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【読書感想】おとな小学生

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おとな小学生 (一般書)

内容(「BOOK」データベースより)

今も覚えてる。こどもの頃の、小さな気持ち。おとなになっても、だいじな気持ち。思い出の絵本とともに、おとなのなかの「こども」を描く人気作家のコミック&エッセイ。


益田ミリさんが、子どものころに読んだ絵本をモチーフに、当時のことを思い出して書く、という本。

僕も息子に絵本を読んで聞かせるようになって、35年ぶりくらいに絵本を手にとるようになったのですが『ぐりとぐら』とか『しょうぼうじどうしゃ じぷた』とかが、まだ現役で頑張っていて、それを息子に読んでいると、なんだか不思議な気分になってきます。

『じぷた』なんて、読みながら、「もうこんな古い型の救急車なんてどこも走ってないよ!」って思うんですが、僕の息子もこの絵本が大好きなのです。

外見上の「似ているところ」以上に、そういう好みみたいなものの共通点に、僕は「つながり」を感じて、少し照れつつも、嬉しくなるのです。

 知り合いのまだ幼い息子さん。最近、こんなことをよく口にするようになったという。

「かあかあが死んだら、ぼくはどうしたらいいの?」

「かあかあ、死んだりしない?」

 テレビで怖いニュースを見た後などに心配そうに聞いてくることもあれば、昼間、おやつを食べているときに、ふいに悲しい顔で抱きついてくるのだそう。

「大丈夫、かあかあは死んだりしないよ」

 そう言うと彼は安心し、またケロッと暮らしているのだけれど、あるとき思い出したように、「かあかあ、死なない?」って確認する。

 大好きなお母さんがいなくなる。

 想像し、小さな胸の中は不安でいっぱいになって溢れだすのだろう。わたしは、その光景を思い浮かべただけで、子どもの頃の自分の気持ちに戻ってしまう。わたしも同じように心配だった。


こういう気持ちって、たしかにあったのだけれど、自分が大人になってしまうと、いつの間にか、そんな時期があったことを忘れてしまう。

この『おとな小学生』、「大人の立場から、子どもの頃のことを振り返る本」ではなくて、「子ども時代の自分の感情を、正確に再現した本」なのです。

以前、ある作家のエッセイ集のあとがき(たぶん)に、「作家になる才能というのは、昔の感情の記憶をずっと持ち続けることができる能力のことだ」という言葉が書かれていました。

年をとってみると実感するのですが、記憶って、本当にそのときの自分の年齢や立場にともなって「上書き」されていくのです。

「パパはそんなに悪い子じゃなかった」って言いたいところなのだけれど、よくよく思い出してみると、まあ、同じくらい「悪い子」だったわけで。

いやほんと、自分の親に対しても、申し訳なかったなあ、と今更ながら。


僕も大好きだった『バーバパパ』の絵本に対する、こんな子ども時代の益田さんの言葉は印象的でした。

 だけど、私はこの絵本を見ていると、たとえ本当にバーバパパがいたとしても、わたしの家には来てくれないだろうな、と思った。うちには庭がなかったからだ。

 バーバパパは、フランソワという男の子の家の庭で生まれるのだけれど、フランソワの家はとってもゴージャスである。広々とした庭があり、フランソワのお父さんは、バーバパパのために、その庭にバーバパパ専用の家を建ててあげたりしている。


そこが気になるの?

いや、そういうのが気になるのが「子ども時代の感覚」なんだよね。

僕もこの本を読んでいて、久々に「自分が子どもだった頃も、こんな『お話の辺縁』みたいなところばかりが、気になっていたなあ」と思い出しました。

そういえば、僕の息子にも、そういうところがあるんですよね。

「この話を読んで、そこに引っかかるの?」というような枝葉末節にこだわるんだよなあ。

それはそれで、面白いなあ、といつも思っているのだけれども。


「純心さ」に置換されていない、生々しい「子ども時代の感覚」を思い出させてくれる本です。

子どもの頃に読んだ絵本って、当時のことを思い出す「引き出し」みたいなものですね。


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おばけのバーバパパ

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