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週刊誌の時代は終わったのか

ゴールデンウィークに入る前に知人がある資料を提供してくれた。雑誌の実売部数を調査したABC公査の最新資料だ。その資料は、2000年から2012年までの12年間、すなわち干支(えと)でいえば“ひとまわり”の各誌の実売部数がそのまま出ている。

2000年からの12年間というのは、パソコンとインターネットの普及で、メディアのみならず社会そのものが大変革を遂げた時期である。

この間の雑誌の実売部数の変化は実に興味深い。ひと言でいうなら、「激減」という言葉を超え、「壊滅状態」あるいは「総崩れ」と表現した方がいいかもしれない。

例えば、かつて全盛を誇った男性週刊誌の衰亡ぶりは凄まじい。2000年下期(6月~12月)と2012年下期を比較してみると、主要週刊誌6誌(ポスト、現代、文春、新潮、朝日、毎日)だけで、実売が総計285万部から177万部まで実に「108万部」も減らしている(37・8%減)。

具体的に見てみると、週刊ポストが65万7000部から31万8000部へ、週刊現代が64万3000部から42万4000部へ、週刊文春が63万部から48万部へ、週刊新潮が50万6000部から36万5000部へ、週刊朝日が30万9000部から13万部へ、サンデー毎日が10万8000部から6万部へ、という具合だ。

ちなみに月刊誌の文藝春秋本誌も45万5000部から33万8000部に減らしている。この2000年代以降は、「雑誌からネットへ」という時代だったが、それがそのまま数字に表われているのである。

大手出版社は、日銭を稼いでいた雑誌の不調で、どこも赤字決算が目白押しだ。私の耳には、出版社の大型倒産がこれから数年で「顕在化するだろう」という悲観的な情報まで入ってくる。

各週刊誌のゴールデンウィーク合併号も出揃ったが、読みごたえのある記事は少なかった。情報の速報性でネットの後塵を拝し、さらには記事の深みやキレもかつての黄金時代とは比べるべくもない。

私自身が雑誌の現場で長く働いてきただけに、目の前の各誌の合併号を見て寂しい気がする。何が変わったのか、そして何が読者をここまで離れさせたのだろうか。私は、各誌の合併号を眺めながら、考えてみた。

私は、その第一は「見識」ではないか、と思う。「週刊誌に“見識”なんて関係があるのか」と笑う人もいるかもしれない。だが、告発記事や手記、スキャンダル報道……など、週刊誌には多くのジャンルがあるが、私は誌面から「見識」がなくなれば、読む人の興(きょう)は削がれ、媒体(メディア)そのものの存在意義もなくなるのではないか、と以前から考えていた。

最も重要なその「見識」が誌面から消え、情報の速報性や深みでも見るべきものがなくなった今、長年の読者が「週刊誌から去っていった」のも無理はない、と思う。

いうまでもなく、新聞やテレビが報じることができない告発記事や渦中の人物の手記、あるいは意外な視点や発想による独特の記事展開が週刊誌媒体の真骨頂だった。

しかし、この12年間でその肝心なものが確実に失われていった。インターネットの普及がそれに追い打ちをかけ、やがてボディブローにように効いていき、そして週刊誌の「死命を制した」のである。つまり、週刊誌業界は外部環境の変化に対応できず、さらには見識を失い、自壊している過程なのではないだろうか。

作り手の意欲や執念、そして見識が感じられる記事が、どの雑誌の誌面からも見られなくなっているというのは大袈裟だろうか。ゴールデンウィーク合併号の各誌の誌面を、私はそんな寂しい思いでじっと眺めている。

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