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誰も秩序描けない世界

年明け早々のワシントンでのG2(米中)サミットは嵐の前の静けさに過ぎなった。穏やかに終わりすぎたのだ。唯一の波乱といえば、上院多数党の院内総務であるリード議員による政局目当ての挑発(胡主席は独裁者)があったくらい。ホワイトハウスも中国も相手にしなかった。

世界最大の懸念の一つと言われた、北朝鮮情勢についても一定の進展があった。米中共同声明で、北朝鮮のウラン濃縮活動について「共通の懸念」が表明されたのだ。画期的ではあったが、中国が北朝鮮に何かコミットするといったわけではない。

アメリカは内政に大きな課題を抱え、中国は来年の指導者交代まで安定した米中関係を継続したいとの思いが強い。お互いがリーダーシップの限界を認識して、対立を避けただけだ。国家資本主義と市場経済の根本的な対立は何も解消していない。

G2サミットが穏便に終わったことで、続いて開催されるダボス会議が緩んだ。「欧州財政問題」に集中できると世界中のリーダーや識者は安堵した。今年の世界はそんなに甘くないのに・・・

鍵を握るはドイツ。会議初日にメルケル首相は「ユーロ体制堅持」の強い姿勢を演説で強調。世界の期待以上のコミットメントを示した。IMFも最大の懸念であるスペイン財政への支援について言及。ダボスは最初からいいニュースに酔い始めた。月曜日にはエジプトで反政府デモが盛り上がり始めていたが、ダボスのアラブ問題セッションはほとんどこれに触れず。

ダボス会議が進むうちに北アフリカ情勢が急変。劇的変化は、ダボス会議終盤の金曜日にやってきた。チュニジアでの政変はエジプトで革命に進化。ただ、これは昨年末エジプト議会選挙で与党が圧勝した時には誰も予想できなかったことだから、ダボスも米中も責めるわけにはいかない。

騒ぎは、北アフリカ、中東諸国に広がりつつある。この背景には、長い独裁や圧政がある。急増する若年人口、若者の大量失業、彼らに活用されるソーシャルメディア、そして投機マネーが引き上げた食糧価格。これらが国民の不満に火をつけた。

すでに、反政府デモはヨルダンやサウジにも飛び火。イスラエルは中東情勢の不安定化を最も恐れる。イランは大喜びだが、イランでも反政府デモが起こる可能性はある。そして中国にまでデモ騒ぎが伝搬するかもしれない。エネルギーや食糧を海外に依存する我が国にとっては深刻な事態だ。世界の金融市場も混乱すれば、日本の株価上昇機運も水を差されるだろう。

一気に世界情勢は緊迫してきた。先進国から新興国まで、誰もが財政から失業までの内政問題に忙しく内向きになりつつある。誰がこの混沌に秩序をもたらすのか?

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