小沢氏は「これは権力闘争だぞ」と述べ、涙を流しながら自らの正当性を訴えたという。これは、かつての三木内閣の際のロッキード事件で起訴された田中角栄氏と同じ感じだ。だから、小沢氏は「権力闘争だ」と述べたのだ。
小沢氏は、東京第5検察審査会の「起訴議決」公表を受け4日、コメントを発表した。(全文)
このたびの私の政治資金団体にかかる問題で、お騒がせしておりますことに心からお詫(わ)び申し上げます。田中角栄氏は、その後、「闇将軍」として、政界に影響力を行使したが、今の時代、小沢氏が田中氏のように影響力を行使できるかはわからない。それは、政治家になるために小沢氏にお世話になった議員がどう行動するかだ。政界に義理人情が残っているか、今の政治家はドライに行動するかだ。
私は、これまで検察庁に対して、私の知る限りのことは全(すべ)てお話をし、2度にわたり不起訴処分となっており本日の検察審査会の議決は、誠に残念であります。
今後は、裁判の場で私が無実であることが必ず明らかになるものと確信しております。
衆議院議員 小沢一郎
新聞各紙の社説は、
朝日新聞は「小沢氏起訴へ―自ら議員辞職の決断を」で、
「小沢一郎・元民主党代表は今こそ、自ら議員辞職を決断すべきである。」「政権交代を実現させた功労者であることは間違いない。であればこそ、その業績の歴史的意義をこれ以上損なわないためにも、ここは身を引くべきである。」と。
毎日新聞は「検審「起訴議決」 小沢氏は自ら身を引け」で、
「小沢氏は代表選の際、仮に起訴されても「離党したり、辞職する必要はない」と表明している。だが、与野党から議員辞職や離党などを求める声が強まることは避けられまい。「古い体質」を象徴する政治とカネの問題を抱える小沢氏が与党の実力者として影響力を保ち続けることは問題がある。国会での究明と同時に、出処進退について、自らけじめをつけるべきである。」と。
読売新聞は、「検察審再議決 小沢氏「起訴」の結論は重い」で、
「強制起訴により、法廷に立たされる民主党の小沢一郎元代表の政治的責任は極めて重大だ。小沢氏にけじめを求める声が強まるのは確実で、民主党の自浄能力も問われよう。」「自民党など野党側は、小沢氏の辞職勧告決議案の国会提出や証人喚問要求を検討している。民主党は、早期に対処方針を決めることを迫られる。」と。
日経新聞は、「「小沢政治」に決別の時だ」で、
「「親小沢」と「反小沢」という不毛な対立軸で、国政をこれ以上停滞させぬよう、小沢氏は静かに身を引いていた方がいい」と。
産経新聞は、「潔く議員辞職すべきだ」で、
「潔く議員辞職し、政治生活にピリオドを打つべきだろう」「民主党内からも小沢氏の議員辞職を求める意見が出ているのは当然だ。小沢氏が従わない場合は、除名処分や離党勧告などを行うのは最低限必要だ」と。
――というように小沢氏起訴への新聞各紙の論調は極めて批判的だ。