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憲法改正論議に非常事態対応が急浮上

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 しばらくブログを書くことを休んでいました。

 今回は、憲法記念日の社説、昨日と今日の新聞各紙の社説を分析しました。
 僕がモノを書くようになったきっかけは、小林節・慶応大学教授から「5月3日の新聞各紙の憲法報道分析をせよ」との命で、毎年分析をし、『国会月報』に10年程掲載したのがきっかけです。
 
 僕のライフワークは憲法改正です。特に前文と9条を改正し、自衛隊を憲法に明記することです。
 詳細は『新憲法はこうなる』(講談社)に、僕の憲法改正の思いが全て載ってます。

 今年の憲法記念日、新聞各紙の社説分析。
 ポイントは、緊急事態、非常事態の対応と憲法改正に焦点を絞った。

 安保、自衛隊、そして非常事態(私権制限を伴う)などの問題だと、朝日・毎日は憲法改正「反対」、読売・産経は「賛成」となる。

 今回もこの構図は変わらない。

 以下、朝日、毎日、読売、産経の社説のポイントを掲載する。


 朝日新聞の社説は、最初なくなったのかと思った。
 ところが12面にあった。

 憲法関連のテーマは、「大震災と憲法―公と私をどうつなぐか」。
 日本国憲法が施行された64年前のきょう、日本各地にはまだ空襲の跡が残り、戦渦からの復興は緒に就いたばかりだった。
 いま東日本大震災に、原発事故が加わり、敗戦後最大の危機の中に私たちはある。

 政府は自治体とともに早急に青写真を描き、私権制限がどこまで必要なのか、どのような手法を採るのかを具体的に示し、被災者の理解を得るよう努めなければならない。

 こうした公と私のぶつかりあいを、憲法改正で乗り越えてしまおうという議論も改めて出てきている。非常事態条項を新たに盛り込むべきだという自民党内などからの主張である。

 大規模災害時に政府の権限を拡大し、国民の人権を制限する。当然、日本有事への即応に役立てることも念頭にある。

 しかしそれは、同時多発テロ事件後の米国で見られたように権力へのチェック機能が失われる危険をはらむ。民主主義体制そのものを浸食しかねない。

 現行法の枠内でも可能なことは少なからずあるはずだ。そのうえで今の憲法や法体系にどんな限界があるのか、しっかり見きわめる。非常時だからこそ、冷静な姿勢が肝要である。
――ということで、憲法に震災で提起された「非常事態条項を新たに盛り込む」ことに反対している。


 さらに、7面の記事では、
 憲法9条「変えない方がよい」59% 朝日新聞世論調査

 3日の憲法記念日に合わせて朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)によると、憲法9条を「変えない方がよい」が59%で、「変える方がよい」は30%だった。昨年の調査の改正反対67%、賛成24%に比べるとやや差が縮んだ。

 調査は、4月23、24の両日に実施した。

 政党支持別では、自民支持層の9条改正賛成が08〜10年調査の3割前後から43%に増えた。ただ同支持層でも「変えない方がよい」47%が上回っている。改正賛成は民主支持層で29%、無党派層は27%だった。

 一方、憲法全体をみて改正の「必要がある」は54%、「必要はない」が29%だった。改正の「必要がある」と答えた人の中では、9条を「変える方がよい」45%と「変えない方がよい」46%がほぼ並んだ。
――と憲法9条を「変えない方がよい」が多いと述べている。
 しかし、設問が「憲法9条は『戦争を放棄し、戦力を持たない』と定めています。憲法9条を変えるほうがよいと思いますか。変えないほうがよいと思いますか」となっている。
 この設問では、意図的に9条改正反対を多くしたいような内容となっているようで問題ありと指摘しておきたい。


 毎日新聞は、「大震災と憲法記念日 生命を守る国づくりを」とのタイトル。
 憲法では13条「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」、25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」とする生存権を再確認する機会である。いずれも平時を前提にしているとされるが、緊急時にこそ国が「生命と最低限度の生活」を支えるのが憲法の要請だろう。次の復興・再生の段階になって一歩進めて被災者の幸福追求権、生存権を十分に生かすことが課題になる。

 現状を見れば政府のより強力な被災者支援が急務だ。何とか「最低限度の生活」を確保すべきである。

 同時に、来るべき大地震・大津波から国民の生命を守る備えを進めなければならない。災害に強い日本を作ることだ。

 震災当日に原子力災害対策特措法による緊急事態が宣言された。一方で災害対策基本法による災害緊急事態は布告されなかったことには異論も出ている。憲法を改正して緊急事態の条項を入れるべきだとの意見もあるが、その前に現行法制と運用について議論する必要がある。

 「この恐るべき強敵に対する国防のあまりに手薄すぎるのが心配」「戦争のほうは会議でいくらか延期されるかもしれないが、地震とは相談ができない」(「地震国防」1931年)。随筆家としても知られる物理学者、寺田寅彦は地震への備えを訴え続けた。「国民の生命を守る」という視点で、80年前の寺田の議論を改めてかみしめたい。
――とのことで、朝日新聞と同様に憲法改正して緊急事態の条項を入れることには反対。「その前に現行法制と運用について議論する必要がある。」との意見。さらに国防より震災対策に重点を置くべきと主張。

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