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96条は、国民の判断を問うこともできない規定となっている。憲法改正する権限は国民主権そのもの。憲法96条は国民主権を制限し過ぎだ。 - 2013年04月16日のツイート

夏の参議院選挙は憲法改正も争点になるだろう。維新の会は、地方公共団体を地方政府へ作り直し、道州制を日本の統治機構にするための92条改正、地方政府の立法権充実のための94条改正、衆参ねじれを正すための59条改正、国の決算を責任あるものとするための90条改正を軸に据える。統治機構改憲

特に憲法92条、94条の地方政府樹立、道州制の実現は維新の党是である中央集権打破そのもの。中央集権打破改憲でもある。地方分権を誰もが言いながらこれまでの政治は進めることができなかった。そりゃそうだ。現行憲法自体が中央集権体制を日本の統治機構としているのだから。

政治が何度も何度も地方分権に挑戦しながら、結局は失敗する。まさに現行憲法が政治の力を跳ね返していたわけだ。現行憲法は中央集権体制。官僚機構も忠実に憲法を守っていると言うわけだ。だから憲法自体を改める。憲法は統治機構を規定する法規範なので、地方分権型統治機構に改める。

なぜこれまでの政治が地方分権を実現できなかったのか。それは政治の力不足だけが理由ではない。政治を縛る憲法自体が中央集権体制になっているからだ。現行憲法を盾に、官僚機構は中央集権体制の統治機構を守り続けた。国の統治機構を変えるには憲法を変える。それこそが政治の役割だ。

政治家がちまちまと制度の中身を論じても、専門家や官僚機構にかなうわけがない。それは政治家の役割ではない。憲法で日本国家の統治機構の大枠を描く。それが政治家の役割だ。憲法でグランドデザインを描ければ、官僚機構や専門家はそれに従ってフル稼働するだろう。今の大阪都構想も同じ流れ。

日本の統治機構を、中央集権打破、地方分権型、道州制にするのであれば、政治家は憲法でグランドデザインを描くべきだ。それが政治家の役割の全て。詳細な制度設計は憲法に基づいて官僚機構や専門家が行う。今回の憲法改正は中央集権打破改憲、地方政府樹立改憲、地方分権型統治機構改憲、道州制改憲だ

そしてこれだけ大掛かりな統治機構改革をするためには一定の時間がかかる。そのためにも、憲法96条改正だ。96条は、国民の判断を問うこともできない規定となっている。憲法改正する権限は国民主権そのもの。憲法96条は国民主権を制限し過ぎだ。

憲法96条改正賛成派は、国民を信じる。反対派は国民を信用しない。反対派は国民投票に付すと、憲法が悪い方向に進むと懸念し、国民投票を避ける。普段は、市民運動の声を信じよ!住民投票で決めよ!と言っている人たちに限って、憲法改正においては国民投票を信じない。

日本の統治機構を、中央主権打破、地方分権型、地方政府樹立、道州制に改めるには、憲法92条、94条の改正が必要であり、この点国民的議論が必要になるので、まずは96条を改正しておく。国会議員の過半数の発議で、国民の判断を求めることができるようにする。中央集権打破、道州制改憲。

今般、自民党、公明党から道州制推進基本法案の骨子が出てくる。これは極めて危ない。中央集権打破、地方政府樹立と言う統治機構のビジョンが全く見えない。国と地方の役割分担を整理して、国は国の仕事に専念してもらう。国は、外交、安全保障、通貨政策やマクロ経済政策などに専念してもらう。

今、安倍政権が専念していることこそ、本来的に国がやるべきこと。ここに政治がエネルギーを集中してもらうと国は動く。ところが国の役割が整理されていないので、首相は国会に軟禁されている。首相を国会から解放することが今の日本にとっては必要だ。1年のうち100日は海外に行けるように。

ところが自民党、公明党の道州制推進基本法案骨子は、極めて役人的なペーパー。細々とした事務を整理したペーパー。そして基本は現状維持。市町村はそのまま。それでいて、都道府県の権限を市町村に移譲。地方の現場を知らない非現実的な骨子となっている。

大阪府では僕が知事時代に市町村への権限移譲を進めたが、まあこれが大変なこと。大阪の市町村はそこそこ規模が大きいが、それでも権限移譲は大変。現行の市町村では権限を受けきれない事態が生じる。あるべき基礎自治体の模索が重要なのに、市町村長の道州制反対の声に押された骨子となっている。

道州制を実現するためには、地方に責任も負わせなければならない。地方でやらなければならない権限・事務を整理したら、それが担える基礎自治体に再編しなければならない。地方分権は、地方の権限ばかりが叫ばれるが、本来は責任を伴うものだ。ところが地方は責任は負いたくない。

