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各国中銀の今後の方策と展開

みなさん、こんばんは!

為替千里眼、改めて今週も1週間お疲れ様でした。

週末の雇用統計については前回記事のとおり、かなり残念な結果ではありましたが、終わってみればドル円は97.60円と09年6月来の高値を更新、雇用統計の悪化を受けてドル売りが台頭したためユーロなども上昇し、ユーロドルは一時1.30Mid付近まで、ケーブルも目先のレジストとなる雲上限1.53Mid付近まで反発し今週の取引を終えております。週初にお伝えしたように、今週はストレートの調整反発を期待しておりましたので、ようやく反発らしい反発(オージーは除く)、ユーロ円も2日で7円近い急上昇となった訳ですが、ストレートに関しましては、大局的な流れは依然下向き、円売りの流れは続くと見られておりますが、ストレートが戻りを叩かれ再び反落となれば、クロス円のパフォーマンスは急激に低下すると思われますので、その辺を念頭に来週も積極的に取り組みたいと思います。

さて、今週は各国政策金利、とりわけBOJの追加緩和が最も市場にインパクトを与えましたが、まず序盤に公表されたRBA金利につきましては、現状据え置きとしながら緩和バイアスを維持する決定を下しました。声明文につきましても「現状のインフレ見通しは、需要を下支えする必要が生じた場合に一段の政策緩和の余地を提供しよう」としており、今後の追加緩和に含みを持たせたようなニュアンスでありました。ただ、世界的な景気動向についての認識については「ダウンサイド・リスクは低下」「資金調達環境は改善してきた」「株価はボトムを大きく上回っている」など前向きな見解が多く、欧州情勢が混迷しているにも関わらず、足許の国内情勢が安定しつつ、かつ失業率の低下などを踏まえ、多少楽観的な見方に傾斜しつつあるようで、追加緩和実施のハードルは相当に高いものと思われます。

CFTC IMM positions(April 2, 2013)
JPY:Long46,966  Short125,137
EUR:Long44,459  Short110,160
GBP:Long31,815  Short96,835
CAD:Long26,212  Short90,756
CHF:Long 9,789  Short21,804
AUD:Long135,540  Short51,569
NZD:Long31,358  Short12,971

※先週データはこちら

IMMポジションです。今週は水曜日以降に大きな動きとなっておりますので、データそのものには変化は然程ありませんが、次週データは相当に変化が見られていると思われ、円ショートの一段の積み上がりが気になるところでもあります。CNBCでソロスが円ショートで10億USD儲けたなんで話があったようですが(苦笑)、今回のBOJ会合での決定事項については、金融政策のタブーを打ち破るセンセーショナルな内容だと非常に評価も高く、市場間でもBOJの追加緩和の規模は事前予想を大きく上回り、事前に想定されていたオプションのほぼ全てが採択されたこと、そしてマネタリーベースの拡大に加えて黒田総裁が強調するポートフォリオ・リバランス効果への期待もあり、今後も円安圧力を与え続けることになると踏んでいる(=円安バイアスの継続)ようです。

BOJ黒田総裁も「現時点で必要な政策を全て講じた」と強調しており、バランスシートのGDP対比ではFedのQE3が7%程度なのに対して、BOJの決定は15%程度の拡大を見越していることから、規模的にも相当な緩和拡大となったことは明らかです。今回の決定については、海外当局からの評価もマチマチのようですが、市場参加者間では「2.0%の物価安定目標を2年程度で実現」、「マネタリーベースを2年間で倍増」、「長期国債の保有額を2倍以上に拡大し平均残存期間を従来に2倍以上に延伸」など、具体的な数値を明確にしたことで、分かりやすさという点が評価されたという指摘もあり、日本人特有の抽象的表現を排除したという点では、さすが黒田新総裁という部分もあります。
BOEにつきましては、政策金利もアセットパーチェスも現状据え置きとなり、特段目新しい材料は提供されませんでしたが、引続き追加緩和観測は払拭されておらず、市場ではBOEが四半期経済見通しを公表する5月、ないしはキング総裁が退任し、カーニー新総裁が就任する7月ごろに追加緩和が実施されるという見方を強めており、やはりそれまでは上値が限定的になるというのが共通認識のようです。

ECBにつきましても政策金利を現状の0.75%に据えおき、一部で懸念されていた利下げについては今回も見送りとなりましたが、足許で懸念拡大となっているキプロス問題やスロベニア問題、そして2013年初から続く経済活動の弱さについて懸念を強めているようで、今回の会合後の会見内容からすると、再び25bp利下げと非伝統的措置の追加実施の可能性が高まったと考えられます。ドラギ総裁は記者会見のなかで「今年後半の緩やかな回復を見込むシナリオにはダウンサイドリスクがある」という認識を示し、キプロスのような銀行懸念が問題視されていない国でさえ今では深刻な景気悪化を経験していると指摘、市場では特段問題視されておりませんが、フランスやオランダなどのコア国にでさえ、じわりコンテージョンが波及していることを暗に指摘しておりました。

となると、追加的緩和行動のタイミングが課題となりそうですが、こちらは今月後半に公表となるPMIなどのサーベイの内容次第といったところで、当然のことながら改善を示唆する内容にならなかった場合には、5月理事会での利下げが視野入りとなりますし、追加緩和の内容というのも非常に気掛かりであり、市場の焦点でもあります。残念ながら今回の理事会および記者会見で、追加緩和の内容に関する情報は一切提供されませんでしたので、内容についは今後の課題ということになりますが、既に翌日物マネーマーケット金利がゼロに近いことを考慮すると、何か目新しい方策を講じないと市場にインパクトを与えるのが難しいのではないかと思われます。とりわけユーロに関しては、その構造上の問題から非常に複雑である点は致し方ないところではありますが、金融政策面では今回のBOJの決定によって、一段と出遅れ感(米>日>欧)が台頭するところではありますので、次月理事会では何らかの行動を起こすのではないかというのが個人的な見解でもあります。

今週の主要材料と展望につきましては、今晩の更新にて取り上げたいと思います。

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