記事

孤立する若年無業者33万8千人/20代後半で無業者は孤立する

東京大学社会科学研究所の玄田有史教授が2013年1月に発表した「孤立無業者の現状と課題-スネップ162万人の衝撃を眺めていました。

ここでいう孤立無業者とは「20歳以上59歳以下の在学中を除く未婚無業のうちふだんずっと一人か一緒にいる人が家族以外にいない人々」を指す概念です。

5年に一回の社会生活基本調査を使って経年で追っているため15年前までさかのぼって五年ごとの変化を見ることができます。

[画像をブログで見る]

上記の図を見ると、孤立無業者数はこの15年で2倍の162万人。

入りわけを見ると20歳から44歳部分の増加が目立ちます。

特に25歳から29歳のゾーンは、30万人の大台を突破し33万8千人となっています。

10年間で約18万人、この5年で約10万人増えています。

20歳から24歳は10年で7万7千人、この5年で6万5千人の増加してます。

まさにこれからキャリアを積んでいく20代の無業者数の増加に加え普段一人でいるか、家族といる。

家族以外のひとと接触することがない若者が右肩上がりです。

[画像をブログで見る]

とは言え、数だけでみても世代別の割合がわからないため、上の図も引用します。

未婚無業者のなかで「孤立」しているひとの割合です。

30代は一定、40代と50代は2000前半に下がります。

一方、20代はこの10年で突如グラフが他の年代に追いついています。

未婚無業であっても家族以外の他者との接点があった時代から20代でも孤立しやすい時代に変化しています。

※ちなみに、孤立無業者はネット活用度も下がると本調査では説明しています。

なぜ、20代で未婚かつ無業になった際、孤立するようになってきたのでしょうか。

これは仮説でしかありませんが、現場で若年無業者のご支援を差し上げるなかで気になるポイントは下記になります。

①状況に関わらず接触する(せざるを得ない)機会が減った高校や大学を卒業しても”地元”にいれば、何らかの友人等との接触機会があります。

野球やサッカーをするため集まるとか、同窓会を行う。

または、何となく集まるお店に行くと誰か行く、などです。

地元出身で、地元で個人事業を継いだり、就職したりすると学生時代と変わらないエリアで行動したりします。

しかし、個人事業主の廃業や、地元以外の場所で就職したりすると、なんとなくでも出会うといった機会が減少するのではないでしょうか。

②無職であることが、過度に「フツウ」ではないことになったこれは非常によくあることですが、無職という状況である自分自身がつらく、誰にも会いたくなくなります。

会って話すのも嫌となり、なるべく会わないような行動を日常生活で取ります。

最初のうちはいろいろな誘いに乗ったりするのですが、資金もつらくなり、また周囲の心配の声がイタイため、身近なひとたちと疎遠になります。

③保護者も同時に孤立する家族とは接触するため、そこから何かしらの情報やきっかけが生まれることを期待したいのですが、子どもが無業となり長期化すると、保護者も地域から距離を取るようになります。

就職や結婚など、地域には子どもたちの成長過程に合わせた報告が多くなり、自分の子どもが身動き取れなくなっているとそのような会話の場にいることがつらくなるようです。

無業の若者および保護者をご支援させていただく立場としてもっとも支援が難しくなるのが「孤立」です。

こうなると情報を届けることが難しくなります。

物理的な所在地はわかりませんしアウトリーチの手段が狭まります。

インターネットもひとつの可能性ですが、孤立した無業者のネット活用率が低い結果もあり、また、若者自身が情報にアクセスしない可能性もあります。

これまでは保護者を経由して情報を届けることで、いくばくかの接点を(支援を求める)若者と取ることができましたが、これからもそれが効くのか。

また、家族からも孤立している場合にはどうするのかなど課題は多々あります。

失業から無業という変化でも支援機会は非常に限られてしまいますが、そこに孤立が加わることでより機会は減少します。

さまざまなアウトリーチの形を模索していますが、「そうならない」取り組みはあっても、「そうなってしまった」場合のソリューションはいまだ見つかっていないのが実情です。

各年代ごとに孤立無業者は増加していますが、これからの次代を担う若い世代にも広がっていることに大きな不安を感じつつ、さまざまな組織、ひとびとと協力して、少しでもサポートさせていただけるエコシステムを構築していきたいと思います。

あわせて読みたい

「ニート」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    小池知事にアラビア語答弁を要求

    BLOGOS しらべる部

  2. 2

    ウォン売り継続 地獄の韓国経済

    PRESIDENT Online

  3. 3

    自民重鎮 テレ朝・玉川氏に苦言

    深谷隆司

  4. 4

    「モニタリング小泉」議員が皮肉

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  5. 5

    いきステ コスパ重視で復活可能?

    内藤忍

  6. 6

    コロナ自粛で見えた隣人の本性

    松崎りえこ

  7. 7

    電通委託 安倍一強が政治を劣化

    早川忠孝

  8. 8

    AVからスカウト 嬉しい女性心理

    幻冬舎plus

  9. 9

    「民度違う」麻生氏の発言が物議

    SmartFLASH

  10. 10

    給付金事業 経産省が定款準備か

    木走正水(きばしりまさみず)

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。