記事
- 2010年06月14日 00:06
DSJ2010をのぞいてきたのでメモ
2/2別にここに挙げたものだけに限らないが、全体としていまいちな感じがするのは、ここで提示された使われ方があんまり気を引かないせいかと思う。要するにコンテンツの問題だ。このあたりは、デモをやってらっしゃる各企業(多くは機器やシステムのメーカーさんだし)の責任というわけでは必ずしもないのかもしれないので、別にどういういうつもりはない。ないのだが、この状態でさあデジタルサイネージだと飛びつきたくなる人ばかりでもなかろうとは思う。いわば「生みの苦しみ」の時期なのかもしれない。これから天才的な広告クリエータの方々がすばらしいアイデアで画期的な広告を作って、デジタルサイネージが一気に普及していくのかもしれないし。
コンテンツということでいうと、基本的に、街中に画面があっても、人はそんなに注目しないのではないか、ということがある。考えてみれば、街中にはすでに広告看板やらポスターやらがあふれかえってるわけで、電車の中のような特殊な場所、状況であれば、皆興味をもって見るかもしれないが、街中に四角い画面があって何かが映っていたとしても、あまり注目は引かない。では動きをつければいいかというと、それも慣れてしまえばあまり目立つものではない。あのパチンコ屋の電飾看板とかだって、見慣れれば完全に意識から消せるのだ、人間は。
いきおい、インタラクティブ性が注目されることになるのだろうが、出展されていたものの中に、面白いインタラクションをするものがあんまり見られなかったという印象がある。自分の動きに反応して、画面に映った自分の顔が変わったり、画面中で何か落ちてきたり、何かが動いたりついてきたりしたりするのは、もちろんふつうにただ絵が動いてるのよりいいし、興味をもってみてくれる人には効果があるかもしれないが、それでもたいていはギミックの域を出ないわけで、少なくとも現段階では正直、ちょっと弱い気がする。
インタラクティブ性ということでいえば、人の関与、なんてことは考えられないんだろうか。たとえばDNPが出展していた「バーチャルマネキン」は、上のリンク先記事のどこかに出ている(動画を撮ったが公開不可だったので)。住友スリーエムのVikuitiリア・プロジェクション・フィルムを透明フィルムアクリルの等身大人型パネルに投影するもの、だそうだが、正直な話、決まったことをしゃべるだけなら、別にパネルを人型に切り抜く必要は必ずしもない。でも、もしここに「中の人」がいて、自分と対話してくれるようになっていたら、来客にとって、このパネルが人型に切り抜かれていることの意味は大きく変わってくるのではないか。別に投影される人物が現実の人である必要はなくて、それこそ萌えキャラでもいいわけだ。応対する側も、中の人はこの場にいなくてもいいから、やる意味はそれなりにあるんじゃないかと思う。そういうのは広告というよりプロモーションの領域なのかもしれないけど、道具として面白く使えるんじゃないだろうか。
それから、コンテンツをどうやって作るの問題というのもある。ハイビジョン画質もけっこうだが、そのハイビジョン画質で何を映すの、それ誰が作るの誰がその費用払うのという話。展示の中にはコンテンツ自動生成システムみたいなものも複数あったが、ゼロから作ってくれるわけじゃない。そもそも今ポスターやら看板やらで広告してる企業が、いくら効果的だとしても、デジタルサイネージになったら急に何倍もお金を払ってくれるわけでもなかろう。設置費用に加えてコンテンツ制作まで資金が回るのかというのはけっこう深刻な問題ではないかと思う。
その観点でちょっとおもしろかったのが、㈱QLOPによる「メールDEドーガ」サービスのデモ。沖縄の伊江島ですでに導入されてるそうだが、基本的にはケータイ動画を表示するというもの。旅行者が島の各地で撮った動画を専用サイトにアップすると、その中からいいものを選んでここに表示するというしくみ。これを島の目立つところに置いてある由。要するにコンテンツづくりを旅行者たちにやらせるというわけ。これでいいものが集まる保証はないが、ひとつのやり方ではある。どこにでも使える手ではもちろんないが、うまくはまれば面白いことができそう。
あと、どうもデジタルサイネージ全般について、「お上品」な感じがつきまとうのも気になる。「目立たない」問題も、いってみればこのお上品さからきてる部分があるのかもしれない。広告ってもっと下世話で、売らんかな意識丸出しで、みたいなところがあるはずで。その観点からは、こういうのも悪くないのではないかな。
リンク先を見る
デジタルサイネージと、従来型の電光掲示板みたいなのを組み合わせている。電光掲示板は目立つし、それが広告だということが一発でわかる。で、デジタルサイネージの方に注目させるというわけだ。
似たような意味で、これも個人的に好み。LED サイネージ「ルミナート」。というか、要は電光掲示板ちょうちんだ。これをいわゆるデジタルサイネージの中に入れていいのかどうかという話もあるかもしれないが、まあよしとして。これはなんというか、インパクトがある。広告だということははっきりわかるし、ちょうちんという古典的な形であることが、なんというかな、われわれの記憶の奥底の何かを刺激したりしちゃうわけだ。これならコンテンツ考えるまでもないし。中国で作られたそうで、かの国ではすでに実際に使われてる由。日本でどうかというと、お祭りなんかで使ったらいい。あと、せっかく公職選挙法に認められた手段でもあることだし、ぜひ選挙にこのちょうちんを活用していただく陣営が出てくることを期待したい。何かと服装が話題になるかの田村耕太郎参議院議員などの事務所にはまさにぴったりなのではないか。
最後にこれ。こういうの好きだなあ。個人的にチンドン屋さんというのがけっこう好きなんだが、チンドン屋業界にちょっとした革命を起こすんじゃないかねこの方向性。あと、ぜひ行列のできるところで「ここが最後尾」みたいなのを表示して使っていただくといいと思う。



