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病気の家族の代わりに本を借りにきた人に本を貸し出せるか

そもそも図書館について、言いたいことがある、とこの前書いた。

2001年(平成13年)頃だったと思う。
当時、僕は長崎県で暮らしていた。

僕の一家は図書館のヘビーユーザーで、週末によく大量に本を借りていた。借りようとしたものがないときは予約して借りていた。

あるとき、図書館から電話がきて、僕の連れ合いが予約していた本が入ったという連絡を受けた。ところがその日、彼女は所用があって行くことができなかった。そこで僕が代わりに取りに行くことにした。本人ではないので、念のため、貸出カードだけでなく委任状を作って図書館に行った。

もう、おわかりだろう。 僕は本の貸出を拒否された。
理由は「本人ではない」から。

「本の貸出は個人に関わる重要な情報ですから」というのが担当者の説明だった。貸出に関する規則も見せてくれた。そこには確かに代理が来た場合の規定はなかった。この担当者とその上司の人たちは説明責任を果たそうとしていた。そこは評価したい。

「本の貸出は個人に関わる重要な情報」
もちろんそれはその通り。だからこそ僕は委任状を持ってきたのだが。

不思議なことには、本を返すときには誰が返してもいいらしい。
これがまたわからない。
「返却のときには確認をしませんから」と担当者は言ったが、本の「貸出」は個人に関わる重要な情報だが、「返却」は違う、というのが理解できない。

こうも尋ねてみた。
「本人が病気で入院しているときに本を借りたいという場合はどうなるのでしょうか?」
「今回は病気ですか?」
「いいえ。用事です。」
「ではちょっとねえ。」

病気ならいいのだろうか。用事ではダメで。でも病気ならいい、とは規則には書いてない。
結局、僕はもやもやした気持ちのまま帰らざるを得なかった。

来月、佐賀市嘉瀬町に新しく佐賀県医療センター好生館がオープンする。そこには県立図書館の分室があり、入院患者の方に手軽に本を読んでいただくことができるようになる。
都道府県立図書館の分室が病院内に設けられるのは、全国でも初めてだ。入院している患者さんが少しでも明るい気持ちになれるように、という思い、また、地域の方の使えるスペースに、という思いでこのサテライトを設置することにした。

ところでこのサテライト(もちろん、本館も)、貸出も返却も、代理OKです。委任状なしで。

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