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アベノミクス人事 - 公取までもがインフレ推進型へ -

公正取引委員会が最近おかしなことを言い始めている。消費税が上がった場合には、価格カルテルを認めると言うのだ。

3月22日に公取からリリースされた「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案」を見ると、まず第一章では、事業者は消費税を理由とした減額・買い叩きをしてはいけない旨が記載されている。

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資本主義の日本にあって、このような規制がかかるのも腑に落ちないところだが、更にビックリすることに、最後の部分(第4章)を見ると、『消費税転嫁カルテルについて、独占禁止法の適用除外とする』、とある。これまでカルテルを激しく糾弾し、目を光らせてきた公取が、今度は消費税増税の際にはカルテルを結んでOKと言うのである。

これを発表したのは、3月に就任したばかりの杉本委員長であり、明確にインフレを推進するために公取を利用するミッションを受けてのものと推察される。前財務次官の津田沼氏は杉本氏を「心臓に毛の生えた図々しさの持ち主」と評するが、それ故のこの人事なのであろう。

何としても日本をインフレにしたい国としては、消費税が増税となった時に、小売が税込表示価格を据え置き、実質的な値下げに踏み切るのを阻止したいという狙いがある。

一方で大手の流通小売業者などはバイイングパワーやセリングパワーを高めるために自由競争をしている訳であって、これまで談合の疑いや合併の阻止を(過剰なまでに)取り締まってきた公取が、態度を豹変させたことに対して不快感をあらわにしている。

例えば大手スーパーからすると、値上げの義務化は規模の経済が無効になり、また、バリューチェーンの末端にいる彼らが最も不利になるため、反発するのは当然と言える。しかし零細小売や卸、食品メーカーにとっては、値下げ圧力の緩和につながるため、国がやろうとしていること自体は、必ずしも悪いとも言えない。

重要なのは今回、「カルテルを容認する」という言葉が出てきたことである。もしも各業界が「消費税増税を反映する」といって談合して不当に価格を釣り上げたらどうなるか。つまり、本物の談合と消費税増税を反映させた談合を区別することなど不可能であり、これまで重罪であった談合が国家公認となるリスクを排除しきれていない。

日本が抱えるデフレ構造は供給過剰によるものであり、産業構造の問題の方が大きい。これではインフレ2%を達成させるためなら、談合でも何でもOKとも捉えられてしまう。公取は小手先のインフレ推進策ではなく、むしろ独禁法規制の緩和などによって国内産業の交通整理を図るべきではないだろうか。

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