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ハフィントン・ポストが「???」ないくつかの点

 2013年5月7日に『はふぽ』ことハフィントン・ポスト日本版が鳴り物入りでオープンした。ざざっと見た限りに置いては、メディア関係者やウォッチャーからの品定め的な言及はあるものの、一般レベルだと「??」といった反応というところっぽい。事前に松浦茂樹編集長のインタビューがあちこちに掲載されていたものの、ネットメディアか新聞ばかりだったし、β版が公開されていたわけでもないので、松浦氏と面識のあるParsleyが一読してもピンとはこなかったから、関心ない層からすればもっと「???」なのでは、と思う。

 それで。既にいろいろな方がエントリーをアップしているものをざざっと拝読する限りは疑問符たくさん、というところ。中でも『ガ島通信』様が爆速でYahoo!ニュース個人に記事をアップしていたのはさすが。

 ハフィントン・ポスト日本版は失敗する(藤代 裕之) - 個人 - Yahoo!ニュース 

 2006年のオーマイニュース日本版ということならば、当時編集委員を務めた佐々木俊尚氏が今回もブロガーとして関わっていらっしゃって(参照)、「今こそそういうポータル的なメディアが必要」と記している時点で失敗確定なのではという思いがよぎるわけだけど(笑)。
 ただ、オマニの初代編集長を務めた鳥越俊太郎氏をはじめとするスタッフの大半が既存メディア出身でネット文化に精通しているとはいえず、初期に実名匿名論によるコメント欄の運用で荒れていき、肝心の市民記者が提供する記事のクオリティーも低く、尻すぼみになって行った。それに対して、松浦氏はBLOGOS⇒WIRED⇒GREEと渡っているし、スタッフにもネットメディア経験者が複数いるから、オマニほど斜め上の展開は期待できないように感じる。当時と比べてソーシャルメディアが普及して実名で発言するひとも徐々に増えているし、炎上リスクは軽減されているのではないだろうか。
 とはいえ、裏を返せば燃えることもなくアクセスが下がっていく、ということでもあるけれど。
 
 アクセスといえば。このエントリーを書き進めている時点では、Google先生で「ハフィントン・ポスト」で検索しても10位以内には入っていない(参照)。

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 来ないなー来ないなーとクリックしていったら、5ページめの5番目に登場。なんか松浦編集長のインタビューや事前のリリース記事ばかりがヒットして本末転倒感がパない。
 私は小物なので、担当者ならば四半期でのアクセス流入見込みを想定して「広告とか言っている場合じゃないや…」と、パキシルのお世話になること間違いなしだが、おそらく中の皆様は別のご判断をなさっているということなのだろう。しかし、『ガ島通信』様の記事が上に来るというのは、Yahoo!個人パないなー。

 これはマシンスペックや通信環境にもよるだろうけれど。Parsleyの閲覧環境だとなーんか重くて20分ほどで遊ぶのをやめてしまった。ユーザーのフォローもちゃんと出来ているのか一見では分かりにくいし、「フォロー」「ファン」や「ニュース」「ブログ」といったはふぽ独自の用語があって混乱する。コメントをする際、twitterやFacebook以外のソーシャルメディアに投稿しようとすると、いちいちIDとPASSを入力しないといけないし。いらいらするわー。
 極めつけがユーザーの設定画面からFAQを見ようとすると、「ページが見つかりません」ときた。温厚なParsleyでもさすがにそっとタブを閉じましたよ。Facebookに文句書いたら松浦編集長が「修正します」とおっしゃっているので、すぐに対応されるとは思いますが。(参照

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 なんというか、全体的にはふぽむずい、という印象を持たざるをえない。サイト構成やUIについては、津田大介氏が「システム的な部分はよくできてる」とおっしゃっているけれど(参照)。もしかしてParsleyとは別のサイトをご覧なのかもしれないなー。
 まぁ、中身の記事に新味がないのならば、どんなにシステムが優秀でもヤバいと思いますが。

 あと、コメント欄の運用についてもざっくりというならば。日本のネット空間は良くも悪くも2ちゃんねるの影響が強く、敵視したネットメディアの成功例はほとんどない。
 『WIRED』インタビューで、松浦編集長が「向こうも、日本の"匿名掲示板文化"のようなものには辟易しているんですね。アメリカでいうと4chanですが、そういうものに手を貸すようなものにはするな、と言われています」とおっしゃっているのを拝読した時には「それ負けパターンや」と頭抱えましたよ…。
 2chは誹謗中傷が横行しているし、真偽が不確かな情報が渦巻いているなど、問題をたくさん抱えているのはいうまでもない。が、一方で良質な議論が進む板やスレもあり、「嘘を嘘と見抜けないと難しい」という西村博之氏の名言に象徴されるようにリテラシーを養うことにも役立っている。
 それに。松浦編集長ははふぽの主力読者を団塊ジュニア世代に置くようなご発言をされているけれど。清濁を全て飲み込んで喜怒哀楽を誰でも自由に書き込める2chこそが、団塊ジュニア世代が「ホーム」といえるメディアなのではないだろうか。いずれにしても方向性としては真逆なので、「良質の議論」が受け入れられる勝算をどのように描いていらっしゃるのか純粋に興味は沸くけれど、現状を見る限りは「???」という感じかしら。

 ここまでいろいろ記してきたけれど。Parsleyにとっては既に名声がある「オピニオンリーダー」を起用し、無名の論者のことをオーソライズしようとしないネットメディアは存在意義がないとさえ考えているので、ネットメディアウォッチャーの遊び場がまたひとつ増えたくらいの認識だったりします。
 そうは言っても、万に一つオファーを頂いた際には恥も外聞も節操もないので書きますけれどね!
 これから「???」が「!?」に変化することを、心から願っております。

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