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宮内庁長官の苛立ち? 皇室の在り方を見直すべき時期が来た

 オランダの国王即位式に招かれた皇太子夫妻。4月30日に行われるこの儀式、出欠の連絡を3月上旬までに回答すべきところを、未だに未回答だそうです。
 それに対して報道されているのが、「宮内庁長官、皇太子ご夫妻の未回答に苦言」(日テレNEWS242013年4月11日)だそうです。
 記者会見での発言だそうですから、宮内庁長官は相当に苛立っているのでしょう。
 確かに、式の直前まで未回答というのであれば、社会常識的には問題があります。
 ただ、背景には皇太子夫人の「病気」があるようで、ご本人は恐らくオランダに行きたいのだろう、しかし、体調が良くない、従ってなかなか出席とも欠席とも回答ができないということかと思われます。

 皇太子夫人という立場でなければ、もっと気軽に生きてこれたにもかかわらず、周囲から24時間監視されているような環境となり、また週刊誌などから叩かれるという状況の下では気が滅入るのも当然です。
 現在の天皇夫人の立場とは時代が違います。
 皇太子夫人にとっては、何故、自分がそのような環境に置かれてしまったのか、後悔の念もあるかもしれません。
 現状の皇室は、かつての昭和天皇の時代のような権威の時代ではなく、単なるワイドショーの見せ物になっています。これでは緊張感から解放されることはありません。
 「公務」(というよりは見せ物)から離れるときくらいしか緊張感から解放されることはないでしょう。
 しかし、スキーや旅行を楽しんでもマスコミに叩かれるようでは、休まる場所さえなくなります。要は24時間監視体制下にあるということでもあります。

 このような皇室の状況でありながら、極右政党自民党は、憲法「改正」によって天皇の元首化を目論んでいます。
天皇の元首化をもくろむ人たち

 現皇太子は、いずれ天皇に昇格するでしょうが、このような状況の下で元首と言われても、気の毒なだけです。
 もっとも、現皇太子には極右勢力が望むような権威もありませんから、天皇元首化を達成できたとしても、軍事のシンボルになりうる状況にもありません。
 仮にそれが現天皇であったとしても、過去の言動をみても昭和天皇とは異なる平和主義者であり、軍事のシンボルにはなり得ないでしょう。
参考 渡辺治著『戦後政治史の中の天皇制』(1990年 青木書店)

 軍事のシンボルとは、天皇のために死ねという忠義の心を植え付けることにあるわけで、そのような権威とは縁遠い平和主義者の現天皇に望むべくもなく、ましてや何の象徴にもなりえない現皇太子などは、全くもって「元首」の素質は全くなく、天皇の元首化の目論みは、その目的を達成することは極めて厳しい状況にあると言えます。

 このような状況の中で、1人の女性(皇太子夫人)が苦しんでいるわけです。
 本来、このような状況から解放させて上げたいと思っている人は少なからずいるはずです。
 夫婦で皇室からの離脱を認めるとか、その場合には現皇太子も離脱することになりますが、そのような自由も認めるべきでしょう。

 ところで、皇室に対する批判が間違っているということにはなりません。皇族という立場は公的存在であり、その在り方は当然に批判の対象になるので、皇太子夫人に対する批判を止めるべきとは思いません。
 逆にそのような批判を封じることは、大日本帝国憲法のような「神聖にして侵すべからず」になってしまい、天皇制そのものを批判できない状況にしてしまいます。
 いつの時代でも天皇制に関する言論は自由でなければなりません

 だからこそ、皇室離脱の自由も認めるべきなのです
 皇太子夫人の場合には、自分の意思で皇室に嫁いだということになりますが、離婚の申し出については事実上、閉ざされている以上、自分の意思というだけでは片付けられないでしょう。
 また、生まれながらの皇族も離脱することは現在は認められていません。
 このようなことは、もう時代にそぐわないのですから皇族に生まれたとしても、その離脱の自由も認められて然るべきでしょう。
 そのような選択が可能な中で、敢えて皇族に残るというのであれば自らの意思ということになりますが、現状は強制でしかなく、それにも関わらず、マスコミから批判の対象になるのは、道理に合わなくなるわけです。

 このように皇室の在り方は、離脱の自由を認めるという点から改革されなければなりません。それは人道的な見地からです。
 ところで、極右勢力は、心底、天皇制に傾倒しているようですが、橋下氏のような人にとっては天皇の権威は自らの支配力を高めるための捨て駒程度のものです。
新自由主義(構造)改革と天皇制
 いずれにしても、こういった人たちによる天皇の政治利用というものが特定の人たちの犠牲の上に成り立っている状況に変わりなく、ましてや天皇の「元首化」などということになれば、「離脱」などという選択は原理的に相容れないことは明らかであり、なお一層、犠牲を強いることになるものです。

 皇族の在り方について見直すべき時期が来たというべきです。
「「女性宮家」の検討の行き着く先」

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