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参院選終盤の鍵は消費税ではない。〜支持できる政党がなく漂流する有権者〜

 私自身もちょっと消費税問題に意識を取られすぎていた。民主党が消費税のせいでこの選挙に負けそうだという見方も、一見消費税増税ありきのマスコミ報道に一石を投じているようだが、問題を単純化して「この選挙の焦点は消費税である」というマスコミの恣意的な世論誘導に加担したことにもなるような気がしている。

 世論調査を見る限り、消費税増税の賛否と投票行動は必ずしもリンクしていない。恐らく消費税以外の問題を重視して投票行動を決めている有権者が多いからであろう。

 それでも民主党への投票傾向は減速しているようだ。他の政策も含めて冷静に分析した方がいい。

 以下の調査はローカルな調査ではあるが、参考になる。
民主公約 評価しない政策 『普天間』が最多

 民主党のマニフェストの修正や、前首相の公約違反の中で、最も評価しないとしたのが「普天間飛行場を県外移設できなかったこと」(31.9%)で、「子ども手当の満額支給を断念」(19.5%)が続いた。民主党支持層でも「普天間」「子ども手当」の順だった。20代は「高速道路の無料化の後退」(27.7%)が最多だった。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20100707/CK2010070702000069.html

 結構民主党の当初のマニフェストに書かれていた、「普天間基地を沖縄県外に移設」「子ども手当満額支給」「高速道路は無料化」を支持していたが、それが反故にされて騙されたという思いを抱いている有権者が少なくないことがわかる。

 マスコミは民主党の政策のうち、税金の無駄遣い削減や天下り禁止といった小泉構造改革路線を継承するような政策のみを支持し、「普天間基地を沖縄県外に移設」「子ども手当満額支給」「高速道路は無料化」といった政策には当初から反対なので、こういった有権者が少なくないという事実をあえて隠滅し、民主党に対し当初のマニフェストに拘らずに現実路線に舵を切るようひたすら主張するのである。

 普天間基地を沖縄県外に移設すべき、子ども手当満額支給すべし、高速道路は無料化すべきといった声は今でも無視できない存在だと言える。ところが民主党に裏切られたと思っても、これらの意見の受け皿になる政党が存在しないのだ。普天間基地の県外移設は社民党や共産党が受け皿になり得るが、子ども手当満額支給すべし、高速道路の無料化を主張している政党は皆無だ。

 自民党や公明党は、「民主党は国民を騙した」と喧伝しているが、自民党や公明党は子ども手当の満額支給も高速道路の無料化にも反対だ。民主党のやり方を批判しているだけで、騙されたと思った人たちの受け皿になる気はなく、むしろ出来もしないマニフェストを信用して先の総選挙で民主党に1票を投じた有権者を嘲笑しているきらいがある。

 無党派層のうち、未だに投票先を決められないでいる人には、こういった層が多く含まれ、終盤戦の鍵となると見えることができる。彼らが、とりあえず民主党にお灸を据えることを優先し、必ずしも政策的に支持できない政党に投げ槍投票をするのか、民主党の中でも最後まで当初のマニフェストを貫徹すべきだと言っているような候補者を探して最後の望みを託すのかの選択をすることになる。

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