものもありえるのかなと思います。

2. 学生/若者側が人間ドックの結果を読み解けるのか

実際の人間ドックの結果を見ても、○○値とか、ギリシャ文字みたいな
項目が何を意味するのか、(丁寧に説明してあることもありますが)わからないと数字が並んでいるだけです。こちらをちゃんと読めるかどうかは、読み手のリテラシーの問題になります。当然、分析やそこから安定度を予測する知識や知恵が求められます。

3. 単年度の検査結果ではなく、複数年にまたがるものでないとよくわからない

何年分出せばいいのか、というのはよくわかりませんが、少なくとも 2,3年の決算書など、できれば毎年の社員採用数や離職者数などがあると、より安定度を予想しやすくなるように思います。


安定志向、安定志向、と繰り返されると、「それではだめなのか?」「それは若者限定のことなのか」「じゃあ、どうしたらいいだろうか(中小企業とのマッチング)」を考えてしまうわけですが、せっかく採用意欲があるわけですから、何か負担の大きくないカタチで採用側もチャレンジしてみてはいかがでしょうか。そういう安定志向でない企業の行動に、チャレンジ精神あふれる若者は、魅かれるかもしれませんよ。

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