前回の続きです。
【日米安保体制】
・日米安保体制の深化
・集団的自衛権の行使に関する検討の加速化
・日米防衛協力強化のためのガイドライン見直し
・日米の適切な役割分担下での敵基地攻撃能力の保有
・平素から緊急事態に至るまで隙間のない協力強化(共同警戒監視、共同訓練、共同使用、指揮統制機能の連携強化)
・在沖縄米軍基地の整理、統合、縮小の推進
前の3つは当たり前ですね。
敵基地攻撃能力の保有については、F-35が入ってくる事も考えると、攻撃事態は日本でもできない訳ではありません。トマホークを買う、あるいは同等品を国産化することが念頭にあるのかもしれません。
が、日本に決定的に足りないのは、ターゲティング能力です。それも、センサー単体はもちろん、それを処理する”情報”処理能力が決定的に足りない。
E-8を買う、情報職域を大増員するなど、コレを行なうためには、大幅な費用をかける必要があります。
トマホーク買って終わりでは、政治的な抑止力でしかなく、無駄遣いに終わります。
平素からの協力は、今までも深化を続けてます。障害は、集団的自衛権ですから、これがクリアできれば、相当に進むでしょう。
在沖縄基地の整理・縮小については、辺野古への移転に合せて、部隊集約を図るつもりなのでしょう。
< 【国際および日本周辺の環境安定化活動の強化】
・豪、韓、印、ASEAN諸国などとの戦略的安保協力、国際協力活動の推進
・大局的観点からの中国との安保関係の推進、海上連絡メカニズムの構築
・国際平和協力のための一般法の制定
・国際平和協力活動の取り組み強化(武器使用権限)
・能力構築支援の強化
・ジブチ基地の機能拡充
この項目、大体はいいですが、中国との安保関係を大局的観点から進めるとしてますが、日本人特有の八方美人的美辞麗句に過ぎないのではないでしょうか。海上連絡メカニズムは必要ですが、基本的に中国は封じ込める方向にしないと、アメリカが日本軽視の方向に進みそうです。
【大幅な防衛力の拡充】
・自衛隊の人員、装備、予算の大幅拡充
・中長期的な財源確保
・統合運用ニーズを踏まえた中長期的視点に立った防衛力整備
「国力国情に応じ自衛のため必要な限度において 効率的な防衛力を漸進的に整備する」という国防の基本方針を見直すことと関連するのかもしれませんが、日本の国力ベースで防衛力を考えるのではなく、脅威ベースで防衛力を考える方向に行くのかもしれません。
そうなると、核でも装備しない限りは、国家破綻しかねないのですが……
【防衛力の能力発揮のための基盤の強化】
・防衛生産、技術基盤の維持、強化
・安全保障の強化に資する輸出管理政策の構築
・効率的、効果的、厳正な調達制度の確立
・中長期的な最先端の防衛装備品の研究開発の推進
防衛省の所管ではない輸出管理政策(経産省)を、安全保障視点に立って見直すことは非常に重要だと思います。
しかし、これが有りながら、国交省所管であるインフラ整備に安全保障観点を含めることがない点は、手落ちでしょう。
自民党もまだまだです。
【関連記事】
・新防衛計画大綱策定に向けた自民提言について(その1)