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これ以上見ていられない在日コリアンに対するヘイト(町田市が朝鮮学校に防犯ブザーを配布中止した件について)

町田市が毎年市内の小学校新入生に配布している防犯ブザーを、今年は「北朝鮮のミサイル発射や核実験と言った社会情勢と市民感情に照らして今回は配布できない」として、朝鮮学校の子供達にだけ配布を中止した件についてまとめておきましょう。
毎度毎度のことですが、北朝鮮がミサイル発射や核実験をする度に、どうして在日コリアンの子供達に因縁つけて「罰」を与えるのか、国や地方公共団体あげてのイジメにくらくらします。
「悪の枢軸国」に加えてもらえそうなくらい悪辣な差別をしますよね、日本は。

まずは自身も在日コリアンであるガジェットウェブライターの李信恵さんの記事からお読みください。

差別はネットの娯楽なのか(12)――東京都町田市教育委員会「朝鮮学校への防犯ブザーの配布とりやめ」
http://getnews.jp/archives/315208

4月3日、あるひとりの在日コリアンの女性が、「某自治体が毎年朝鮮学校新入生にも配っている防犯ブザーを今年度は渡さないと。どうやら市民感情が許さないとかなんとか。まるで流行語になってる」とツイッターでつぶやいた。

そして翌日の夕方には、その自治体が東京・町田市、決定を下したのが教育委員会教育総務課であることが分かった。

朝鮮学校に通う子どもは、北朝鮮に関する問題が発生するたびに標的にされ、むしろ危険であるにもかかわらず、なぜ町田市はこのような決定をしたのだろうか。

ツイッター上では、「これは朝鮮学校の生徒は不審者に襲われても仕方ないということなのか?」、「酷すぎ、朝鮮学校の子供を狙えって言ってる様なもんやん」、「教育委員会がこれだもの。いじめがなくなるわけないよね」と、さまざまな意見が飛び交った。

私は町田市に抗議を、と考えて留まった。電話は業務に支障が出ることもある。在日が圧力をかけるように呼びかけた、といわれることを懸念もした。不当なことに対して声を上げるにも、私たちはやはり自由ではない。

まず、事実の確認をしようと町田市の教育委員会総務課に問い合わせた。この防犯ブザー配布は2004年度から始まったもので、市立小学校に入学した新1年生全員に配布される。

朝鮮学校側からは3月に貸与の申し出があったが、北朝鮮のミサイル発射など最近の情勢から総合的に判断し、教育委員会で不貸与を決定した。朝鮮学校側には3月末に伝えたとのことだった。

「私立、もしくはそれに準ずる学校ではどうですか?」

と尋ねたところ、

「私立でも申し出があれば貸与する。今回、申請した私立は朝鮮学校の他には3校あり、貸与されなかったのは朝鮮学校のみ」

という。

朝鮮学校に関するこういう問題が出るたびに、またかと思い、そう思ったことにぞっとする。防犯ブザーはそれほど高額なものではないし、当初は友人たちから、プレゼントしてはどうかという話も出た。

新入学の晴れやかなスタートを曇らせるような事件を、なんとかしたいという気持ちも大切だと思う。その一方で、このような決定をした町田市教育委員会に、防犯ブザーの持つ意味はもちろん、教育とはなにかをもう一度考え直してほしいと思う。子どもの安全すら守れない教育はごめんだ。

無償化除外問題も早く解決する様に祈り、去年は除雪費用が出ないために朝鮮学校の前だけに出来るという雪山について記事を書いたが、取り巻く状況が全く変わっていない。むしろ悪化しているのではないか。

東日本震災が起こった直後には、福島の朝鮮学校へは除染の費用が出なかった。そのため、全国から集まった関係者、アボジ(父親)たちが自ら除染作業をした。私もその現場にいた。

その後、半分支給されることになった時、子どもたちの命の値段が半分なのかと自嘲気味に云っていた保護者や友人に、何も声が掛けられなかった。そういうことが繰り返されるのはつらい。

最後に町田市教育委員会は、「多数の問い合わせや抗議の声を重く受けとめ、改めてこの問題について検討している」と答えた。その結果は週明けには判明するという。不貸与の決定が撤回されるかどうか、しっかり見つめていたい。

(李信恵)

