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チャレンジを支える「逃げ道」と「よりどころ」

前政権のとき、誰にでも居場所と出番のある社会を、というフレーズがあって
素敵な言葉だなと今も脳裏にストックしています。

どうしても「自立」と「働く」が強く結びついた文脈で語られます。
結果として、雇用対策における自立支援→就職(就労)支援となり

仕事に就く、ことがゴールとなります。職場とマッチングしたら
一丁あがりというわけです。

ただ、誰もが働く準備ができているわけではありません。病気の治療中で
あったり、怪我を治していたり、両親の介護で精一杯だったりします。

それでも社会の一員としての「居場所」があり、どんな状況であっても
必要とされる「出番(役割)」があるというのは非常に包摂性の
高い社会ではないかと思います。

ここでは労働生産性と対価の発生とは別の軸で場が形成されており
スキルやアイディア、時間など自分の持っている資産を提供する
変わりに、誰かからの資産が提供されます。それはひとのつながりや
教養や学びとなって自らの血肉になっていくものと思います。


とは言え、居場所と出番が「はい、君はこれだよ」と一方的に渡される
というよりは、向こうから来た機会を掴んでいくにせよ、自らの
アクションで存在する場に出て行くにせよ、やっぱりチャレンジが
必要になります。

いまいる状況から踏み出すことがはばかれるときには、その一歩は
大きなチャレンジです。

当然、チャレンジには成功も失敗もあります。時に主観的であり
時に客観的に判断されます。短期的には成功だと思っても、時間が
立つにつれて「ここは自分の居場所ではないのではないか」「自分
以外のひとが出番として活用したほうがよいのではないか」と。

成功すればそれに越したことはありません。長期にわたって
ひとつの場を得られたら最高です。

ただし、失敗もあります。意を決して飛び込んだものの
合えなく撃沈する。傷つくことも多々あると思います。

そんなとき重要なのは「逃げ道」と「よりどころ」の存在では
ないでしょうか。

退路を断って、背水の陣で望むのは一見勇ましいのですが
「これはだめだ」「もういられる状況ではない」となれば、さっさと

確保しておいた逃げ道を使って、そこから離れられる状況を
創っておく。これは安心感であり、何らかの決断、チャレンジに
迷いがなくなります。

自分にはこれしかない。これが失敗したら終わりだ(絶対に成功させなければ
ならない)、という状況を創らず、退路を断たない。背中の後ろには
道を用意しておく、または水辺であったらモーターボートでも
サーフボードでも、溺れず移動できるものを準備しておけばいいのです。
モノや道具に限らず、人でも同じです。

この「逃げ道」というとなんだかかっこ悪いものですが、結局それは
「よりどころ」です。しんどいときやつらいとき、もうだめだと
思ったとき、安心安全に寄れる場所や人、時には叱咤激励となり
ときには自分の安全弁となり、そして逃げ道にもなる。

本当に苦しい状況の方は、逃げ道もよりどころもなくなってしまって
います。

お金がない。つながりがない。情報もない。

つまり、よりどころも逃げ道もほとんどないなかで、追い詰められて
しまっている。そんな状況にあるひとたちを多くのひとが
支援しようとしていますが、できることならば私たちのような存在が
ひとつの逃げ道であり、よりどころであることを、困る前に
位置づけてもらえたらいいのではないだろうか。

困ったら支える、のではなく
困っていないときに「いつでも寄れる、逃げられる」存在は
結果としてチャレンジしやすい社会であり、トランポリンが用意された
再チャレンジがしやすい社会でもあるのではないかと思います。

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