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靖国参拝で中国が韓国と日本を批判、でも他の国は

『環球時報』が掲載していた「中韩同步反制日本参拜闹剧 安倍特使访华泡汤」という記事を見て、いろいろ思うところがあったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 最初にいつものとおり、記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 麻生太郎副首相兼財務大臣など3名の内閣の成員員が20日と21日にかけて靖国神社を参拝し、安倍晋三首相は「内閣総理大臣」名で、靖国神社に供物を献上した。この事は韓中両国に強烈な反発を引き起こし、双方にマイナスの影響をもたらした。

 韓国外交部スポークスマンは、22日に「遺憾の意」を表明し、韓国の外務大臣の今月下旬の訪日計画を取り消した。中国外交部の華春瑩スポークスマンは、中国側は日本が提出した交渉に消極的であることを22日の定例記者会見で公表した。

 韓国の外務大臣は、元々26日~27日にかけて訪日し、朴政権の外交政策を述べ、日本側と朝鮮問題について話し合い、両新政権が重大問題で共通認識を持つことを目的としていた。しかし現在の情勢では、両国の会談は有効な成果を得にくので、訪日を取り消したと韓国外務省職員は語っている。
 
 また、この職員は麻生副首相は日本のNO2で、こうした位の高い人が靖国神社参拝を行うことは、「とても無責任な行為」とも述べている。韓国外務省はまた、内閣の構成員が靖国神社を参拝することは、歴史を忘却し、時代の潮流にあわないもので、日本は歴史問題で責任ある態度をとって、初めて周辺国家の信用を得ることができるとしている。

 『韓国経済』電子版は、朴槿恵は就任後、韓日の関係正常化を探していたが、麻生などの参拝は韓国政府の韓日関係正常化に対する努力に冷や水を浴びせたと分析している。報道では、朴槿恵が訪米後、第二の訪問国として、中国を選んだことは、こうした情緒と多少の関連があるとしている。これまでは、大統領は2番目には日本を訪問していた。

 韓国『聯合ニュース』は22日に「日本は隣国関係を念頭においていないのか」という社説を掲載した。記事では、日本の閣僚の靖国神社参拝を韓中などの隣国が絶対に我慢できないとしている。

 韓国『国民日報』は、安倍は、小泉在任中の靖国神社参拝が外交摩擦を誘発し、最後は没落に向かったことを覚えておくべきだという社説を掲載した。

 安倍内閣の閣僚の靖国神社参拝は、中日の友好交流にも影響を与えている。超党派議員からなる「日中友好議員連盟」は22日に、5月1日~3日の訪中計画を取り消すと公表した。当該連盟の会長である高村正彦自民党副総裁は、習近平国家主席、李克強首相などとの会談を行えないため、訪中を中止したと述べている。

 『時事通信』は、中国の指導者と会談を行えない原因として、釣魚島問題と靖国参拝を挙げている。また、記事では、日本は超党派の議員の訪中を関係改善の突破口にしようとしたが、関係修復は最初からやり直しになってしまったとしている。

 それでも、安倍政府は自分の言行を気にせず、「村山談話の内容を受け継ぐことはありえない」と述べている。『時事通信』は、安倍の発言は中韓両国の更なる抗議を招くと述べている。韓国『ソウル経済』電子版は、日本は北東アジアで自ら孤立の道を歩んでいると述べている。



2 個人的感想

 靖国参拝に対するいつも通りの中国の主張です。これまで何度か指摘しておりますが、中国は中国だけでなく、他の国も中国と同じ行動を取っている(中国の行動を支持している)という形で自国の正当性を主張することがよくあります(中国紙『環球時報(環球網)』によると世界は皆、中国を支持)。

 今回は中国の行動を支持している国として、韓国を持ってきたというわけです。これまでどちらかというと、靖国参拝問題では、中国が先に行動を起こし(その典型が「反日デモ」反日デモの原因分析)、韓国は軽視される傾向がありました。

 しかし、今回は先に韓国の方が外務大臣の訪日中止という目に見える形で行動してきたため、そちらがクローズアップされ、中国がそれを利用しようとしている形です。

 これまでも何度か靖国参拝については言及してきておりますが、中国の場合先に書いたように、自分に同調してくれる外国が多ければ多いほど良いというロジックなので、世界各国が靖国参拝を批判しているという記事を平気で掲載します(靖国参拝を世界各国が批判?(実際は中国だけか))。

 しかし、実際東南アジアでもあまりこれに対する反対意見は聞かれないことからもわかるとおり(シンガポールあたりはいろいろ微妙ですが)、中国(台湾)と韓国(北朝鮮)が大々的に反対しているだけというのが現実なので、結果こういう形でしか味方を見つけることができないということになるのではないでしょうか。

 あと、もうひとつ思ったのが、これまで中国や韓国との関係悪化をいろいろ心配する声があって、彼らを刺激する行動は控えるべきだという意見があったのですが、尖閣問題や竹島上陸問題(韓国大統領の竹島上陸に日本が強い拒否反応を示した理由)などの影響で、関係がここまでこじれてしまうとこれ以上悪くなりようもなくなります。

 結果、日本側では、これまでいろいろ気をつかっていたのが、その必要がなくなるわけで、私はこれを機に、日本も本当に言いたいことを主張するべきかと考えます。正直、自分の言いたいこと、思っていることも言えない対外関係というのはやはりどこかおかしな関係かと思っております(特に相手は好き勝手言っているわけですから)。

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