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政治を目指すMBAたち

朝一でサマーズ教授のアメリカの経済政策。今日はアメリカの貿易政策。「アメリカには輸出振興しかない。財政出動に限界があり、民間が投資せず、家計は貯蓄をしている。自由貿易協定が生み出すメリットは、通常の貿易理論が説明するものだけではない。お互いの国の経済構造を改革できるというメリットもあるのだ」と力説。

「日本が早く復興してくれることは戦後のマーシャルプランによる欧州復興がアメリカ経済のエンジンとなったようにアメリカにプラスである。他国の成功は自国にもメリットをもたらすのだ」と締めくくった。終了後日本の復興を巡って懇談。

ランチは政治家志望のビジネススクール一年生の相談に乗る。夢を追ってインドからハーバードへ留学。27歳になって初めての海外体験だという。インドでトップの大学を卒業後、大手インターネット関連会社で5年働く。一念発起して家族からローンしてハーバードビジネススクールへ。

最初は「ビジネスの力でインドの人々を救いたい」と思っていたそうだ。しかし、巨大新興国家インドの課題は複雑。食糧から教育からインフラから課題が山積。「ビジネスの力で貧困にあえぐ多くの人々を救うことができるだろうか」と思い始めたという。

ハーバードでのいくつかの私の講演を聞いて、「国の政策を動かす政治の方がもっと人が救えると思い始めた」という。インドは世界最大の民主主義国家。一方で選挙では教育や情報通信にはまだ課題が多いため、どうしても現職有利で新顔不利なのだそうだ。日本に勝るとも劣らないくらい世襲がはびこっている。「聞いたことのある名前に入れる人が多いのですよ」と。

ハーバードのMBAで金融やコンサルに行けば安泰で豊かな待遇が待っている。「お金はあればいいけど、僕のやりがいにはならないんです」という。「政治家の給料はインドでは驚くほど低いです。だからいまだに汚職が横行するのでしょう。婚約者は銀行につとめる普通の家庭の人です。私の家計も銀行員と教員で政治には縁がありません。なので道は険しいです。選挙に勝つかどうか以前に候補者になれるかどうか?」という。

「田村さんもビジネス出身。世襲ではないと聞きました。田村さんのキャリアならビジネス界でもっとお金をもらえたでしょう?なぜ政治の世界に入ったのですか?選挙はどうしたのですか?家族の了解は?政治資金は?」インド人らしく早口な英語で機関銃のようなしゃべりでの質問責めにあう。

一通り熱く答える。そして

「君こそハーバードでMBAまで取って政治家になるなんてもったいないと思わないのか?もっと実入りもいいし、プライバシーもあるし、休みも取れる仕事があるだろ。お金もプライバシーも自由時間も無くなってメディアにはコケにされて、それでもいいのか?」と質問返し。

「もちろん真剣です。インドの子供たちはまだ満足に教育も受けられない人が多い。食べ物も満足に行き渡っていません。どの政策がやりたいって全部です。インドにはすべての政策が必要なんです。ハーバードビジネススクールに来られたのは意義があります。ここで世界最高の人材を相手に戦えることがわかりました。これは大きな自信です。」

まだ家族にも婚約者にも伝えていない。コネもないし、お金もない。ハーバードで鍛えた頭脳だけで勝負すると。「インドの風土なら、僕が当選するまで10年間はかかるでしょう。その覚悟で行きます」その志やよし!

アメリカでも政治家志望者から相談を持ちかけられる事が増えた。今の時代、アイビーリーグに来るような若者は家族がスーパーリッチだ。豊かに育っているので、よこしまな野心より、純粋に、「より大きな社会貢献のために奉仕したい」という気持ちが強い。NGOやNPOや軍隊もあるが、彼らの行き着くところは政治なのかもしれない。

「より多くの人を助けたい」「世の中をよい方向に変えたい」と本気で青臭く語る若者によく会う。こちらも、すがすがしい気持ちになる。自分に自信があるものが、より大きなチャレンジを求めているのだろう。概して、家系も政治に無関係な人が多い。こういう若者が世界中で政治参加してくれたら世界はより良い方向に変わるんじゃないか?!そんなことを思いながらのインド料理ブッフェであった。楽しくて食べすぎた・・・ヤバい!素晴らしい出会いに感謝!

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