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96条改正は国民主権の危機だ!

憲法施行66周年の憲法記念日にあたり、昨今の96条改正について一言私の考えをお伝えします。

まず、憲法というものは何かということを考えないといけません。

憲法は、多数を握った権力者が横暴、圧制を働くことがないように、国民の基本的人権や自由を守るために、守らなくてはならない最低限のルールをあらかじめ定めたものであります。つまり、国民が権力者を縛るためのものが憲法です。  

ですから、権力者が変わるごとに、自分達(もしくは自分)の都合が良いように安易にルールの変更が出来ないように改正の手続きが他の法律よりも厳しく規定されているのです。

ですから96条を改正して改正の要件を緩和するということは、時の権力者もしくは多数者の意向によって、都合の良いように変えることが出来るようにするということで、立憲主義に反することであります。

しかも、それを時の権力者である総理大臣が先頭に立って言っているというのは、民主主義や国民主権、立憲主義の基本を理解していない、民主主義国の政治家として失格だと私は感じています。憲法改正について権力を握っている内閣の構成員が発言することは減に慎むべしと思います。

また、改憲を目指している方々は、96条改正のために参院選で勝利して3分の2の勢力を作ろうと言っていますが、3分の2あれば、そもそも憲法改正の発議が出来るのですから、堂々と変えたい中身を明らかにして、96条ではなく、中身を変えることを発議するべきであって、改正の要件を下げてから中身の変更を行なおうというのは明らかに間違いだし、絶対にやってはならないことだと感じます。

国民の皆さんは96条改正を訴える政治家の多くが狙いは他にあるということを見透かしていることでしょう。そうです。狙いは9条の改正です。そして、さらに恐ろしいことに、自民党の憲法改正案では、21条の表現の自由を保障する規定に、「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社することは、認められない」という条文を追加し、時の権力者の意向に反する表現の自由を制限しようとしているのです。

また、12条には「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」と加えられています。

そもそも基本的人権とは全ての人が生まれながらにして持っている永久不可侵の権利であり、義務とのバーターのものではありません。それを責任や義務をことさらに強調して制限を加えようとしていることに強い違和感を覚えています。


つまり、改憲を目指している自民党は、国民の権利や自由を制限して、国家の統制を強めて行くために、憲法を改正しようとしているのです。

憲法
9条改正どこの騒ぎではありません。これは、民主主義、国民主権の危機だと言っても言い過ぎではない状況に突入しようとしていることを私達は認識しないとならないのです。

さて、このような政治情勢って、かつて来た道のように感じるなぁという方も多いのではないでしょうか。

そうです。戦前の満州事変の前後の国際社会の国々で、19世紀に広まった「自由」主義によって、社会の秩序が乱れてきたから、国民や経済を国家によって「統制」しようという流れが起こっていました。

「自由」主義か「統制」主義か。ご承知の通り、我が国は「統制」主義が勝ち、軍部独裁の政治が始まり、戦争へと突入することになりました。


その時の論調と昨今の論調は非常に似ています。

改憲を声高に主張している方々は、「自由には責任が伴う」とか、「権利は義務を果たしてのものだ」と強調する。
自由自由、権利権利と主張することを忌み嫌う。いつか来た道に逆戻りしてしまうのだろうか?


ただし、ひとつ違うことがあります。

それは、戦前の「統制」主義は全ての自由を制限する方向に動きました。つまり、経済は自由に行うのではなく、保護主義を取り、関税を設け、国家主導の計画経済を引くなど、国家による統制を強めて行ったのです。しかし、今はこの部分だけは異なっていて、経済だけはより自由を目指し、TPPへの参加に躍起になっています。


つまり、国民の自由は国家が制限するけれど、企業の経済活動は自由にどうぞという国を創ろうとしているのです。 これって、誰のため? ~ 少なくとも国民のためではないと私は感じます。

このままでは、大きな資本を持つ多国籍企業が国家よりも優位に立つ、多国籍企業に国民が支配されるような国になりはしないか私は危惧を持っています。

そして、そういう国になるかもしれないような改正を行なうに当たって、まずは、改正要件を引き下げて、少ない数の賛同者によって行おうとしているのが、96条改正の真意だと私は感じています。

以上のことから、私は、憲法96条改正こそ、憲法の他のどの条文と比較しても最も変えてはならない条文だと考えます。


ちなみに、私は憲法改正を全くしてはならないとは考えていません。地方自治や国会の在り方については、私なりの考えがあります。それについては追々。

いずれにしても、96条改正、断固反対!

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