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救急医療への提言(4)医療者の問題

記事がなかなか書けずにすいません。年度始め、大学忙しいです。

朝日新聞の記事で、医師ブログでも有名なお二人が、大学病院の救急医退職問題を取り上げています。各地で救急が崩壊しているが、その中に「旧人類」の問題も見え隠れ大学病院と救急医療は相性が悪いかも…

大学病院における人事のむずかしさと、ギリギリで運用されている現状を表しています。本当にいろいろな部署で閉鎖されています。

今回は救急問題における医療者側の問題を考えていきます。

まず救急という分野において、専門医が少ないことがあげられています。加盟学会の専門医数の一覧表

埼玉なんて救急対応病院にほとんど専門医がいなくてひどいと、川越救急クリニックの上原先生も記事にされています。厚労省・救急医療検討会

鹿児島で救急クリニックを開いた松岡救急クリニックに、開院当初から患者さんが大量に搬入される現状も、今の全国の救急の状況を表しています。(松岡救急クリニックFBより)

標榜していても簡単にとってくれない大きな病院より、すぐにとってくれてしっかりと対処してくれる腕のいい医師がいるクリニック。

こういうしっかりとトリアージを含む対処ができる腕のいい医師が全国的に臨床の現場に少ないのです。

以前私も救急車を受け入れ、患者が心筋梗塞だと診断した後、直接電話して大きな病院に心筋梗塞ならと引き取ってもらったことがあります。

その時『1時間前にその病院に電話した時は受け入れ不能と言われたのに』と救急隊が泣いていた事があります。

医師が判定してくれたら安心して収容して利益を得ようとする病院があることを否定しません。

善意の医師が頑張っていることで、今の救急は成り立っています

救急専門医は全国で3382名と血液学専門医2982名とそんなに変りありません。

血液内科はそれこそ大きな病院にないとこも多いですが、救急はそこそこの病院ではみんなやっています。

また血液内科も当然複数の人間がいりますが、救急の場で働く人間は一つの現場で5人が同時に働く必要があります。

内科学会、外科学会、消化器内視鏡学会専門医などと比べればどれだけ少ないかが実感できるでしょう。

この救急という大変な職場を医師が選ばないことも問題なんです。

でも血液内科を含めて、本来担当する患者数は少ないので、この人数がいれば足りるという想定もあるのですが、の専門医達が実際は現場から離れています

また救急が頑張っているのをいい事に、甘えている医療施設が存在するのも事実です。

東京都の墨東病院では、欧米型のERシステムをとっています。本来1次から3次すべての患者を受け入れています。

本当に優れた病院ですが、それをいい事に何でも送ってくる病院、施設があります。結果として受け入れが難しくなります。

施設入所中の90才、100才の意識もない、弱っていた人が救命に運ばれている状況も延命治療の上で考えなければいけません。

本当にその患者さんの救急処置を本人を含めてみなが望んでいるのか。治療のシステムを患者さんを含むまわりが理解できていないことも大きな問題です。 医療と介護の連携 日本医療の現状 いいかげんにしろよ 

病院内でも問題があります。救急患者を引きとったあとその後です。

救急は初期治療だけおこない、その後は他科にお願いするやり方と、退院まで面倒をみるやりかたがあります。

今回の神戸大の問題は、教授交代に伴うこの医療のやり方の変化に医師達が納得しなかったことが問題となっているようです。

高齢者は何らかの合併症をいっぱい持っています。そのため一旦救急に来院し、病状を落ち着かせた後どこがメインでフォローするのかというのはとても問題があります。特に細分化された大学病院。

糖尿病で心筋梗塞をおこし救急で運ばれた際、腎不全で透析をしているのならば、少なくとも内分泌代謝、循環器、腎臓内科(泌尿器のところも)がこの患者さんに関与が必要となります。

でも救急からお前の科が診ろと言われると、いやこれは、メインはそちらで等とそれこそたらい回しがはじまります。医師は自分の専門に他科から茶々を入れられると、すぐにへそを曲げます。

総合臨床部などがあると、引き受けてもらえますが、大学病院はどこの科が引き取るかでよくもめています。

また後方病院に、療養、緩和の目的でおくられている事もよくありますが、手間がかかる患者さんは利益率が悪いと引き取りをしてくれない病院も多いです。結果入院が長引き、病棟があきません。

医療者が救急をどうしたいのか、救急に対して国民はどういうことをのぞんでいるのか。今の医療資源の中で優先順位はどうするのか。そういうことを決めていかなければいけないんです。

この医療者の職業選択の自由を含めた問題が、実は一番ハードルが高い部分です。

一番の解決は、救急医を増やしながらも、周りとの協調関係を病院がやらなければいけません。

専門の大学病院があわないのなら、そういう科を作らなければいけません。(総合臨床部?)

そういう道しるべを出していかないと、いつまでも解決できないのです。

だからといって医師達を責めて強制すべき事ではありません。

長文になりました。中途ですがここで一旦やめておきます。

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