自民党、公明党の道州制推進基本法案骨子は、問題だらけ。国の役割を整理した上での国の機能強化、中央集権打破、地方政府樹立の理念、ビジョンが全く感じられない。単なる都道府県の整理レベル。これじゃだめだ。やはり日本の国の統治機構のグランドデザインを描くべきだ。それが政治の役割。

自民党、公明党の道州制推進基本法案骨子は、事務ペーパー。政治家が作るようなものではない。政治家がやらなければならないのは、統治機構のグランドデザインを議論すること。地方政府の樹立までもっていくのか、そうではないのか。自民党は地方政府の樹立は反対であろう。ここが政治議論の争点になる

自民党、公明党の道州制推進基本法案骨子を基に議論すると、細かな文言修正の議論になる。知事会の議論のように。今政治家がやらなければならないのはそんなしょうもない議論ではない。国の統治機構のグランドデザインに関する議論だ。方向性が定まれば、専門家に中身を詰めてもらえれば良い。

自民党教育再生実行会議が教育委員会制度の抜本的改革の提言を出した。これから中央教育審議会で詳細に詰めていくらしい。この自民党の提言には大きな問題がある。おそくら知事や市長として実際に教育委員会を切り盛りした経験のない者によって机上の論として作られたのであろう。

自民党の教育委員会改革案では、教育委員会の非常勤委員による合議制だけを問題視している。認識が甘い。教育行政の根幹の問題は、助言指導行政と言う、教育委員会制度特有の哲学だ。すなわち教育委員会と学校との関係こそが問題なのである。

教育委員会と学校との間の責任関係が極めてあいまいになっている。教育委員会は学校に助言指導を行うが、責任はないと言う建前だ。責任は学校長にある。????しかし、教育員会は学校に対して様々なことを指示している。しかも校長や教員の人事権は教育委員会にある。校長は教員の人事権すら持たない

もっと言えば、通常の市町村の教育委員会は、校長や教員の人事権すら持たない。都道府県の教育委員会が持つ。これでどうやって学校が責任を負えと言うのか。このような状況であるにもかかわらず、教育委員会は自らは助言指導機関で責任は負わないと言う。ここが無責任体質の根幹だ。

教育員会事務局には指導主事と言う役職がある。教員職が教育委員会に入り、学校を指導するのである。しかし、その責任は規定されていない。責任のない指導とは何なのか?それは街中の無料よろず相談と同じじゃないか。にもかかわらず、自民党案は、指導主事を充実させよと提言する。



自民党は、今の教育委員会行政の問題の本質を分かっていない。教育委員会の合議制も問題の一つだが、さらに重要なことは、教育行政の根幹を流れる責任を伴わない助言指導行政だ。学校運営の責任者は誰か?僕は学校長だと思う。だから校長に人事権も予算権も渡すべきだ。

教育委員会は、一定の教育水準を確保し、また緊急事態が発生したときに助言指導ではなく、自らの責任で指揮する。平時は学校長が運営責任を負い、教育委員会は校長人事でマネジメントする。ゆえに校長人事権を整理しなければならない。高校は都道府県、小中の義務教育は市町村にしなければならない。



今は小中の校長人事権も都道府県が有している。これでは市町村教委が責任をとりようがない。整理する。教育委員会は助言指導だけ行い、責任は負わないと言う建前。政令市を除く一般の市町村教育委員会は小中学校の校長・教員の人事権もない。ところが学校長にも教員人事権がない。誰が責任者だ?

助言指導行政など止める。それは一般の行政と同じく、指揮命令にすべきだ。指揮命令なら、それを出したものが責任を負う。教育現場には指揮命令はそぐわないとして助言指導なんて言うまやかし概念が生まれた。しかし助言指導と委員がら実際は指揮命令。それでいて責任を伴わない最悪の仕組みだ。

自民党にはもう一度再考してもらいたい。政治家が大きな方針を決めて、専門家が中身を詰める。その最初の大きな方向性が間違うと、とんでもない制度になる。自民党の認識は不十分。教育行政の問題は、助言指導行政。指導主事の責任のあいまいさ。責任を持つ者に人事権を持たせるべき。

都道府県教委と市町村教委の権限・責任の再整理。市町村教委は、地元の小中学校の校長・教員の人事権すら持たない。ここが一番の問題点だ。そして自民党の提言の中に入っている「政治的中立性の確保」だ。自民党、どうしちゃった?

