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公選法改正案が成立:安倍総理のリーダーシップでネット選挙運動解禁

 今日の参議院本会議で、インターネットを使った選挙運動を解禁する公職選挙法改正さんが成立した。私はこの問題に長く取り組んできたので感慨無量だ。

 1998年に初当選したばかりのころは、インターネットを選挙運動に使うことは完全に禁止状態だった。選挙が告示されるとホームページを落とさなければならないという厳しい法解釈が行われていた。
 「政府はネットの利活用を進めるといっているのに、これはあまりにおかしい」と感じた私は選挙運動でネット利用が禁止されていることの問題点の指摘を始めた。そしてまず、当時の自治省を説得して、「告示前まで公開されていたホームページを、そのまま更新しないで公開し続けることは可」というところまで前進させた。
 その上で更新も含めた解禁を目指して党内の説得を始めたが、当時はHPを利用する議員も少なく、またインターネットに関して理解をしている議員はごく僅かという状態で、党内の支持を得ることは難しかった。

 時は進んで、2005年の郵政選挙でインターネットのパワーが認識された。HPを開設する議員も多くなり、解禁論に賛成してくれる議員も増えた。ブロガーの皆さんと意見交換していく中で、やはり更新も含めてネット利用が完全に解禁されるべきだということになり、選挙後自民党内の選挙制度調査会にネット選挙運動ワーキングチームが立ち上げられ、私はその座長になった。WTでは精力的に議論を議論を重ね、きょう成立した法案のベースになっている骨格をまとめるところまで来た。
 しかし党内には「金がかかる」「野党に有利だ」「誹謗中傷が多くなる」等ネガティブな意見が多く、このWTがまとめた骨格は「案」のままお蔵入りになってしまった。

 2009年に自民党は野党に転落した。その機会に私は「野党になったらマスメディアには取り上げられにくくなるので、ネット利用は自民党の重要な情報発信源になる」「ネット利用に前向きな姿勢を見せることで、自民党の変化を国民に訴求できる」という論法で党内の説得を行い、法案作成の許可を得た。
 2005年に作っていた骨格をベースに法案を作り上げ、党内の正式手続きを終え、国会に提出するところまで持っていった。

 しかし野党時代にはネット完全解禁の法案を提出していた民主党が、与党になって急に態度を変えてきた。2010年の参議院選挙で解禁に持っていきたいと考えていた私は、粘り強い政党間交渉を通して、また民主党内のネット利用解禁派議員とも連携して、法案成立に向けて動いた。
 そして2010年6月の国会会期末直前に「政党と候補者本人のみ」という極めて限定された範囲ではあったが、一部解禁することで全政党が合意することができた。ツイッター等の扱いをどうするかについてもガイドラインを作成するところまできた。

 これで限定的ではあるがネット解禁に踏み切ることができると喜んでいたら、鳩山首相が突如辞任表明し、その後国会は会期末まで空転してしまって、結局解禁することはできなかった。

 その後ネット解禁の動きは止まってしまっていた。表だって反対する人はいないのだが、一票の格差是正や定数削減の議論に比べて「優先度が低い」という扱いを受け、なかなか議論が進まなかった。

 空気を一変させたのが安倍自民党総裁の登場だ。昨年末安倍総裁が新経連との懇談の場で「ネット選挙運動を参議院選挙までに解禁する」と宣言。さらに総理就任記者会見でも「参議院選挙での解禁」を明言した。
 「総理があそこまで明言しているのだから」ということで自民党内で一気に議論が盛り上がり、党の選挙制度調査会を中心に法案を再提出する動きが始まり、今日の成立につながっていった訳である。

 安倍総理は経済政策や外交でリーダーシップを発揮しているが、ネット選挙解禁でも見事なリーダーシップを発揮してくれた。

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