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『バロンズ』の巻頭特集はミレニアル世代

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米国の投資週刊紙『バロンズ』の今週の表紙はミレニアル世代です。

ミレニアル世代とは2000年以降にオトナの仲間入りをした若者たちを指す言葉ですが、アメリカの人口動態学者の定義では現在18歳から37歳までを含める場合が多いそうです。

なお、アメリカには日本の「団塊の世代」に類する、様々なジェネレーションの定義が存在します。『バロンズ』はその例として以下のジェネレーションを挙げています:
グレーテスト世代(68歳から上)3,620万人(米人口の11%)
ベビー・ブーマー世代(48歳から67歳)8,030万人(25%)
ジェネレーションX(38歳から47歳)4,090万人(13%)
ミレニアル世代(18歳から37歳)8,600万人(27%)
iGen世代(0歳から17歳)7,400万人(23%)
こうして見ると、少なくとも人口の上ではミレニアル世代は最大勢力であることがわかります。

ミレニアル世代は米国のジェネレーションの中で最も幸福に育ってきたわけではありません。二つの戦争を経験しているし、テロリストの攻撃を体験したし、金融危機も経験しました。大学を出て職探しをするときに不況が来たので、苦労した世代でもあります。

しかし『バロンズ』は「ミレニアル世代は怠け者ではない」としています。これから彼らが結婚し、子供を作り、高い所得を得る年代に入ってゆくと、かつてのベビー・ブーマー世代が持っていたのと同様の大きな影響力を行使しうるとしています。

移民が流入する関係で、ミレニアル世代は今後も増え続け、2020年のピークには8,850万人を占めると予想されています。これはベビー・ブーマー世代がピークをつけた1980年の、総人口に占める割合35%には及びませんが、それでも大きな勢力です。実際、ミレニアル世代はベビー・ブーマー世代の子供達の世代なわけで、その意味で「エコー(こだま)世代」と形容される場合もあります。

ベビー・ブーマー世代が成人し、所得のピークを迎えた1990年代の米国のGDP成長率は3.4%でした。今後、2020年に向けてミレニアル世代が所得のピークに入ってゆくのに呼応して、米国のGDP成長率は再び3%台が巡航速度になる可能性が強いです。

ミレニアル世代は既に年間1.3兆ドルの消費を行っており、これは米国全体の消費の21%を占めます。上に書いたのと同様の理由で米国の消費成長率は現在の2%前後から3.5%から4%成長へと加速すると予想されています。

ミレニアル世代が高等教育を受ける年代になったときは、大学の入学者がどんどん増え、これは学費の高騰と大学の乱立を招きました。しかし彼らの多くは大学を卒業する年齢になっているので、今は逆に大学は生徒不足に悩み始めています。

現在はミレニアル世代が未だ独身なので、アパートの需要が多いです。しかし今後彼らが結婚すると一戸建てに人気が移ってゆくと見られています。またかれらが貯蓄する年代に入ってゆくと、投資信託などの金融商品がよく売れます。

ミドルエイジ(中年:35歳から49歳)とヤングエイジ(20歳から34歳)を比較したMYレシオは2000年以降、下がっていました。その場合、貯蓄に余念がない中年の割合が少なくなり、老後に貯蓄を取り崩す人が増えるので、株式市場はどちらかといえば頭が抑えられる傾向があります。これとは逆にMYレシオが上昇(=中年が増える)すると、株式市場にとって強気材料だとネッド・デービス・リサーチは主張しています。

ミレニアル世代とベビー・ブーマー世代の大きな違いは、ミレニアル世代はconnected、つまりネット・リテラシーが高い点でしょう。これは彼らの消費態度などに大きな影響を及ぼします。

ミレニアル世代が積み上げた、1兆ドルにもおよぶ学資ローンも気になります。しかし平均すると一人当たりのローン残高は2万5千ドルなので、これは何とかなる金額です。

【参考】
なお昔の本で入手が難しいかと思いますが、人口動態と投資の関係を考える上で示唆に富む本があるので紹介しておきます。この本が出たのは、確か1987年の大暴落の前後で、当時は「アメリカの終焉」が声高に論じられていました。しかしこの本は、「人口動態から判断すると、これからアメリカは黄金時代を迎える」と喝破しました。その論拠は世帯収入の極大化するピークに、アメリカがさしかかろうとしているという点でした。投資関係者は必読の書。
ベビーブーマー―アメリカを変える力 [単行本]

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