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ネーミングでの風評被害

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故は、一般的には「福島原発事故」と報道されている。これは日本国内でも海外でも同じである。原発の所在地から近い所はともかくとして、放射性物質の拡散は風の具合にもよるし、海洋も汚染している。しかし、「福島」といっても通常の解釈では「福島県」全体が含まれると考える。そうすると、例えば原発から山脈を超えた向こうの会津地方なども福島の範囲に含まれると解釈されるだろう。これは風評被害となりうる。

つまり会津地方産の農作物などは売れなくなる可能性はあるし、国や地方自治体が出荷規制を取らなくとも安全宣言をしたとしても一度付いたイメージを取るには長い年月をかけなければならない。1960-70年代にかけて日本では4大公害病と呼ばれる大規模公害が発生している。水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく、阿賀野川水銀中毒だ。このうち、阿賀野川水銀中毒は同じ水銀中毒公害の為、第二水俣病、あるいは新潟水俣病と呼ばれる事もある。

この公害のネーミングが各地域のイメージを決定的に分けた。水俣と四日市は私の世代以上の人達にとっては未だに公害都市のイメージが抜けない。しかし水俣湾は既に浄化されているし、四日市は公害をきっかけに世界一環境に気を使っている工業都市となっている。逆にイタイイタイ病はそのネーミングが幸いして富山県の神通川流域で取れる米などを敬遠する人は稀だろう。

「福島」という名前は既に流布しているので手遅れかもしれないが、ネーミングを少しでも変える事で風評被害を少しでも抑える事が可能である。

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