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新ローマ法王で世界の何が変わる?

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ニコニコ生放送とBLOGOSがタッグを組んでお送りしている「ニコ生×BLOGOS」
今回のテーマは「ローマ法王って何!? いまさら聞けない宗教のキホン」

前ローマ法王ベネディクト16世の退位に伴い行われた新ローマ法王選出のための法王選挙会議(コンクラーベ)。存命中の退位はおよそ719年振りという極めて異例の事態で、世界中が注目を集める中、後継者として選出されたのがアルゼンチン・ブエノスアイレス大司教である、ベルゴリオ枢機卿ことフランシスコ新ローマ法王でした。キリスト教徒の少ない日本でも大きく報道されましたが、“ローマ法王ってなにする人!?”というのが正直なところ。そこで今回はゲストに作家で宗教学者の島田裕巳さんを迎え、ローマ法王とは何をしている人なのか?カトリックとプロテスタントの違いとは?そもそもキリスト教って?など、今さら聞けない宗教のキホンをたっぷり伺いました。

写真:濱田敦子
写真:濱田敦子 写真一覧

【出演】
司会:大谷広太(BLOGOS編集長)
アナウンサー:佐々野宏美
コメンテーター:須田慎一郎(ジャーナリスト)
ゲスト:島田裕巳(宗教学者・作家)

初詣も宗教行為の1つ

この日の放送のテーマが「宗教」ということで、番組冒頭から「アナタは神を信じていますか?」というアンケートを実施。その結果「信じている=39.6%」「信じていない=60.4%」と、番組をご覧の6割以上の方が、神の存在を信じていないという結果に。一方でこんなニュースもありました。

佐々野:研究者で作る「宗教と社会」学会などのメンバーが、去年4月から6月にかけて、全国30の大学生・4094人を対象にアンケートを実施。このうち「宗教にどの程度関心があるか」という質問では、「現在、信仰をもっている」と答えた学生は全体の16.1%と、前年より4.2ポイント増え、これまでの調査で最も高くなりました。

また「信仰はもっていないが、宗教に関心はある」という学生は37.7%で、「信仰をもっている」という答えと合わせると、53.8%と過半数を超えました。宗教への考え方について、「どんなに科学が発達しても、宗教は人間に必要だ」という考えに、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と肯定的に考える学生は、合わせて59.9%でした。

一方で「一般的に宗教は、危ないというイメージがある」という考えに「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と、否定的に考える学生は、合わせて59.4%でした。

宗教を巡る問題に関する質問で「カルト教団」への対策については、「ぜひやるべき」という答えと、反対に「何のことか分からない」という答えがともに18.1%という結果が出ていますが、編集長はこれについてどう思いますか?

大谷:世界史で習った知識はみなさん基本的にお持ちだと思います。ただ、欧米では文学やクラシック音楽、経済活動などのベースに宗教の知識や考え方があって、それを知ることで、より深く理解できるという部分はあると思うんですよね。

日本の場合は、お正月に神社へ行き、大体の人がお葬式はお寺でする。葬式仏教という言葉もあって、節目節目で宗教と関わりがあるんですが、生活の中にそれ以上入り込んでいる部分がありません。さきほどのアンケート結果では、「科学が発達しても宗教は人間に必要だ」と肯定的に考える人が約60%。困った時によって立つものとしての宗教という形だと思うんですが、宗教とは何なのか?信仰とは何なのか?という基準が難しい部分があるので、今日はそこを島田先生に伺いたいと思います。

須田:各家庭には仏間、仏壇、神棚があったりするし、あるいは、神様を信じていなくても、お守りを持っている人はたくさんいると思うんですよね。困った時に手を合わせる人もいる。これは宗教行為とは呼ばないですか?

島田:宗教行為です。初詣自体は、神社仏閣に行きますよね。神社仏閣に行って「さよなら」と言って帰ってくるわけじゃなくて、そこで何らかの礼拝をするわけだから、これは宗教行為です。初詣に行く人は大体8000万人いるわけで、そうなると1億2000数万人の日本人のうちの8000万ぐらいの人達は“信仰が深い”と解釈することだってできます。

大谷:先ほどのアンケート対象の大学生は、大体20年ぐらい前に生まれた子たち。80年代とか90年代には、新興宗教や超常現象ブーム、そしてオウム真理教事件もありました。そういうものがちょっと下火になってきた中で生まれ育った子が現在の大学生世代です。その流れの中で、今再び宗教への関心が高まっているのはおもしろいなと思います。

島田:高まっているというより、日本の場合は5300年以上に渡って、特に仏教が入ってきたから持続的に宗教に対する関心が高いと考えたほうが、僕はいいと思います。

最初に「アナタは神を信じますか?」というアンケートをしましたけど、日本人に「神を信じますか?」と聞くと、結果は大体低いです。アメリカなら80~90%ぐらいが「神を信じる」となるでしょうし、大体の国は70%でも低いぐらいで、中には90%以上が信じている国もある。

ただ、外国で信仰されている神と、日本人が信仰する神は、そもそも性格が違うので、一律に比較できないところがあります。日本人はそう質問をされると、“自分はどこかの宗教に入っているか”で判断してしまいます。それで、入っていない人が多いので「信じていない」と答える人が多いわけです。

存命中の退位は異例の出来事

佐々野:ローマ法王関連のニュースが報道され、Twitterでも「バチカン」や「コンクラーベ」という言葉が流れていましたが、この辺りを今一度ご説明いただけますか?

島田:「カトリック」「プロテスタント」「東方教会」という3つのキリスト教の流れのうち、ローマ法王は「カトリック」のトップになります。カトリックはグローバルな組織で、あらゆる領域を探しても、どこにも匹敵するものが存在しないぐらい巨大。国も民族も超えた組織のトップが変わるということが、非常に影響力の大きい話しとわかると思います。

しかも、法王は「神の代理人」と考えられていて、法王になった時点で人間の領域から神の方向に一歩踏み出す。“法王は間違いを犯さない”という「法王無謬説」がありますが、これは人間を超えた存在だから過ちを犯さないということなんです。原則は亡くなるまで続けることになっていて、健康に問題があったり、衰えたとしても、今までは最後までやるという形を取ってきたわけですよ。

佐々野:今回、前ローマ法王が存命の間に変わるというのは、かなり衝撃的なんですよね?

島田:今までの歴史の中で2回しかないですからね。実質初めてと考えたほうがいいくらいの衝撃的な出来事と受け取られているのではないでしょうか。

須田:歴史的に見ると、宗教のトップであると同時に、西ヨーロッパの世界で言えば権威の裏付けになっていましたよね。王様が王である理由、皇帝が皇帝である際に、ローマ法王が「この人がそうなんだよ」と権威の裏付けをしてきた。相当の影響力を持っているんですよね。

島田:ヨーロッパもですが、最近は今回の法王の出身地である中南米のほうがカトリックの勢力が強い。どの国にもカトリックがあり、もちろん中国にもありますが、価値観に影響するので、その在り方を巡って、中国政府とバチカンとの間に対立がある。非常に複雑な様相を呈しています。

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