- 2013年05月01日 15:17
第一章:スタートアップとは?
スタートアップとは、アメリカ西海岸でよく使われるようになった、ハッカー中心の小さなチームのことを指します。10年程前までは、「ベンチャー」という言葉の方が一般的でしたが、最近では「スタートアップ」という言葉が好んで使われていると思います。ちなみに、「ハッカー」と聞いてドキッとするかもしれませんが、スタートアップシーンで使われる「ハッカー」とはエンジニアのことです。ハッカー気質というのはシリコンバレーでは凄く重視されており、Facebookの社屋には大きく「Hack」と書いてあるぐらい、広く馴染んだ言葉です。
ここで、非ウェブ系の皆さんのために解説します。学生の頃の私の「エンジニア」のイメージは、下請けの下請け企業で長時間、設計図通りにコーディングをする人たちのことでした。非ウェブ系の皆さんは、そんなイメージを持ってる人も多いのではないでしょうか。ところが、ハッカーはそんなイメージとは全く異なります。ハッカーは、ただ設計図の通り組み立てるだけでなく、自ら設計しながら組み立てることができる人たちのことだと思います。自分の作ったアプリケーション等の利用者の体験を先回りして考え、企画もできるし作ることもできる人たちです。
もとい、スタートアップの定義ですが、私の個人的な定義からしますと、「ハッカーやデザイナーなど、つくる人中心の、世の中の様々な問題を解くために存在する小さなチーム」で、今回想定しているのは、そういったチームの中でも「比較的大きな問題解決にチャレンジし、比較的大型の資金調達もできている会社」となります。
2011年頃から、国内にもスタートアップの波が押し寄せており、沢山のチームが生まれています。中には、既に何億円も調達し、順調に成長している会社も数多くありますが、スタートアップシーンが盛り上がっている背景には、エコシステムの存在があります。
スタートアップのエコシステムは、ざっくりいうと以下のプレーヤーから成ります。
- スタートアップ
- エンジェル投資家
- インキュベーター / アクセラレータ
- VC
- メディア
スタートアップ
自明ながら、スタートアップを始める人達です。小さな、「つくれる」チームであることが重要です。国内のスタートアップは、アメリカ発スタートアップディレクトリでもあるAngel Listの在東京スタートアップ一覧から見ることができます。
エンジェル投資家
かつて自身でもスタートアップを立ち上げ、上場やバイアウト(売却)等によって財産をなした人たちが、その経験や資産を使って後輩のスタートアップを支援することで、エンジェル投資家となります。通常、数百万から数千万円の投資をします。
インキュベーター / アクセラレータ
オフィスを提供するかどうか、などで呼び方が変わるようですが、数百万単位でまだできたばかりのスタートアップ(場合によってはまだプロダクトがない場合もあり)に投資するファンド。国内ですと、こんなところが有名です。
VC
エンジェル投資家、インキュベーター等によってすくすくと育ってきたスタートアップが、さらにサービスを拡大させるために資金を必要とするフェーズで登場する人たちです。億単位での資金を提供できます。
メディア
スタートアップのエコシステムで超重要なのが、メディアです。先述もしたTechCrunchをはじめ、以下のようなメディアが、国内のスタートアップシーンを盛り上げています。
- TechCrunch(最近編集長の西田さんが辞めてしまわれたので、国内オリジナルの記事が減って勢いは落ちそうです)
- StartupDating
- TechWave
以上、スタートアップのエコシステムをみてきました。