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被災者に恵んでやるという驕り意識と勘違い障碍者擁護の相似形

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乙武氏騒動の件で思ったことは、
被災地取材で感じた違和感と同じだなということだった。

被災者=弱者=恵んでやらなければならない。
障碍者=弱者=誰よりも優先しなければならない。

このように考える人は、いい意味で捉えれば「まじめすぎる」人なのかもしれないが、
はっきりいって思い込みが激しく、
先入観でしか物事を判断できず、
個別事情を見ない思考停止人間だと思う。

東日本大震災の取材をしていた時のこと。
ものすごく違和感を覚えたことがあった。

東京から来ているあるボランティアは、
ろくに貯金もなく、給料も決して多くなく、
でもブラックに近い業界に働いているので、
平日は朝7時から23時過ぎまで毎日働いていた。

でも震災が起きて「津波で家が亡くなった人がいるのに、
何もしないなんて自分が許せない」と感じ、
なけなしの金を交通費に使い、仕事で疲れているのに、
何度も土日にボランティアをしていた。

で、そのボランティアがお手伝いしているある被災者は、
津波で家を亡くしたものの、
これまで働いてきた貯金もあるし、年金もたんまりあるし、
義援金も入るので金銭的にはまったく困っていない。

金も時間もない東京の若いボランティアが、
土日をつぶしてがれきの片付けとか避難所の手伝いとか、
懸命にやっている。
でもその被災者はというと、朝から毎日のように酒を飲み、
若い女性ボランティアを長時間捕まえて話し相手にさせ、
津波にあった際の避難自慢話を何度も繰り返す。

そんな状況を見て思うわけです。
これでいいのだろうかと。

確かに大変な災害にあった。
話し相手も欲しいだろう。
多少の酒も必要だろう。
でも金も時間もない若者が、
懸命に被災地のために働いているのに、
何カ月も酒飲んでいるだけで、
復興作業を手伝いもしないという状態が続く。

「家を流された」という最強の切り札を言えば、
みな「かわいそうだ」と同情してくれるから、
金もあるのに何でも寄こせと、
必要以上に支援物資をためこみ、毎日酒を飲んでいる。

中にはパチンコに行く被災者もいた。
いやもちろんパチンコに行ってもいいと思うんですよ。
でもさ、毎日のように入り浸ってパチンコしてる。
ボランティアが膨大な復興作業を無償でしている中で。
少しは手伝えよと思うわけです。

でもそんなことはみんな言えない。
なぜなら被災者だから。
被災者は弱者だから。
被災者を批判しようものなら、
頭の固い連中から大バッシングを受ける可能性があるから。
「かわいそうな被災者を批判するとは何事か!」と。

だから一部のボランティアは、
この状況におかしいと感じながらも、
声を上げることができない。
声を上げたら弱者を叩く悪い者扱いされ、
現場を知らない無知な世間からバッシングされるからだ。
もしくは自立支援なき自己満足ボランティアから叩かれるからだ。

今回の乙武騒動もそれに近いものを感じる。
どんなことがあろうとも障碍者を批判することは許されない。
すべて悪いのは健常者だ。
と思い込んでいる人たちがごく少数いる。
でも少数でも「声のでかい人」だと、
世論はそっちに流されやすい。

「障碍者をないがしろにするとは何事か!」
という声の前に、誰もぐうの音が出ない。
だから多くの人は「いくらなんでも今回のはおかしいんじゃない?」
と思ってもそんなことは口に出せない。

でも今回ブログを書いて、そのリアクションを見ると、
想像以上に多くの人が、「これはおかしい」と思っていた。
自分の立場では言えないけど、
代弁してくれてありがとうという人が多い。

実は多くの人が「おかしいな」と不満を持っているのに、
バッシングを恐れて表立ってはいえず、
いかにも「被災者にやさしい」「障碍者にやさしい」フリして対応している。
それは相手への尊厳などではなく、
クレームが怖いからイヤだけど仕方がないという、
とても消極的な理由からだ。

こういう態度で接すると相手は二極化する。
1つは、どんどん俺様化し、
何でもお前らがやるのが当然という驕りを持ち、
ますます横柄になり、無理難題を言うようになるタイプ。
このタイプは学習して知ってしまっているのだ。
「騒げばこいつらは言うことを聞くはず」だと。

もう1つは、わざとらしい対応に気づいてしまい、
余計に社会に出るのがイヤになってしまうタイプ。
ああ、表面的に親切にしてくれてるけど、
これ本音ベースでやってないよね。
店の裏とかで「面倒くせえんだよ。やっかいだな」
とか絶対言っているよね。
優しくしてくれるのは、騒がれるとクレームになりかねない
「社会的弱者」だからという理由だよねと。

こんな建て前と本音を使い分ける社会が幸せなのだろうか?
客側は表面的には何の文句もないけど、
でも奥底では違和感を覚えている。
店側も世間的な圧力から仕方なく対応しているけど、不満を持っている。
そんなのうまくいっているように見えて、
ぜんぜんうまくいっていないじゃないか。

だからほんとは一人一人が声を上げた方がいい。
相手が被災者だろうが障碍者だろうが、
有名人だろうが政治家だろうが、
「これはあなたがおかしいのでは?」
「さすがにこれには対応できません」
と毅然とした態度をとる。

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