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出版はオヤジだけのものじゃない!19歳大学生、デジタル雑誌編集長に就任

昨夜、「RePub」マガジンの創刊編集長が決定しました。

編集長に名乗り出てくれたのは弱冠19歳の現役大学生、日下部貴士くん。
現在、出版社で電子書籍プロモーションのアルバイトをしつつ、学生団体で電子書籍の普及活動に取り組む明治大学2年生です。大学2年生といえば、自分探しの旅に出るモラトリアムの時期だというのに立派だなと。

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twitterプロフィール
日下部貴士@eBooks
明治大学商学部2年 『電子出版』『セルフブランディング』『本の紹介』『人との出会い』来年度1年間休学予定。

@oha_ru

日下部くんがネット出版部に立候補のコメントを書き込んだところ、アラフォーが多いネット出版部の参加者は予想だにせぬ大学生の編集長立候補に戸惑ったのか、しばらくし~んとしていました。

コメントがアップされてしばらくすると、百戦錬磨のオヤジたちも彼のコメントからやる気を感じたのでしょうか。無名の若者の挑戦を称えるコメントが書き込まれ、「いいね!」が次々と。

日下部くんの編集長立候補コメント。
先日はRepubマガジンのキックオフMTGお疲れさまでした。

とても刺激的な、実のある会だったと個人的に感じました。

一つ思ったのは、会の中で戸田さんがおっしゃった探偵ナイトスクープのような視聴者(読者)目線にたった雑誌を作るべきなのかなと。

今の雑誌はどうしても、編集者が読者に読んでもらいたい内容になりがちだと感じています。

そこで提案したいのですが、是非私にこのプロジェクトの編集長を務めさせていただけないでしょうか。

私は大学生ですので、雑誌を作るフローに関しては全くの素人です。

ですが、比較的読者に近い私なら、読者が読みたい内容を考えられるのではないかと。

加えて、現役大学生編集長として話題も少しは呼べるのではないかと思っていたりします。

出過ぎた提案かとは思いますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

結果、昨日の立候補〆切を過ぎた時点で19歳の編集長就任が決まったわけです。

出版の原点に回帰するRePubマガジン

編集長に決まったとはいえ、彼は電子書籍プロモーションのアルバイトをしているものの、電子書籍の編集経験や雑誌経験はない素人のようです。コストがかかる紙の雑誌に比べてローコストとはいえ、電子雑誌作りの素人にいきなり編集長が務まるのだろうか。

そんな危惧もありましたが、ネット出版部の方によるコメントが全てかと。

若いうちの苦労は買ってでもしろ

ダイレクトマガジン黎明期の今、創刊経験者自体がきわめて少ないので成功した人も少ない。成功モデルがないのでダメでもともと。失敗できる若者の特権を生かして、まずは創刊準備から試行錯誤しながらチャレンジしてみるといいんじゃないかと。考えてみると、ダイレクトマガジンのメリットはスピード感と失敗したときのダメージの少なさにもあるので、若者向きの出版媒体とも言えそうです。

先月、私がネット出版部の管理人を引き継いだ時のモットーの一つが「若返り」でした。若返りと言っている私がすでに若くないのが残念ですが、今回はリアルに若返ったわけです。

RePub=リ・パブリッシングという言葉に、出版の原点「プロ・アマや年齢・キャリアを問わず出版したい人が出版する」への回帰も内包されると解釈すると、むしろ業界経験のない若者が編集長をやったほうがいいのかもしれません。

残念ながら現在、ネット上で電子書籍や電子出版を語るのは業界経験の長いオヤジばかり、が定説(笑)です。

弱冠19歳の新編集長には、そんな現状を打破するフレッシュな風を吹かせてほしいもの。経験や知識のない若者をフォローするのが、オヤジたちの役割です。幸い、ネット出版部内にはダイレクト作家に加えて雑誌編集者や電子書籍編集者の方もけっこういるので、わからないことはそのつど聞いていけばなんとかなるでしょう。

スタートアップ期はどんなプロジェクトでも誰がやっても大変です。大変だからこそ、スタート後の打ち上げビールが旨い。未成年の日下部くんも創刊で苦労した後、成人してからの打ち上げで飲むビールがきっと旨いことでしょう。RePubは「リ・パブリッシング」と「パブ」を掛けあわせたものでもあるそうです。ダイレクトマガジン創刊の結果、ネット出版部の打ち上げで様々な世代のメンバーたちと創刊の経緯や苦労話を酒のつまみに語りあえたなら、チャレンジした甲斐があったんじゃないかと。

20歳下の大学生編集長に対して、編集者でもない私がえらそうに言えることはそう多くはありません。なので代わりに、私がレスペクトしている伝説の編集者、北山耕平さんが次世代に託したメッセージを彼に贈りたいと思います。

北山耕平さんは、雑誌が最も熱かったとされる70年代に『ワンダーランド』『宝島』『ポパイ』の創刊に携わり、長い旅をし続けながら日本のカウンターカルチャーの文体を築き上げた編集者。雑誌黄金時代を築いた先駆者が次代に託したものは、「業界の大人ではなく若者こそが、デジタルを使って等身大のメディア、正直なメディアを創刊できる。そろそろ、自分たちのメディアを作らないか」という原点回帰のメッセージでした。

それから時を経た2013年になって、そんな理想が現実になる時代が訪れたわけです。

▼北山耕平著 『雲のごとくリアルに[青雲編] まえがきから抜粋
七十年代というイノセントな時代にぼくたちが産み出そうとしたものが、欲に目をくらませた薄汚れた大人たちの手でゆっくりとその向かう方向を変えられてしまったことは否定できない。しかしそれでもなにかが残された。

感性に正直になって自分たちにとってほんとうだと思えることを活字に託して伝える若者らしい行為が、結果としてゴミではないなにかを残すことを、ぼくは信じる。自分たちが自由になるための道具としてデジタルな活字たちを使う日のために、あの時代というものをぼくの頭がどのように感じ取っていたのかを正直な意識の流れで話すことは、けして無駄ではないことのように思える。いくら映像が主流の時代となり、映像しか見ない人たちが増えたとしても、ハートからあふれ出す言葉で自分たちを自由にできなければ、時代を変えることなどできるわけがないのだから。

キーボードを叩け。そしてあふれ出す活字で時代を編集してみせてほしい。

ぼくはいまだに正直なメディアの登場を夢見ている。

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