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文科省が右翼的色彩の強い教科書の使用を強制している?

『環球網』が掲載していた「日冲绳地区否定文科省指导 拒绝用右翼教科书」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 いつものとおり記事を翻訳したものを最初に簡単に紹介させていただきます。

 『東京新聞』の4月8日の報道によると、沖縄県の八重山地方(石垣市、竹富町、与那国町)の中学の公民の教科書選定を巡って、文科省は竹富町、石垣市及び与那国町に同じ育鵬社版の教科書を使うように求めた。

 しかし、竹富町の教育委員会は8日に、文科省の教科書採用の指導を拒絶し、2013年もこれまで同様に、東京書籍版の教科書を使うこととした。

 報道によると、2012年と同じく、竹富町は慈善家の寄付を利用し31冊の教科書を用意した。竹富町の西表島の大原中では、始業式の後の朝10時頃、教室の3年生の9名の学生は新しい教科書を受け取った。

 聞くところによると、日本の教科書の無償措置には規定があり、地区内で、同一の教科書を使用しなくてはならない。しかし、竹富町は八重山の教科書選定委員会が選んだ、右翼的色彩の強い育鵬社版の教科書を使うことを拒絶している。

 2011年8月23日、沖縄県の八重山教科書選定委員会は、初めて育鵬社の右翼的公民の教科書を選定した。公民の教科書では、釣魚島に関して、育鵬社、自由社と清水書院の教科書が、明確に釣魚島を「日本領土」としており、「中国の主張に根拠がない」と公言している。

 その他の出版社が編纂する教科書では日本と中国の両方の主張が記述してあるか、あるいは完全にこれに関する記述がない。育鵬社の編纂する教科書はこの問題に関する認識の「分水嶺」となりうる。



2 『東京新聞』の記事

 ネット上で探したところ、『東京新聞』の「沖縄・竹富町、東京書籍版を配布 公民教科書、国指導受け入れず」という記事が見つかったので、以下に引用しておきます。


 沖縄県八重山地方(石垣市、竹富町、与那国町)の中学公民教科書採択問題で、竹富町教育委員会は8日、他の2市町と同一の育鵬社版を使うよう求めた文部科学省の指導を受け入れず、2013年度も東京書籍版を生徒に配布した。

 昨年に続き、ことしも町にゆかりのある篤志家の寄付金で31冊を準備した。このうち西表島にある大原中では、始業式後の午前10時ごろ、教室で新3年生の9人が新しい教科書を手にした。

 教科書無償措置法は採択地区内で同一の教科書を使うよう定めている。だが竹富町は11年、八重山採択地区協議会が答申した保守色の強い育鵬社版を拒否していた。



3 個人的感想

 最初訳していて、何故急に西表島の3年生9名が出てくるのか今一よくわからないまま訳しておりましたが、『東京新聞』の記事を見るとなるほどという感じです。

 ただ、あくまでネット上で見つけた記事なので、『環球網』の後半部分が、『東京新聞』にもとからあったものなのか、『環球網』が独自に付け足したものかは不明です(中国では結構平気で翻訳記事の修正が行われます「日本が朝鮮人「虐殺」を認めたという『産経新聞』の記事?」)。

 また、「尖閣諸島が日本領」と主張することが右翼的色彩となるのなら、中国はどうだという話で、中国の教科書が日本の主張を掲載することができるかということになります。自分達は、一方的に自分に都合の良い主張を掲載しているだけで、それこそ本当に「右翼的」と言いたくなります。

 それと中国人は日本の教科書選定制度など全く理解していないため、日本の教育制度について結構間違った記事が掲載されることがあります(中国全国紙の電子版『環球網』のかなり恥ずかしい間違い記事)。

 今回の記事も一般の中国人は文科省が決めつけた右翼的色彩の強い教科書を沖縄の一部の町が勇敢にも受け入れを拒否している位の認識で読んでいる方が多いのではないでしょうか(中国では国定教科書制度のため、そういう先入観で記事を読む可能性が大)。

 そこにここで使われているのは、中国政府が良く使う、中国政府に都合の良い考えをする日本人(当該外国人)がいるというロジックで(中国のノーベル平和賞評価)、いつも通りの手法で、中国政府の主張の正しさを根拠付けようとしている記事かと思った次第です。

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