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復活とはいえないソニー黒字決算

ソニーが5期ぶりに黒字になったことが話題になっています。むしろ、4期も赤字だったのか、という気持ちの方が先にくるのですが、この黒字を言葉の通りに読み込むにはまだ早いかもしれません。

まず、発表された決算短信を見る限り今年2月時点と比べ連結売り上げ2000億円、連結営業利益1000億円、純利で200億円増えるということで2ヶ月間での見直し幅としては実にポジティブにみえます。短信のコメントを読むとこれら上方修正の理由として以下の点が挙げられています。

株式や不動産の売却見込み額が想定を上回ったこと
ソニー生命の運用損益が改善したこと
為替レートの改善(ドルベースは88円から92.4円、ユーロベースが115円から121.9円)
不確定要素やコンサバティブな営業利益見積

つまり、ソニーの本業が想定を上回ったという理由はひとつもないのであります。ご記憶にある方もあるかもしれませんが、2月7日にソニーが決算見通しを発表した際、200億円の営業黒字としたものの翌日の株式市場では売り込まれ、10%も下げたのです。ソニーの株主はソニーの本業であるエレクトロニクス事業の回復を求めているのであります。

本業は確かに回復基調にあるかもしれませんが、どこまで回復するのかといえば「そこそこ」で終わってしまう可能性があり、グループ会社全体では結局、金融やエンタテイメント系の方が稼いでいると言われ続けているのです。

昨日のアップルの決算に関するブログでも書きましたが市場が求めているのはハッとする誰でも飛びつきたくなる興奮するようなガジェットなのであります。これがソニーの本流である消費者向けプロダクトの顔でもあります。稼ぐだけならば部品供給メーカーとしてiPhone向けなどいろいろありますが、ソニーにはあまりにもコンサバになってもらいたくないというのが多くの日本人の気持ちではないでしょうか?

噂されるメガネ式次世代ITガジェットでは本来、ソニー3D対応ヘッドマウントディスプレーHMZ-T2が先行していました。が、話題をさらったのはグーグルでした。私としては非常にショックであります。グーグルは「テレパシー」と称するその試作版は完成していますので早ければ今年にも発売にこぎつけるかも知れません。ただ、ソニーのメガネ型ガジェットも私の認識している限りではそれなりの段階にあるのではないかと思われますので期待したいと思います。

一方、圧倒的に出遅れた感があるのが医療かと思います。平井社長が昨年着任時に医療分野を事業の柱にするとしオリンパスに500億円出資することでその道を切り開こうとしました。しかしその合弁会社「ソニーオリンパスメディカルソリューションズが設立されたのはわずか10日ほど前の4月16日であります。

テレビに関しては9期連続赤字ながらも今期その赤字幅が半分に減ったという「喜ばしい」報道がありましたが北米に長くいる私から見れば「だから?」ということにしかならないのです。仮に来年黒字になったとしてもそれは赤字が止まったというソニーの自己満足であり、収益にはどれだけ貢献しているのか、といえばほぼ何もないわけですから評価しようがないのです。

個人的にはソニーの知名度を海外で生かしきっていない気がします。姿勢がどうも国内に向いている内向きの感じがいたします。アップルの凋落が見られる中、サムスンも独走し続けるのかといえばそんな感じはあまりしないのであります。ならば、ソニーが再度、世界市場での復権を遂げるチャンスは大いにあるかと思います。

「エレクトロニクスのソニー」として決算上方修正の発表がいつか聞いてみたいものです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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