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「わがままに生きる人たち」を軽蔑してはいけない

懐古主義の人たちは一定数存在しますが、ぼくはまったく理解できません。社会は進歩しているわけで、昔に戻るなんてトンデモない話です。


社会の進化とは何か

ぼくの考えによれば、社会が進歩するというのは、「多くの人々にとって、わがままに振る舞うことが許されるようになること」です。

歴史を振り返れば、黒人奴隷は「わがまま」に生きることができませんでした。子育て、結婚すら許されず、多くの人々が人生を否定され、翻弄されました。

子どもたち全員が連れ去られたあと、道で母親に出会った。そのときの狂ったような、ギラギラした目をした彼女の顔が、今でも目に浮かぶ。

「いなくなった!子どもはみんないなくなった!なのに生きろと神はあたしに言うの?」

女は、怒りに身を震わせて大声で叫んでいた。わたしにはかける言葉がなかった。こういう出来事は毎日、いや、毎時間のように起きていた。

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ある奴隷少女に起こった出来事

posted with ヨメレバ ハリエット・アン・ジェイコブズ 大和書房 2013-03-29 Amazon Kindle 楽天ブックス


さらに戻れば、中世ヨーロッパでは「魔女狩り」が行われていました。「世間のうわさ」で誰かを殺すことができたという、恐ろしい時代です。

第三の場合の「世間のうわさ」は、裁判官の判断の有力な根拠とされ、また容疑者を逮捕する十分な理由ともされた。(中略)『魔女の槌』によれば、この第三の場合がもっとも多かった。その上「うわさ」の真実性を確かめるという重要な考慮を、裁判官はまったく払わなかった。

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魔女狩り (岩波新書)

posted with ヨメレバ 森島 恒雄 岩波書店 1970-06-20 Amazon Kindle 楽天ブックス


過去の社会を生きた人たちは、「わがまま」でいることが、今よりも許されませんでした。あるがままに生きることは否定されるか、自ら抑制する必要があったのです。「わがまま」に生きることができなかった人々の不幸については、これ以上、特段の例を出すまでもないでしょう。

しかし、現代においては、さすがに奴隷制度も魔女狩りも行われません。言論の自由もありますし、明らかに「わがまま」は許されるようになっています。人間の歴史というのは、「わがまま」の許容範囲を広げてきたプロセスそのものともいえるでしょう。


「わがままの許容範囲は、時間の経過とともに広がっている」という事実は、5年、10年といったスパンでも同じです。5年前のぼくと、現在のぼくは、「わがまま」が許される範囲が違うのです。


それはこの「プロブロガー」という生き方にも現れているでしょう。

広告システムやアフィリエイトが未熟だった過去の時代においては、「ブログでメシを食う」ハードルは今よりも高いものでした。どれだけ「わたしはブログを書くのが好きなんだ!これで生きていきたいんだ!」と願っていても、そんな「わがまま」は許されませんでした。

が、種々のインフラが整ったこの時代には、ブログだけで十分な稼ぎを集めることも、そう難しくはなくなっています。かくいうぼくは、まさにブログで毎月40〜50万円を稼いでおります。


「わがままに生きる人たち」を、社会は軽蔑する傾向があるように思います。ぼく自身も結構な頻度で「イケダハヤトは社会人失格だ」なんてdisりを頂きます。まぁたしかに、会社には勤められませんが。

しかし、「わがままに生きる人たち」の存在は、社会が進歩している証でもあることを、忘れてはいけません。彼らは常識を打ち壊し、社会全体の「わがまま」の許容範囲を広げます。


最初は非難されたとしても、「わがまま」に振る舞う人が増えてくれば、その「わがまま」は「当然のもの」となります。

たとえば最近だと、日本でもLGBTの方に対する偏見はなくなりつつありますよね。LGBTが「当然」になっていくのは、そう遠い話ではないと思います(そうならないといけませんしね)。ポジティブな意味合いで、LGBTの方々は「わがまま(我が侭)」な人々ともいえます。

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裏返せば、「わがままに生きたい」というのは、社会的に尊重すべき欲求だとすら思います。そういう人が本気で行動し、わがままが実現されれば、社会はそれだけバージョンアップしていくのです。

みなさんの職場、コミュニティに「わがままな人」はいませんか?

彼らを簡単に軽蔑してはいけません。排除するのは簡単ですが、見方によっては、彼らは社会を、コミュニティを進化させるキーパーソンでもあるのですから。


★この記事を読んだ人にはこの本がおすすめ。

わがままに生きることが許されない「弱者」の人たちを、いかに包摂していくかというテーマを扱った名著。心震わせるエピソードも魅力的です。

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弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書)

posted with ヨメレバ 阿部 彩 講談社 2011-12-16 Amazon Kindle 楽天ブックス

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