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良いことは良いと評価するネット文化を ~One Voice Campaignスタッフがネット選挙運動解禁に思う事~

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イベントごとに声の高まりを実感


― 解禁まで具体的にどんな活動をしてきましたか?

原田:ホームページをオープンさせたのが、去年(2012年)の5月8日。最初はそれに間に合うようにサイトコンセプトを決めたり、著名人からの賛同のメッセージを集めたり。オープン後はFacebookなどを活用して、キャンペーンを知ってもらうための活動を重視してきました。

江口:それこそ各メディアの方々に説明に伺って記事にしてもらったり、たくさんの大学生など若い世代に「政治と未来について考えよう」といったテーマのブログを書いてもらったり。ネットを駆使して、口コミと人伝いで、一緒に手を動かしながら作っていきました。

― 議員会館内でイベントやシンポジウムを何度か開催する中で、手ごたえや変化は感じましたか?

江口:イベントを開いたのは、去年の5、8、11月、そして今年3月の計4回。

原田:まず5月と8月で議員の話す内容に変化がありました。5月は超党派で集まり、改めてネット選挙解禁に向けてキックオフという中、「どうにもこうにも根詰まりがあって進まないけど、がんばります」という雰囲気だったのが、8月には当時民主党の衆議院議員だった石井登志郎さんから、「党内は、ほぼまとまりました」と報告をいただきました。

江口:8月は衆議院解散の足が聞こえてきたけれど、まだはっきりかわからないといった頃で、議員の皆さんもそれを睨みながら活動していたような時期。5月に比べて、明らかに「行けそう」という感覚に変わったように感じました。

原田:そして、いざ解散が決定して緊急開催した11月のシンポジウムでは、各党がネット選挙運動解禁を公約に掲げるまでになり、議論の内容も「どうしたら、解禁できるか」から、「解禁された場合どう活用すべきか」に徐々に移行していったのが印象的でした。いざ選挙が始まる12月にはメディアが話題に取り上げる機会も増え、「インターネットが使えないのはおかしい」という記事を随分見かけるようになりました。

江口:政権が交代した後は、ご存じのように安倍総理の後押しもあって状況が一気に進み、より具体的な内容が話し合われるようになっていきました。メンバーに(財)尾崎行雄記念財団の主任研究員をやっている谷本というのがいるのですが、色々と議論したネット選挙のあり方を、彼にOne Voice Campaign案としてまとめてもらい、サイトに掲載しました。おかげで、この代案に対するお問い合わせを頂いたりもしましたね。ただ反対するだけじゃなく、具体的な代案を用意し、ここまでやるべきという姿勢を示せた例になれたかなとは思っています。

原田:3月に開かれたイベントは、その翌日に自民党、公明党、日本維新の会の3党が、公職選挙法改正案を国会に提出というタイミングで、メールの解禁をどうするかなど、合意に向けて細かなところを与野党が詰めているところでした。そのタイミングで各党からこの法案のために動いている担当議員が登壇し、ほとんど会議の続きのような議論を大勢が見守る中で行ったというのは、大きな意味があったと思っています。この時のイベントのゲストだった選挙プランナーの三浦博史さんと、慶應義塾大学客員教授の夏野剛さんは、そのまま委員会の参考人招致で呼ばれて行きましたね(笑)。

江口:「この前、そのメンバーでやってたじゃん」ってね(笑)。

― イベント以外では、議員に対してどのようなアプローチを行ったのでしょうか?

江口:地道なところで、ポスティング、電話、FAXを繰り返しました。実際、どれぐらいの効果があったのかはわかりませんが、アプローチをした効果もゼロではなかったのかなと。というのも、5月のシンポジウムでは登壇議員しか来なかったのが、徐々に多くの議員やその秘書も来てくれるようになったんですね。イベントの会場を「議員会館の中」と決め、国会議員の目の前で議論するという軸をぶらさずにやったことが、良い方向に働いたと思っています。

“政治=意識の高い人がやること”のイメージを払拭したい


― One Voice Campaignの運営に参加する人も、徐々に増えて行ったのでしょうか?

原田:そうですね。4回のイベントで実際に議員会館に足を運んだ人だけでも800~1000人。これだけの人たちが会館に足を運んだというのはなかなかないと思います。メンバーのFacebookのグル―プは、最終的に130人ぐらいまで増えました。面白いのが、全部で4回やったイベントのうち、最後の2回は現場の仕切りをほとんど大学生と高校生にお任せするような状況になったことです。若い人たちが率先してイベントを作りあげようとする動きが生まれたのは良かった。それから、個人的には自分の「若者と政治」というテーマだけでは出会えなかった、ネット系の人と知り合うことで活動の幅が広がりました。

江口: 政治は敷居が高いと感じながらも、「できることがあるなら何かしたい」という思いをもっていた高校生や大学生が思いきって参加してくれたことがうれしかったですね。更に、そういう彼らが自分たちのSNSやブログなどで発信したことは、若い声を政治に届ける一例になったのかなと。

自分の話をすれば、僕はメディア周りやIT業界、デザイン業界の人たちと日頃付き合いも多く、こういった業界は比較的政治に関心のない人たちが多いのではと感じることもあったのですが、One Voice Campaignを立ち上げたことで「ネット選挙に関する活動をやってるんだって?」と、声をかけてもらうことが増えたんです。

こうやって、少しずつ広がるうちに一般の高校生・大学生からWeb関係の方々、メデイア関係者、研究員まで幅広い層を巻き込んだキャンペーンになったことは、プラスだったと感じます。政治は「意識の高い人がやること」というイメージをもっている人がまだまだ多いと思うんですが、インターネットという身近なキーワードのもとに人が集まり、“周りにいる普通の人”が「何か政治のことで盛り上がっている」という見せ方が出来ました。

キャンペーンの広がりは高校生にまで


― 高校生がスタッフとして、政治のイベントの誘導や受付をやっていたのはとても新鮮でした。投票権がない若い世代に関心を持たせるのはなかなか難しい面がありますが、そういう世代にきっかけを与えるキャンペーンでもあったんですね。

江口:そうなんです。前回の衆議院議員選挙の時に、ある高校生が「One Voice Campaignのように何か発信したいけど、どうしたらいいかわからない」と自分たちにアドバイスを求めてきてくれて、 それが“まだ投票権を持っていない人を対象に模擬選挙を行うサイト”を作ったきっかけになったそうです。

原田:最初は政治家の人気投票がやりたいと言われたんですけど、それは公職選挙法に引っかかるからダメだよという大人の回答をして(笑)。

江口:「だったら模擬選挙みたいなものにすれば、面白い仕組みを作れんじゃないの?」とアドバイスをしたところ、普段からウェブサービスを作っている子だったので、Facebookログイン機能を使って、「未成年しか参加できない擬似投票の仕組み」を作った。そうやって迷った時に、僕らの所に下の世代から相談が来るというのも今までならなかったことでした。

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