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サマータイムよりシエスタだろう普通

原発事故に起因する電力不足への対策として、サマータイム導入が検討されている、というニュースが流れていたのだが。
蓮舫氏、サマータイム導入検討…電力不足に備え」(読売新聞2011年3月22日)

蓮舫氏は、「サマータイム、フレックスタイム(時差勤務)に誘導していく税制や電気料金のどういう組み合わせが考えられるか、(東日本巨大地震を)抜本的に見直すきっかけとしたい」と述べた。
記事を読んでみると、別にサマータイムに限った話ではなくて、要するにこれまで以上に踏み込んだ対策を検討しよう、というぐらいの話のように思われる。固まってる話でもなさそうだし、ならばごく手短にちょっとした意見を書いてみようかと思う。といっても、誰でも考えつくような当たり前の意見だが。

ここはサマータイムよりシエスタだろう普通

今回の問題は、要するに夏の電力不足をどうするかという話であるわけだが、夏の電力需要のピークはいうまでもなく昼間、午後2時とかあたりだ。みんなが冷房を入れてるタイミング。特に8月あたり。もともとこの時間帯は供給がやばかったことをご存知の方も多いだろう。しかも今回は発電能力が落ちてるとなれば、ますますやばいわけで。

で、どうするかというわけだが、そもそもサマータイムを導入するとピーク時の電力需要が抑えられるのか?というのが根本的な疑問。典型的な意味でのサマータイムは、時計の針を少し、たとえば1時間進めたりする。夏は朝早くから明るくなるし、比較的遅くまで明るいから、人の活動する時間帯がより長く、明るい状態になって、照明などの電力が節約できる、という理屈だったと思う。

専門的なところはよくわからないのであくまで素人考えだが、もしこういう理屈だったとすると、サマータイムのメリットとやらは夏の電力需要のピークが午後の早い時間にくるという事実とはそもそも不整合だ。その時間帯はいってみれば日光が充分に明るいわけで、照明を消している家庭なども少なくないはず。それに、時計を1時間や2時間早めたところで、電力需要がピークとなる時間帯が労働時間に入っていることは変わらないわけだし。

フレックスタイムというのもいまひとつピンとこない。労働時間に柔軟性を設けるとしても、ふつうは労働時間全体を遅い方向にずらすか早い方向にずらすかなわけで、どちらにしてもピーク需要の時間帯は含まれよう。その部分だけはずす、ということは、その時間帯だけ家に帰るというのも現実にはなかなか難しいのではないかな。

問題は、どうやってピークの時間帯の電力需要を減らすかという話のはず。ピークロード料金を設けるなんてのは、もし可能ならぜひやるべきだが、社会の側でそれを受け入れやすくする方法はというと、それはサマータイムやフレックスタイムというより、むしろシエスタの本格的導入ではなかろうか。要するに、電力需要ピークとなる時間帯をシエスタにして、官公庁や企業、商店などがいっせいに休んでしまえばいいのではないか、というわけだ。

ただ休むだけではなく、空調や照明を止める必要がある。こういうしくみは、いうは易いが制度として実装するのはえらく難しい。さすがに全体がいっぺんに止まるとなるとたいへんだから、どこか冷房のきいている場所があってしかるべきだとは思うが、それがどこか、どうやって実施するかについては、素人にはなんともわからないので、詳しい方よろしく、というしかない。

官公庁や企業の事務所や工場、一般家庭なんかは止めて、店舗とか病院とか介護施設とかは止めない、みたいなきめ細かい対応ができればなおいいと思うが、そんなしくみにはなっていないだろう。皆が自主的にやれればいいが、大企業とかならともかく、そうでないところについては、おそらく期待薄だ。

もう少し現実的には、今やってる地域ごとの計画停電方式ということになるんだろう。それでも、その時間帯は停電区域以外もいっせいに休むようにしたらいいと思う。シエスタの時間帯は、冷房の効いた場所に移動するか、暑いなかでぐでーってするかということになる。後者は実際のところかなりつらいとは思うが、まあ、ちゃんとぐでーっとできれば、それなりにがまんできるかもしれない。

もともと、東京あたりの夏の昼間はもはや温帯の領域ではない暑さになってきているわけで、シエスタを導入してもらえないかと思ったりもしていた。もちろん電力供給能力が早く復活して、あるいは社会全体の電力需要がもっと減って、そんな涙ぐましい努力をしなくてもいいようになればいいとは思うが。というか個人的に夏の暑いのは非常に非常に苦手なので、勘弁してくれと思うのだが。本気で避暑地とか逃げたいぞできるものなら。

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