鉢呂吉雄経済産業相は9日記者会見で、野田佳彦首相に同行して8日に東京電力福島第1原発を視察したことを説明した中で、「残念ながら、周辺の町村の市街地は、人っ子一人いない、まさに死の町という形でした」と述べた。周辺住民は原発事故で避難を強いられており、論議を呼ぶ可能性がある。(時事)――との報道で驚いた。
すると、今度は、
鉢呂経産大臣が福島原発視察して帰京した8日夜、着ていた防護服の袖を取材記者にくっつけてるしぐさをし、「ほら、放射能」と語りかけた。
被災者の心情を逆なで。「閣僚失格」早くも進退問題に!
――とツイッターでつぶやいた。
その後、鉢呂吉雄経済産業相が、東京電力福島第1原発の周辺市町村を「死の町」と表現したり、記者に「放射能をつけたぞ」などと発言した問題で、政府・与党内では厳しい見方が広がった。(毎日新聞)これにテレビも大きく報道、これでは辞めないと収まらなくなった。
【「死の町」発言】鉢呂氏に被災者「人間失格だ」(産経ニュース)【「死の町」発言】鉢呂経産相、撤回し陳謝 8日には「放射能をうつしてやる」 野党は追及の構え。
鉢呂経産相、進退論浮上も 「放射能つけちゃうぞ」発言
―といった報道が相次いだ。
自民・石破政調会長は、「党内バランス優先人事の結果」その後、鉢呂経済産業大臣は、野田首相と会談し、辞任した。
民主党の前原誠司政調会長は10日午前、鉢呂吉雄経済産業相が記者に対し、防災服の袖をすりつけるしぐさとともに「放射能をうつしてやる」などと発言した問題について、「発言が事実とすると、大変ゆゆしき問題だ。今日中にしっかりと真意を説明することが大事だ」と述べた。(産経新聞)
鉢呂経産大臣は記者会見で、辞任理由は「死の町」と表現したこと、非公式の記者懇談で、国民の不信を抱かせるような言動があったととらえられたことの二つだ、と述べた。
就任9日だった。
これについて、
「民主党の閣僚には、一度発言した言葉は取り消せないのだという立場の重さを自覚していない人が多すぎる。」(慶応大の曽根教授、読売新聞)野田内閣の鉢呂経産大臣辞任は、震災対策への姿勢が問われ、緊張感に欠けた内閣と批判される。
野田政権が崩れるのは、人事の適材適所。党内の政策論争で党内融和が崩れるのではないか?
それは、
「前原政調会長が7日、ワシントンで、武器輸出三原則の見直しや海外に派遣された自衛隊の武器使用基準緩和で踏み込んだ発言をしたことに対し、政府・与野党に困惑が広がっている。事前の党内調整をほとんど経ない唐突な発言は、新たな党内対立の火種となる可能性もある。」(毎日新聞)これに対して、
武器輸出3原則。(前原政調会長の見直し発言は)何も連携が取れていない。前原氏から直接聞いたこともない。党全体の一つの意見としてとりまとめられるかどうかも分からない。(一川防衛相、読売新聞)――となる。
党内でキチンと議論しないのが民主党(片山前総務相)
今日・9月12日、鉢呂経済産業大臣の後任に、菅内閣の官房長官だった枝野氏が就任することになる。
菅首相は民主党内から引きずり降ろされた。その時の女房役を、経済産業大臣にする無神経さ。
今回も、政治の責任を考えない民主党政権の実態が露呈した格好だ。
人材不足か。