話はズレますが、東日本大震災の時、福島の朝鮮学校には除染費用が出なかったこと、その後半額だけ支給されるようになり「子供達の命値段が半分なのか」と自嘲された在日コリアンの保護者の話を読んで、愕然としました。
これも高校無償化と同様「差別でなく区別だ」とでもいうつもりでしょうか。

さて、さすがに防犯ブザーを朝鮮学校の子供達にだけ配らないという差別には批判が相次ぎました。中には朝鮮学校に防犯ブザーを花と共に送ってくれた人もいたそうです。
(こちらもお読みください→差別はネットの娯楽なのか(13)――防犯ブザーの不配布撤回と朝鮮学校に届いた善意
町田市は配布の中止を撤回しました。

 同日、5人の教育委員のうち4人で協議し、「子供の安全を守るのも教育委員会の役割で、配布は適当」と判断した。同市教委の学校教育部が配布中止を決めたことについては、「このような重要な事案は教育委員が協議して決めるべきだ」と指摘した。
 市教委の高橋良彰・教育総務課長は「教育委員が協議して決めるべき重要事項を職員にはっきり例示できるよう、態勢を改めたい」と話した。
(2013年4月9日 読売新聞 朝鮮学校への防犯ブザー配布中止を撤回…町田より)

とのことで、謝罪は無し。
町田市には、これは許されざる差別であったという自覚が欠けているようです。
でも、これで一件落着とはなりませんでした。

児童用防犯ブザー:配布反対、大量の脅迫電話−−町田市教委 /東京
毎日新聞 2013年04月11日 地方版
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20130411ddlk13100247000c.html

 町田市教委が北朝鮮情勢を理由に市内の朝鮮学校へ防犯ブザーの無料配布を取りやめ、後に撤回した問題で、配布に反対する大量の脅迫電話などで市教委の通常業務に支障が出ていることが10日、分かった。「死ね」「ハンマーで頭を割ってやる」という内容もあり、市は町田署に相談、庁内の警備を強化した。

 市教委によると、9日までに市民らから計1612件の電話、メール、ファクスが寄せられた。配布中止を撤回した8日以降、市の決定に反対する抗議が急増。市役所を訪れて直接抗議する市民も多数おり、市教委は「命の危険を感じることもある」と苦慮している。

市の職員や教育委員会に防犯ブザーが必要という皮肉な事態になってしまったようですね。


残念ながら市はいまだに謝罪を拒否しています。自分たちも同じ恐怖にあってるのだから自分たちがどんな罪深いことをしたのかわかってもよさそうなうなものなのに、情けないことこの上ありません。

嫌がらせや脅迫はもちろん町田市の朝鮮学校に及んでいます。学校関係者や子供達は市の職員以上にひしひしと身の危険を感じていると思います。
朝鮮学校はyoutubeにアップした町田市の「防犯ブザー」問題に関する緊急記者会見の動画を嫌がらせのため削除依頼しました。
差別は、被害者である側がいつも沈黙においこまれてしまいます。
(「薔薇、または陽だまりの猫」 東京・町田市の「防犯ブザー」問題に関する朝鮮学校側の記者会見動画削除。脅迫続く。

市や教育委員会に嫌がらせを執拗に行うレイシスト達、そしてこんな事態になってもまだ謝罪しない町田市に憤りを覚えます。

現在ガジェット通信のライターである李信恵さんに対してツイッターでものすごいヘイトスピーチ攻撃がなされています。
こちらをご覧下さい。→togetter:在日コリアンに浴びせられる暴言
これが暴力でなくてなんなのでしょうか。
在日コリアンに対するヘイトスピーチやヘイトデモ、町田市の朝鮮学校に対する脅迫は、もうレイシスト達によるテロといってもいいと思います。
政府はまだ人種差別撤廃委員会に向かって「日本には差別禁止法を制定せねばならないような差別は存在しない」とすっとぼけるつもりでしょうか

在日差別をここまではびこらせたのは、慰安婦問題や南京大虐殺否定と同根の歴史修正主義が大きな要因です。在日コリアン差別と闘うことは歴史修正主義と闘うことでもあります。
今権力の中枢にいる政治家達をみればわかるように、日本は国自体が大日本帝国に回帰したくてたまらない歴史修正主義者です。この差別は国が後押ししているといっても過言でないと思います。


そんなわけで次のエントリ-で差別禁止法の立法について考えてみたいと思います。

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