政治的中立性の確保とは、教育内容が党派性を帯びないことと言う趣旨で、首長が教育に関与しないことと言う趣旨ではない。今回の自民党だって立派に教育に関与しているではないか。文部科学大臣だって政治家だ。この政治的中立性の確保なんて言い出したら、今やっている自民党の提言だってアウトになる

政治的中立性の確保は、日本特有の概念だ。これは地方首長の教育への関与の禁止と言う意味。だって国レベルではガンガン政治が教育に関与しているじゃない。第一次安倍政権の時に教育基本法が改正されたけど、これも立派な政治的関与。

さらに教育基本法を具体化しようと僕が知事のときに大阪教育基本条例を作ったが、そのときには政治の介入だ!と散々やられた。国レベルでは政治が関与してもよく、地方レベルだと政治の関与はダメ。この理屈は成り立たないだろう。ただ教育内容が党派性を帯びるのは良くない。だからこのチェックは必要

しかし教育内容が党派性を帯びることを防ぐことと、教育行政の責任者を誰にするかは別問題。自民党は、政治的中立性と言う言葉に惑わされ、首長を責任者にすることに躊躇した。ゆえに教育長を責任者とするが、これでは責任の所在はさらに複雑化する。

首長と教育長との関係、教育長と新教育委員会の関係、教育長との学校の関係。自民党案ではこの責任の所在は不明確なままだ。なぜなら最初の問題意識の出発点が間違った。教育委員会の合議制だけを問題視した。だから委員会の中で責任者を教育長にすれば良いとなったのであろう。

違う。まずは教育行政の助言指導行政を問題視しなければならない。そして各プレーヤーを抽出し、責任を割り振る。次に責任を負う者に権限を渡す。これが思考の手順だ。首長、教育委員会、教育長、指導主事、学校長。そして都道府県教委、市町村教委。これらプレヤーの責任と権限の整理が改革のテーマだ

ところが自民党案では教育委員会の合議制を一番問題視した。それと教育の政治的中立性。教育に政治が一定関与するのは当たり前だ。それが民意の注入になる。今回自民党が教育委員会制度の改革に乗り出せたのも、政治が関与したからだ。文科省だけでは動かせない。

そうであれば、国レベルでは政治が関与でき、地方では関与できない理屈はないはずだ。教育内容が党派性を帯びないようにするための仕組みは作ったらよい。しかしその問題と責任者は別だ。責任者は、やはり選挙で選ばれた首長にすべきだ。

自民党に問う。政治的中立性の確保の観点から、首長を責任者にできないのであれば、国も同様にすべき。文科大臣は政治家から選ぶべきではない。そして総理大臣と文科大臣の関係を、首長と教育長の関係と同じにすべきだ。中央教育審議会が地方で言うところの教育委員会にあたるのだろうか。

第一次安倍政権の教育基本法も、今回の自民党の教育委員会改革提言も、選挙で選ばれた政治家が責任を持って引っ張っている。地方も同じだ。責任は首長や議会で良いはずだ。ただ教育内容が党派性を帯びないための仕組みは必要だろう。それは国の中央教育審議会にあたる新しい地方教育審議会だろう。

今の教育行政は、完璧な中央集権体制。国が動かなければ地方は何一つ動けない体制。そこを何とかしようと挑戦したのが大阪教育基本条例だった。今の教育行政の体制は、地方の首長や議会を教育から排除し、文科省をトップとする鉄のピラミッドとなっている。

前大阪市長は、この教育の政治的中立性を鵜呑みにし、政治が教育に口を出すべきではないとして、市長として何も旗を振らなかった。 全国の自治体の首長は、この政治的中立性と言う言葉に催眠術をかけられ、教育行政には一切タッチしないと言う状況になっている。これが日本の教育が停滞した最大の理由。国が、文科省が動かなければ、教育は全く動かない仕組み。国や文科省よりも優れた自治体もあるはずだ。そこが切磋琢磨すれば良いその代り、いろんなところで教育に関するシンポジウムをやっていた。シンポジウムをやるくらいなら、大阪市の教育改革で実践すれば良いだけなのに。

全国の自治体の首長は、この政治的中立性と言う言葉に催眠術をかけられ、教育行政には一切タッチしないと言う状況になっている。これが日本の教育が停滞した最大の理由。国が、文科省が動かなければ、教育は全く動かない仕組み。国や文科省よりも優れた自治体もあるはずだ。そこが切磋琢磨すれば良い



地方の教育行政も、国の教育行政と同じ仕組みにすべきだ。選挙で選ばれた者が責任者となる。そして教育内容が党派性を帯びないように審議会を設ける。もし政治的中立性を確保すると言うなら、政党所属の政治家である国会議員が文部科学大臣に就任することを禁止すべきだ。


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