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日本成長戦略 40歳定年制

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日本成長戦略 40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日 [単行本(ソフトカバー)]

昨年、政府の国家戦略室フロンティア分科会が“40歳定年制度”を提言して話題となった。
どうも「40歳で全員クビになるんじゃないか!」というイメージだけが疾走してしまった感があるが、本書はその提言者自身による“40歳定年”の入門書である。

まず簡単に説明しておくと、40歳定年とは、40歳で全員が定年退職してオサラバするというものではない。40歳で期間の定めのない無期雇用を見直し、1年でも5年でも、または別の20年契約でも構わないので、新たな有期雇用契約を結びなおすというものだ。
著者も言うように、8割くらいの労働者は、引き続きそれまでの職場に残ることになるだろう。

ただ、生産性に応じた処遇になるのと、どこか別の仕事でセカンドキャリアをスタートさせたいという人が自由に動くようになる。それだけの話だ。

では、40歳定年制度の本質とは何か。
それは、より長くよりよく、より多様に働くために、スキルを再構築するための仕組みだ。

従来の年功序列だと、40歳くらいまで必死に頑張って、それ以降は年功に対するご褒美として、生産性以上の賃金を定年まで保証されるというシステムだった。

それに対し、60歳(65歳になってしまったわけだが)まででペイする報酬システムを見直しより短いスパンで機能できる報酬制度にしようというのが、40歳定年制度の根幹である。
人事制度的に言えば、40歳で区切りがもうけられることにより、会社も個人も、ゼネラリスト的なキャリアパスから、より職務給的なものへシフトするはずだ。

「でもやっぱり40歳でクビになる可能性もあるんでしょう?」という人は、冷静に考えてみてほしい。

・40歳以降、いつ追い出し部屋に送られるかビクビクしている
・若いころいっぱい頑張って成果を上げたはずなのに、40歳以降に報われず悔しい思いをしている
・会社にしがみつくため、有給も使わず、残業続き、おまけに数年おきに全国転勤させられている
・本当にやりたい仕事は別にあるが、仕方なく与えられた仕事をこなしている

新たな労働市場を生み出し、そこで各人が売りになるスキルを磨くことで、こういった閉塞感の多くは消えてなくなるのだ。
40歳定年制度というのは、あらかじめ節目を作り、各自が意識して、そのためのスキルを磨くための仕掛けである。
それこそがこれからの時代、最大のセーフティネットとなるだろう。

規制や法律だけでは雇用は守れない。それは、企業が大きく業績を悪化させたり、倒産してしまった場合には、解雇規制があっても人々は職を失ってしまうからだ。雇用や働き方を最終的に守るのは、本人のスキルだ。
その本人のスキルが高められるように、政策を考えるべきだというのが「40歳スキル再構築制」の根幹である。

そして、65歳までの超長期雇用、つまり「若い間いっぱい貢献した人のみが40代以降も雇われる価値がある」という雇用スタイルの王道が崩れることで、多様な働き方が可能となる。女性の社会進出が進み、高齢者の労働力も活かされる社会の到来だ。法律で一律に定年を65歳に引き上げる社会とはまったく異なる未来が、そこにはある。

さて、本書の帯に推薦の辞を書かせていただいた縁で、4月24日に著者である柳川先生とトークライブを行うことになった。まだ席はあるようなので、興味のある方にはおススメしたい。きっと活字に出来ないような話も色々と飛び出すはずだ。

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